京都到着
4月3日
12時を回ったころに一行は現地へと到着する。
新幹線を降りた彼らを待っていたのは捜査協力依頼を出した刑事だった。
「これはこれは、DAPの皆はん、こないな遠うまで御足労頂きおおきに。うちは京都府警捜査一課の柳言う者です。よろしゅうお願いします。」
各自挨拶
「ささ、こちらへ、着いてきとくれやす。」
柳の先導に従い駅の外へ出て行く。ロータリーには1台のバンが止まっていた。
各自荷物を積み、車に乗り込む。10人乗りとは言えDAPは6人、それに柳と運転手の2人に荷物を積めばぎゅうぎゅうである。ふくよかな者がDAPにいないことが不幸中の幸いだろう。
「狭くて申し訳あらへん、これしか用意できひんかったさかい我慢しとくれやす。あ、こちらは柴田 狛犬巡査。若手どすけどえらい優秀でして、今回、皆はんの補佐として選ばれたんどす。仲良うしたってください」
「よろしゅうお願いします。柴田です。と言うか柳さんなんですかその京都弁。いつもは普通に喋るのに。」
「そんなん言うたってしゃあないやろ、せっかくはるばる東京から来たって言うんやさかいファーストインパクトが大事やろ!あ、たはは」
賑やかな車内での談笑。まるで修学旅行に来たのかとでも錯覚するような緊張感のなさに探索者達は疑問を感じるでしょう。
心理学をPLに振らせる(PLに心理学を今回も使えるというヒント)
成功情報
捜査が難航する中、特効薬と成りうるDAPの存在に安堵していること、期待されていることがわかる。
外を眺めれば遅咲きの桜がいにしえの都に花弁を注ぐ趣深い風景を見ることが出来るだろう。
車を走らせること15分。京都府警察本部へと到着する。
駐車場へと入り、奥側のフェンスを開け、警察車両専用のスペースへと侵入する。「完全に止めてしまうと荷物を出しにくいさかい、ここで降りたって下さい」とわざわざ裏側の出入口の近くで止まる柴田。
一行はその勧めに従い降車することだろう。
そのとき。
出入口から出て来た人物がバンに体を強く打ち付ける。
「おい!大丈夫か?」と助手席から降車した柳が近づく。がその人物は反応らしい反応を返さない。
目星ロール
成功
見える皮膚全てが血の気が失せたように真っ白で顔面にはびっしりと冷や汗をかいている。表情は恐怖一色に染まり、なによりその目には光がない。(狂気の状態、精神分析を振れます。)
精神分析ロール
成功
その人物はなんとか正気を取り戻す。だが未だに恐怖は色濃く残っているらしく、なんとか絞り出すように「こ、ここ、拘留所に…頭が…はじけた!」と口にすると緊張が限界に達したのかプツッと意識を失ってしまう。
「うちは彼の介抱をしときます!到着早々で申し訳あらへんですが、皆さんは拘留所にむこうてください!」
彼をなんとか抱きとめた柳はDAPにそう言って介抱を始めた。
経験豊富な君たちはその場で硬直すること無く流れるように動き出すだろう。
警察署に入れば見慣れない君たちに「なんだお前たちは!」などと声をかけてくる者もいるだろう。立ち塞がる警官を迅速に説得する必要があるだろう。(説得系技能ならなんでも可能)
1人でも成功
迅速に拘留所にたどり着ける。(犠牲者がいないため、この後の戦闘ラウンドでは敵が一体)
失敗
思わぬ立ち往生を受ける。
次の瞬間、パンッパンッと聞き馴染んだ発砲音と、「うわぁぁぁぁあ!」と言う悲鳴が聞こえる。(犠牲者が出る。戦闘ラウンドで敵が二体に)
拘留所にたどり着く。
拘留所の最奥、日が当たらない薄暗い一室。
そこには、人がいた。
人であるはずである。頭を除けば。
額から頭頂部にかけてごぽり、ごぽりと気泡が生まれては弾け、酷い臭いを撒き散らしている。脳漿と血液や頭蓋骨だった者が混ざって黒くなった液体を泡立てている。目は白く濁りこぼれ落ち、視神経によってぶら下がり役目を成しているとは言えなかった。
だが、おかしい。大事な物がないのに目の前の体は動いているのである。ヨタヨタと歩いている。
そんな醜悪な光景を見たあなた方はSAN値チェックです。
1/1d4
(犠牲者がいない場合は)生存者を今にも襲いかかろうとしている。こちらには気づいていないようだ。さて、どうする?
