プロローグ ₋能力の気づき‐
書きたい物を投稿する前の
システムのテスト的に殴り書きしたものです。
一応続きも書くつもりではあります。
皆さん私の本に目を通してくれてありがとう
初めましての方もいるかしら?
二階堂燈子って名前でちょっとした執筆活動をしているの
ありがたい事に何作かドラマやアニメ、映画化もしているので
作品だけは知ってるという方はいるかもしれないわね
普段はあくまでもフィクションで主にミステリーを書いている私ですが
今回の本は「私」自身の話を書かせてもらう事になりました。
もちろんこの本に書かれている事を信じるか信じないかはあなた次第
私以外の人物や地名の一部は全て仮名で書かせていただきます。
私は1997年1月1日午前0時00分
東京の病院で生を受けた
苗字はごくありふれた苗字
名前は冬に生まれたって言う単純な理由から冬子と書いて
「とうこ」と名付けられたのが私の作家名の由来ね
我が親ながら単純・・「ふゆこ」にしない辺りがひねくれてるわね・・・。
そんな現在27歳の私には今まで隠してきた不思議な力がある
私自身その力に気付いてから大いに利用してきたし
その能力は私の知的好奇心を呼び覚まして物書きにしたんだと思っている
私はこの力を「独白」と呼んでいる
あなたには隠し事や人に言えない秘密はあるかしら?
どんな人生を歩んできたの?今どんな気分?
辛い?楽しい?
私の力は人にその全てを話をさせることができる
もちろん聞き出すのが上手い訳でもないのよ?
心の声が聞こえる訳でも本のように全てを閲覧できる訳でもない
でもね
誰も私に隠し事は出来ない
私が力を使えば誰でも
まるで独り言を言うように
私の知りたいことを話してくれるの
話してしまうの
誰も私に隠し事は出来ない
この話は私の日常の中で起こったずっと隠してきた不思議なお話。
私がこの「独白」の力に気付いたのは小学校4年の頃だった。
力自体はそのずっと前から持っていたと思う。
自覚して初めて使えたのが小4。
と言うより
使ってしまったと言えば正しいのかも知れないわね・・。
小5の時のクラスメイトに高岡良樹という男の子と宮下遥という女の子が居た
良樹は典型的ないじめっ子のクソガキで遥ちゃんは気弱な女の子で
私とは仲は良かったと思う
良樹は特に遥ちゃんをちょっかいかける対象にしてて
「やああい!泣き虫はるかー!泣き虫パンツー!」
ってなことを言いながらスカートめくりを毎日するようなやつだった
「ばーか!泣き虫はるかー!お前ブスすぎてうけるわー」
子供ながらも低俗でくだらない悪口、暴言の連続だった。
「もうやめてよ・・ううぅ・・ぐすん」
遥ちゃんは毎日ちょっかいをかけられては泣いていてそのたびに
「良樹ひどーい!やめなよー!」「サイテー!」
女子からはブーイングの嵐
ただ、そういうクソガキほど男子人気は高く
クラスの男子の中心人物と言っていいほどだった
私と言えば
「遥ちゃん大丈夫・・?いい加減やり返しなよ、あいつ調子乗るよ」
とか
「もっと遥ちゃんは強気になっていいと思うよ?」
「遥ちゃんは優しすぎるんじゃない?私なら逆にやっつけちゃうけどな」
慰めつつも割と厳しめに言っていたかもしれない・・・。
昔の私よ、そういう時は・・・もっと優しくするのよ・・うん・・。
どんな言葉で励まそうと
「ううぅ・・だってぇ・・良樹くん怖い・・ぐすっ」
遥ちゃんはいつも弱気で泣く一方だった。
遥ちゃんの弱気で泣く姿に呆れながらも
私は良樹に対してじわじわと怒りを蓄積させていたんだと思う・・・。
良樹に対しての怒りを膨れ上がらせていじめが起こる度にイライラを募らせていると
忘れもしない事件が起こった
冬休み直前の2学期も終わりに差し掛かりその日は雨交じりに雪が降っている凄く寒い日だった。
「あれ?!なんで・・ない!どうしよぅ、ない!」
「ママに買ってもらったばっかなのに。。ぐすん・・」
放課後の教室で遥ちゃんが珍しく大きめの声を出していた。
ひどく取り乱して今にも泣きそうだ
どうやら教室の移動中に目を離した隙に上着や手袋が無くなっていたらしい
その様子を見て
良樹と一部の男子がニヤニヤ笑っていた
「はは、なんだあ?こんな寒いのに無くしたのかよお!まぬけ遥!」
