レオンの思い
~レオンの思い~
雪は覚えていないだろう。僕らは小さいころに出会っていることを。
この世に生きる希望を見出せなくて、毎日が先の見えない真っ暗な世界だったころ。
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「ヘラヘラするな。鬱陶しい。」
小学生のころ、一番仲の良かった友達にそう言われたときに僕の中の糸という糸が全て切れた。
愛想がない、と言われたから笑った。
近寄りにくい、と言われたから笑った。
そんな顔だと楽しくないように見える、と言われたから笑った。
自分の顔が整っていると思わない。
いつも、どれだけ努力しても顔のいいあいつに負けた。
たくさん研究した。
そしてやっと見出した。
自分は人よりも笑顔でいるべきだ、と。
それでも否定された。何をしても否定されるんだ。
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ここから飛び降りたら、苦しまないで済むかな
高校生になっても小学生の時から変わらず、高いところに立つと真っ先にそんなことを考える。
橋の下を見ると、急に怖くなった。
風が吹いていて恐怖の寒気なのか、風の寒気なのか分からなくなる。
「ここから見える夜景ってきれいだよね。」
ふいに後ろから言われてびっくりした。
固まっている僕の隣に、一人の女の子が並んできた。
自分よりも明らかに年下で、小さな女の子だった。
僕の方を見ずにずっと先の方を見ている。
それっきり彼女は何も言わずにずっと夜景を見ていた。
ずっと前を向いて夜景を見る姿に引き込まれた。
二人でしばらくの間夜景を見ていた。
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「世界で誰もあなたを愛していない、って思わない方がいいよ。」
そう言って彼女は、地面に置いていたバッグを掴んで歩いて行った。
「ねえ、名前は?」
とっさに聞いた。
「雪。またね。」
自分が泣いていることに気が付いたのは彼女が去ってしばらくしてからだった。
また、彼女に会いたい。
その時は、彼女をがっかりさせたくない。こんな出会い方はしたくない。
今度彼女に会うときは、笑って会いたい。
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彼女に会ってから、僕は今まで以上に勉強に励み、無我夢中で生きてきた。
それでも、彼女にずっと会いたかった。
もう一度会いたい、もう一度会いたい、と思いが募った。
大人になって彼女をずっと探したけれど、見つけることはできなかった。
そんな中、彼女に出会う夢を見た。




