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夢物語  作者: ぐんてねこ
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期待通り彼女は研究について質問のメールを送ってきた。

雪とそっくりなところ、それに加えて勉強熱心な彼女にすぐに恋に落ちた。



やはり、直接会ってまた話を聞きたい、と彼女が言ってきたときは本当に嬉しかった。

やがて、研究の話以外も良くするようになり、すぐに特別な関係になった。



夢は、可愛くて優しくて、賢くて、僕にはもったいない素敵な子だった。

でも、どんなに彼女と愛し合っても、彼女が笑っても、ずっと僕の中には雪がいた。



△△△△△△△△△△



「僕は、ずっと忘れられない人がいて、この先も彼女を忘れることができない。だから、ごめん。本当にごめん。別れてほしい。」


別れを切り出したのに、彼女は微笑んでいた。



「その人と私は似てるんでしょう?だから私と一緒にいたんでしょ?知ってる。」

あー、急に呼ばれたからお腹すいちゃった、と言ってメニューを見始めた。



「ずっと、君を騙していたんだ。いっぱい傷つけてたんだ。本当に最低だ。こんな自分が大っ嫌いだ。」



「私は好き。レオンが誰が好きでも、私は好き。これからも傍にいたい。」

ダメだ、と言おうとしたけれど彼女の目は本気だった。



「傷つけていいよ。受け入れるから。」

その一言に甘えてしまった。

一緒に暮らせば、より彼女のことを好きになって、時がたてば雪よりも夢への気持ちが勝つかもしれない。

そう思った。



△△△△△△△△△△



夢との生活をかみしめながら、それでも夢薬の研究を辞めることはなかった。

そんな僕に愛想をつかして田村は夢薬の研究を辞めた。


夢が結婚することを望んでいる、と気が付いていたが雪のことを諦められなかった。



△△△△△△△△△△



やっと薬が完成した日、完成に心の底から喜んでいる自分に、やっと決心がついた。

このままじゃだめだ。

ずっと傷つけ続けることなんてできない。

もう嫌というほど傷つけてしまった。

でも、夢とは別れる。



△△△△△△△△△△



急に携帯が鳴って、田村からだった。



「地図と詳しいことをメールで送った。夢が事故にあった。早く来い。夢が大切なら。」

いつもは調子のよい田村の声が震えていた。



メールで病院の場所を見ると急いで向かった。

向かっている最中、夢がこれまでいったいどれほど辛かったか、泣きたかったか。

それを考えると涙が止まらなかった。


どうして、あの時夢と付き合ったのか。

どうして、本当のことをもっと早く言わなかったのか。

何で、別れなかったのか。

次から次へと後悔が湧いてきた。

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