「うわー風邪引いてもしらねー」
良樹がわざとらしく大げさに煽ってた
「ねぇ・・どうしてそういうことするの!うええん・・返してよおぉ」
遥ちゃんは泣きながら良樹にすがっていた
こんなに動揺する遥ちゃんは初めてだったと思う
「ねぇ、、返してよぉ、、ママからもらった大事なやつなの」
良樹は満足そうにニヤニヤ笑ってた
クラスメイトの他の女子が見かねて割って入ろうとするより一瞬早く
私の怒りが爆発してしまった
「良樹!!あんた!!いい加減にしなよ!!!!」
声を荒げて良樹に詰め寄った
普段大人しい私が大きい声をあげていることに良樹、遥ちゃん、クラスメイトは
びっくりしている様子だったがもう構わない。
「あんた最低・・・遥ちゃんの物返しなさいよ!」
良樹は動揺しながらも言い返した
「な、、なんだよ、燈子の癖に・・うるせぇぞ・・!」
「俺がやった証拠でもあんのかよ!」
私その瞬間激しい怒りが不思議と別の感覚に変わったのを感じた
その感覚は冷たくも熱く力強いものだった
私は力強く高岡良樹を見つめて言った
「あんた、なんでそんな事するの?全部・・言いなよ」
良樹に質問した刹那、キィィンとした耳鳴りと共に周囲の空気が変わるのを感じた。
良樹の様子がおかしい
目の焦点が少しあっていなく気の抜けてぼーっとした顔になっていた。
クラスメイトが異変を感じざわつきはじめていた
私自身驚いた
だが私はそれとは別の感覚も感じていた
「ねぇ・・・何でいつもこんな事するの・・?」
今ならこいつは何でも私の聞いた事に答える
絶対の自信があった
「俺は・・・宮下遥が好きなんだ。遥可愛い、遥のパンツが見たい、ちょっかい出して気を引きたい」
良樹は口を開き話し始めた
「お、おい、良樹マジかよ・・」「嘘だろ」
「キャーー!」「え、キモ・・」
クラスメイトの女子は悲鳴をあげ、男子もざわざわし始めた。
遥ちゃんは固まっていた。
私は質問を続けた
「ねぇ、遥ちゃんのもの何処にやったの??」
良樹の目は虚ろのままだが淡々と話し続けた
「隣の空き教室・・・。ロッカーの中に隠した・・・」
彼は言われるがまま
正直ここで終われば良かったと今はちょっとだけ後悔してる
でも、あの時の私は子供ながらに正直高揚してたの
私の好奇心は此処から始まったのかもしれない。
「あんたの隠してる秘密、もっと吐きなよ」
私は少し笑いがこみ上げそうになりながらもそう質問した。
良樹は自分の秘密をずっと話し続けた。
そのひとりで話し続ける様はまさしく独白って感じだった。
まあ、話した内容は
たてぶえ舐めました。
とか兎に角くだらない事ばっかりだったけどね・・。
書くほどの価値はないからご想像におまかせって事で。
私の気が済むと良樹の目や表情は元に戻り
自分自身で話したことは全部覚えてない様子だった。
幸いな事にクラスメイトの女子も男子も良樹の奇行や発言にドン引きしており
私がトリガーになったことはさほど気にしてない様子だった。
「なんだいつ・・」「おかしいんじゃない・・?」
クラスメイトの反応が明らかに変わったことに気づいた良樹
彼は自分に向けられる侮蔑のまなざしに戸惑いながら
「え、、皆どうしたんだよ!遥もなんかおかしくね・・?」
「なんだよお、ただのいたずらじゃねぇかよ・・・」
皆に話しかけ続けた
「え、キモ・・」「良樹お前見損なったわ・・・」
「最低」「話しかけんな」
クラスメイトは冷たく蔑みの言葉をぶつけ続けた
「おい・・!遥・・燈子・・。なんでなんで・・。こんなことになったんだよ・・・」
そう取り乱して問いかける良樹の目は涙目だった。
「さあ・・・?色んな事・・勝手にしゃべってたよ」
私は素知らぬふりをしつつ教えてあげた
宮下遥は彼を悲しそうに見つめているだけだった
ここから冬休みに入る数日の間クラスメイト達の高岡良樹への態度は
それはもういじめって言い切れるほどにひどいものだったわ
良樹自体は調子乗ってた頃の面影がないほどにびくびくしていた。
流石の私もこの状況には心を痛めて後悔をしていた。でも、ざまあみろのほうが大きかったかもね
そんないじめがクラスに起こっている中
終業式の日そのいじめを止めた人物が居た。
それは遥ちゃんだった。
気弱だった遥ちゃんはしっかりした口調でクラスメイト達に告げた
