幽霊部員
顧問もいない本当に許可をもらっているのかも分からない部活動。
大学の部活動の本気度なんて様々だ。
サークルより活動していない将棋部は勝敗どころか大会に参加さえしていない。
(参加してた人もいるそうだとは後で聞いた話だ。さすがにそこまで不参加だと部として承認されないのだろう)
僕達の部には幽霊が見える、
そして幽霊に詳しいと自称する先輩がいる。
「幽霊が出たら心を無にする。そうしたら奴らは人を見つけられない。奴らは物理的にものをみるわけじゃないからね」
僕の一つ上の鋭い目付きの小男の横木さんはそのように話す。
僕達の大学、いやそもそも小中高含めて〇〇先輩というのを聞いたことはなく僕も横木さんのことを横木さんとよんでいる。(〇〇先輩という呼び方はマンガの中だけの話じゃなかろうか)
横木さんは僕達の部には将棋はしないがちょくちょく顔を出すメンバーの1人だ。
ここで幽霊を全否定する美人の女の先輩でもいればはなやいだ世界になったかもしれないがそうはいかない。
美人の女の先輩はいる。
名前は溝口さん。
ゆるやかな部の特徴また、まだまだ20前後の若者とはいえ大学生ともなれば、高校時代の基準の美人から不細工まで十把一絡で普通としてしまうのだが、その先輩は美人として認識していた。
ゆったりとした服を好み、長めの黒髪は派手にならない程度に染められている。
鞄は前にもち急ぎ走ることはない。
やまとなでしこというのは違うが見た目も所作もおしとやかなようにしている。
言動は・・・、
「幽霊を前に心を無にしたらだめでしょ、あいつらそこに入り込んでくるから!」
言動は突飛
僕達の部には幽霊を見える先輩が2人いるがなんかどこかで聞いたことのあるような意見を言うばかりだ。
僕は自分の役目を果たす。
足りない役目はさっき自分で行った通りだ。
「幽霊なんて非科学的な者存在するわけがないじゃないですか!」
先輩二人は驚き笑う。
普段無口な僕のあまりにベタなツッコミが場を和ませた。僕はそう思った。
「幽霊のお前が言うなよ」
二人はそう言ってさらに笑った。
この幽霊というのは幽霊部員という意味だよな。
僕は本気で心配になり当たりを見回した。
そういえばここ数日誰ともまともにしゃべってないぞ。それにこの二人は心霊スポットでもひょうひょうとしているのを見た。
僕は将棋盤に手を伸ばすがすり抜けはしない。
二人はニヤニヤとしている僕はからかわれたようだ。
幽霊観(僕の造語あったらごめんなさい)の違いからよく意見がぶつかっているがこういう時だけ仲がいいから困ったものだ。




