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二話 クリティカルデストロン


試験から数日、既に入学式を終えた三人は教員から発表されるクラス分けを今か今かと待ち望んでいた。

世の中は省エネ、面倒な行事は飛ばしてしまおう。


「んで、合格はええんやけどロックはどのクラスになるかねぇ」


「唯我独尊」


「無いからな!?」


クラス分けをこんなにも気にする理由は二つ、一つは成績や面接時の態度が関わるからだ。

自身の何がイケなかったのかを知り、就職時に活かせる故にだ。

そしてもう一つは……自身の価値を知れるから。


例えばガラス玉とダイヤモンド、どちらを厳重に警備して手元に置くなんて愚問だろう。

良いクラスとはそれだけ自身に価値があるという解りやすい証明なのだ。


「それでは、これより今年度のクラス分けを行う」


壇上に白ひげの老人が登るとそう宣言し一人、また一人と生徒達を呼び小声でクラスを告げた。

これには配慮と見せしめが有るからだ。

その理由は後程分かる。


「アラヤ・イラシキ!」


「はい!」


「おめでとう、君は最高峰ヘッドだ」


最高のクラスである事を宣言され、小さくガッツポーズを取るアラヤ。

そして次はリライトだ。


「リライト・リミックス!」


「はいな」


「おめでとう、君も最高峰トップスだ」


「おおきにな校長せんせ」


自分のクラスを告げられ笑顔で感謝するリライト。

それを見て「よきよき」と微笑む校長。


「ロック・イリュウイン!」


「おう」


ロックは飲んでいた酒瓶を近くの教師に渡すと立ち上がり、校長の元へとゆっくりと向かった。


最底辺ガベージ

この愚か者!!!」


「あ?殺すぞ」


「筆記は最底辺、面接態度は救いようなし!

貴様こそ最底辺の最底辺だ!」


「おいおい、テメエら糞雑魚じゃ敵わねえ奴を倒した俺様が最底辺ならそれ以下だな糞ジジイ」


「〜〜〜!!!」


「まぁ俺様最強だからこうやって飼い殺すためにあの手この手で入学とか頑張っちゃっなのかなぁ?

いやぁ雑魚は辛い辛いこうやって俺様に媚をうらなきゃ死ぬしねえ!」


酔っ払ってるからか言いたい放題のロック。

そんなこんなで破茶滅茶な入学式は幕を降ろし、ロックは別の酒瓶を片手に陽気にクラスへと向かっていった。


「一人〜殺せば殺人鬼だが戦場だったら大英雄〜理不尽理不尽〜

百人も殺せば何になる〜?」


フラフラと足元が覚束ないのに不気味な歌を歌いながら教室の前にたどり着いた。

そしてガラガラとボロボロの襖みたいなドアを開けるとすぐに倒れて眠ってしまうのだった。

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