聖騎士副団長ウィークスの悩み
聖騎士副団長ウィークスはポーカーフェイスである。
37歳、女性、独身。聖騎士国内において序列2位である。
武力においても知力においても秀でているだけでなく、身に纏うオーラも凛としており、
神々しく見えるほどだ。
だから、誰も近づかない。いや、近づけない。そのような存在である。
ウィークスは王宮内を颯爽と歩く。それだけでその周りの空気は張り詰める。
聖騎士副団長ウィークスと各師団長が聖騎士団長の前にひざまづく。
誰もがウィークスだけに目が奪われる。その容姿、スタイル、佇まい、発するオーラ、どれをとっても美しい。
周りは思う、完璧すぎて近づきがたいと。
いや、、一つだけ欠点があるとみんなは思っている。
ウィークスの笑顔を見たことがない。
聖騎士副団長ウィークスはポーカーフェイスである。
聖騎士副団長ウィークスは賢い。周りが自分のことをどう思っているのかも理解している。
だからこそ、なおさら自分のキャラを崩すのには抵抗がある。
いまのままを演じ続けようと決めている。
本当の自分は誰にも見せられない。
聖騎士副団長ウィークス本人にとってのコンプレックスは周りの思っていることとは違う。
聖騎士副団長ウィークスは胸が小さい。
わかっている。周りがわたしにそこは求めていないことを。
むしろその部分の存在さえ周りは忘れているくらいその他の部分が秀でていることを。
それでも聖騎士副団長ウィークスは毎日おっぱい体操を欠かさない。
効果がないとわかっていても、
誰もそこに見向きもしないことをわかっていても、
お風呂上がりには必ず行う。
ポーカーフェイスで。
聖騎士副団長ウィークスは今日もおっぱい体操を欠かさない。
そしてナイトブラをつけて眠りにつく。
誰も知らない聖騎士副団長ウィークスの悩みである。