(犠牲者がいる場合)先程の発砲をしたと思われる警官に覆いかぶさり、未だに原型を留めていた人間の口を使い首を噛みちぎった。鮮血を撒き散らしながら警官は断末魔をあげ、事切れた。
助けることが出来なかった探索者達はもう少し早くたどり着ければと後悔の念が沸くが、止まっている暇はない。どうする?
戦闘ラウンド
ニョグタの落し子のなりそこない
HP12
STR10
CON20
POW1
DEX5
SIZ死体による
ひっかく 30% 1d3+1ダメージ
組み付き 50%
派生 噛みつき 30% 1d4+2
犠牲者がいるパターンでは真っ先に行動する。
組み付き(死体に向けてなので95%)
取り憑く(死体に向けてなので95%)
頭から吹き出す液体を死体にかける。体積を無視してドロドロと流れ出るそれは犠牲者の口、鼻、果ては眼孔にすら殺到する。
ギチギチ、ミチミチと嫌な音を立てて死体は痙攣を始める。
やがて皮膚は裂け、内側からはゴムのような質感の新たな皮が盛り上がるように成り代わる。口は耳のあった部分まで裂け、ミシミシと歯が生え変わる。その変異は短時間で終わることになるが探索者達の脳裏に人が、人だったものが人ならざる化け物へと変異していくさまを焼き付けることだろう。
SANチェック 1/1d4
戦闘継続
変異したてのグール
HP18(装甲1)
STR17
CON17
POW1
DEX14
SIZ18
ひっかく 50% 1d3+1
噛み付く 20% 1d5+1
組み付き 50% 1d5 掴んで骨をへし折ろうとする。折ることは出来ないが筋を違えたりして技能を一時的に減らす。腕or足
戦闘終了。
(犠牲者が生きている場合)化け物を退治し、生存者を助けることができたDAP一同は何故こんなことが起こったのかはさておきホッと胸を撫で下ろす。生きている者をむざむざとみごろしにしなくて済んだのだ。探索者の誰かが手を貸すだろう。
「あ…ありがとうございました…助かりました……あれ?立てない…」
肩を組むことでようやく彼は歩行ができる。人の体温を感じて時分が生き残ったことを実感した彼は「うっ…ありがとう、ほんとに…ありがとう…」と涙を流しながらあなた方に感謝することだろう。
(犠牲者が死んだ場合)助けられるはずだった命を救えず、戦闘の音が止んだ室内には痛いほどの静寂が満ちる。それぞれが無念に感じるだろう。だが悔やんでも失われた命は戻らない。自分たちが解決しなければ助けられなかった彼に申し訳が立たないと君たちは気を引き締めなおすことだろう。
(ストーリー合流)君たちはその部屋から外に出る。
外には柳と柴田が待っていた。
「お疲れ様です。大丈夫です?とりあえずここでの拠点となる部屋にお連れするさかい少し休んどくんなはれ。」
そう言われて署内を案内される一同。周りからの視線は興味や期待と言った好意的なものから部外者に対する冷たいものまで様々だった。
これからの活動の起点となる一室は、長机が2つ、椅子が6つにノートパソコン等の備品が置かれ、降ろす暇のなかった荷物もここに届けられていた。
ちなみに仮眠スペースもある()
ここから本格的に京都の怪事件へと踏み込むこととなる。備えよう。
説得成功するでしょ、きっと多分。