「皆もうやめよ?私、良樹くんの事大嫌いだけどいじめられてるのかなしいよ。
私良樹くんにいじめられてるの凄く辛かった。良樹くんの事大嫌い・・」
「でも、怒ってないし同じ事みんながするの悲しい」
普段気弱で大人しい遥ちゃんがしっかりと意見を告げた事でクラスメイトは毒気が抜かれて
「宮下さんがそこまで言うなら・・・」「分かったよ・・なんかごめん」
上手く鎮火したようだった。
その時の高岡良樹はボロボロに泣いていた。
彼のスクールカーストはそのあとも上がる事はなかったと記憶しているわ
こうして終業式を無事終えて
明日から冬休みでクラスメイトはいじめの事などすっかり忘れ浮かれた気分で下校していた。
「遥ちゃんちょっといい?」
私は下校途中に好奇心半分、疑問半分で
宮下遥に話しかけることにした
「あれ??燈子ちゃんどうしたの?」
遥ちゃんはいつもと変わらず何もなかったように答えた
「ちょっとお話したいなって思って」
私は彼女に声をかけ通称お山の公園へと誘った。
私たちの小学校は集合住宅にほど近くほとんどの児童が集合住宅に住んでいる
子供ばかりでありお山の公園は集合住宅の敷地内にある公園だ。
「燈子ちゃんが下校中に声かけてくるなんて珍しいね・・。どうしたの?」
遥ちゃんは少し不安そうな顔をしていた。
「ちょっと遥ちゃんに聞きたい事があって・・ごめんね」
私はすっと気を引き締めて宮下遥に向き合った
「え?なに・・燈子ちゃ・・」
遥が何か言おうとするのを遮るように私は
手を銃のような形にして宮下遥の前に差し出した。
「独白。私の質問に答えて」
キィィンとした耳鳴りと共に周囲の空気が変わる
宮下遥の顔色が変わる
何処を見ているか分からないその瞳、表情は表現するとすれば無
ただ、高岡良樹より綺麗で穏やかな顔をしている気がした。
私は初めてこの力を使う事が出来た数日前から密かに能力を試していた。
仕草や言葉を意識付けすると使いやすくなることに気づく事が出来た
それで決めたのは指の形と「独白」というフレーズだ。
今では確実に力を使う事が出来る
「遥ちゃん。教えて?」
私はどうしても知りたかった。子供ながらに疑問と好奇心が抑えられなかった。
彼女の性格として絶対に普通に聞いても答えてはくれないだろう。
終業式の前、高岡良樹へのいじめを宮下遥が止めた時の事だ。
一生懸命クラスメイトにいじめを辞めるように話していた宮下遥
「今日遥ちゃんがいじめを止めた時」
高岡良樹へのいじめを辞める空気になっていた最中
情けないほどに泣いている良樹の事を
遥がじっと見つめていた事に私は気づいたのだ
「どうしてあの時・・・笑ってたの?」
冷たい目をしていて、それなのに凄く楽しそうに
泣いてるあいつを見てどうして笑ってたの??
私の心は答えが知りたくて仕方なかった
開けてはいけない扉なのかもしれない、それでも知らずには居られなかった
宮下遥の瞳は相変わらず虚ろだったがわずかに色が変わった気がした。
彼女は口を開いて話し始めた
「情けなく泣いちゃっていい気味。私はあいつがだいきらい
いつもいつもいじめられてうんざり、好きとか本当に気持ち悪い
いじめられててずっといい気味だったけど、私はあんたなんて
大嫌いって本人にずっと言ってやりたかったの。恩
だから言えてすっきりしたし。嬉しかった。泣いちゃっていい気味だよ
これで言いたかったこと言えるなって」
私は背筋が少しゾクっとするのを感じた。
いつも弱気だけど優しい宮下遥の別の一面が顔を出した気がした。
「言いたかった事・・。」
そう・・私はもう一つあの瞬間に見ていたことがあった。
宮下遥は笑いながら見つめた後
自分から泣いている高岡良樹に近づいて何かを話してたのだ
「あいつに何を話したの?」
私は虚ろな目をした宮下遥にまた質問をした。
「あんたなんかしんじゃえ」
宮下遥はまた口を開いて話し始めた
私は心臓がバクバクしていた。遥ちゃんの口からそんな言葉が出るとは思わなかった
「助けてあげたんだから二度と近づかないでね。リコーダー私のじゃないし。動画残してあるから」
「あと・・・舐めたリコーダー清潔な物だと思う?あはは」
私は驚いていた。
今、横にいるこの子は本当に優しくて気弱な宮下遥なのだろうか?
本当に同い年なのだろうか?
普段のイメージでは考えられないほどに大人のように感じた。
私は当時大人びてると言われる子供だった。
ひねくれてる、とも言われていたけどね。
彼女はそれ以上の狡猾さと
そして黒いどろっとした感情を心に秘めていた
私は・・それを本来怖いと感じるのがまともな子供なのだろう
けど当時の私は怖いだけでなく心の底から知的好奇心や知的探求心が満たされるのを感じていた
面白い・・・!これは面白過ぎるよ
遥ちゃんがこんな子だったなんて・・・恐らく私の「独白」が目覚めなくても
彼女は切り抜けていたかも知れない
私の中で何かが変わった気がした
初めて「独白」を使った時に感じた時とは違う満足感を私は感じていた
満足をしたところで宮下遥の「独白」は溶けてしまった。
宮下遥の表情はすっかり元に戻ってしまった。
「あれ・・?私たち、何してんだっけ・・。燈子ちゃん」
遥ちゃんはまるで眠りから覚めた直後のようにぼーっとした顔をしていた
「ちょっとした雑談をしてただけだよ。遥ちゃん、寒いのに呼び止めてごめんね」
私は何も知らぬふりをして遥ちゃんに謝った。
ごめんね。遥ちゃんの気持ち、隠すべき秘密沢山聞いちゃったよ
私、遥ちゃんの事本当に尊敬するわ、あなた凄いよ
「そうだったー!大丈夫だよお。でも、確かに寒いね・・。そろそろ帰らなきゃ・・!」
私が「独白」を使ってから結構な時間が経った。
12月の寒空の公園は私たちの身体をすっかり冷やしてしまった。
「そうだね、寒い中、本当にごめんね!ありがとう・・!本当に楽しかった」
私は帰る間際に改めて彼女に謝罪と感謝を述べた。
すると
宮下遥は改めて私に向き合って話し始めた。
「あのね。燈子ちゃん!私、いつも私を励ましてくれた燈子ちゃんに感謝してるの
やり返せって言ってくれた。私、いつも燈子ちゃんみたいに冷静で強い子になりたかった。
結局ちゃんとやり返せなかったけどあの日良樹くんに怒ってくれたの凄くかっこよかったよ」
「独白」はどんな秘密でもどんな過去でも気持ちでも
相手に独白させる事が出来る
私には誰も隠し事は出来ない。
でも、そこに本人の意思は存在しない
私が聞かない事を話すことはない。
「私、あなたのおかげで強くなれた!いじめがなくなったのも
きっと燈子ちゃんのお陰なんだと思う!」
これは明確に彼女の意思で発せられてる言葉だ。
本心かどうかは私には分からない
でも、きっと本心なんだと私は感じた。
「へへ、燈子ちゃん本当にありがとう!またね!」
宮下遥はとびきりの笑顔で
私に一通り気持ちを伝えると照れくさそうに走って行ってしまった。
「私みたいに・・・つよく・・。私のおかげ・・・」
宮下遥の心に影響を及ぼしたのは私なのだろうか?
それは27歳になった今でも分からない
宮下遥とは今でもたまに連絡を取っているけどあの子に「独白」を使ったのはそれきり
一度もないわ。
私に感謝を告げたあの笑顔を思い出すと彼女に使う事は出来なかったし
世の中には知らない方が楽しいこともある
あの子の心を知った時のあの興奮は今も私の原動力として残しておきたいしね
冬休みが終わるころにはいじめの事なんてすっかりなかったかのように
小学校での生活は過ぎていったし
高岡良樹は卒業まで大人しくもしぶとく残りの小学校生活を過ごしていた。
宮下遥は少し強気にはなったけど本当に優しくクラスメイトにも相変わらず好かれていた。
あの子の心にある少し黒い部分は私だけが知っている。
私の力の始まりのお話はこれでおしまい。
どうかしら?あなたはこの話、信じる?
信じなくてもあなたも
誰も私に隠し事は出来ない
次は私が15歳の頃の話でも書こうかしら?
私が執筆活動をするきっかけとなった人の話し
台風の日に出会った不思議な人
ここまで読んでくれてありがとう
次の話し。
楽しみにしててね
まず投稿をしてみたくて殴り書きをして半日で書いたものですがいかがでしたでしょうか。
稚拙な文章かと思いますが楽しんでいただけたとしたなら幸いです。
読んで頂きありがとうございました。