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創界のモノロギア  作者: こーき
1/4

卒業

頑張って書いたので最後まで読んでもらえたらうれしいです。

 むかしむかし、人々は神によって支えられて生活をおくっていました。

 神によって色々な動物が作られ、自然は豊かに育ちそして、人々には知恵が与えられた。

 その結果人々は数を増やし組織を作りそして、自らが住みよい場所を作ろうとし自然を動物を淘汰した。

 そんな人類に腹を立てた神は一度世界をやり直そうとした。

 ある日神は突然下界におりたったかと思うと世界を壊すことを宣言した。

 神はこういう事で人類が考えを改め世界は良い方に進むかもしれないと思ったのだ。

 だが人類は神からの宣告を受け自分たちのもつ科学力の全てを持って迎え撃とうとしたのだ。

 当然結果として人類は神に敗北した。

 その争いの様はおよそ戦闘ではなく蹂躙だった。

 人間の行動に神は怒り狂い空は暗く覆われ海は荒れ山は激情のままにマグマを噴出させた。

 もちろん人間の英知など神に及ぶはずもなく核までをも使用したが結果は凄惨たるものだった。

 だが人間も一つの動物でしかなかったのだ。

 様々な動物が進化したように人間も進化したのだ。

 あるものはこの過酷な環境に順応し、そしてあるものは餓死する寸前に食べた動物の特長が身体に表れたりと人それぞれだがまた一つ高度な生物が誕生したのだ。

 そして現在人という生物はなくなり今では優人と呼ばれている。

 元人間であるものたちは色々な形で自分たちの住む地球を復興させようとした。

 完全な復興の目処すらたってはいないが少しづつ地球は優人の手によって回復していった。

 そして現在は優人と大きなくくりでは一つにされているが様々な人種の入り乱れたサラダボウルの状態で世界は均衡を保っている。





 ※※※※※





 チョークが黒板の上を軽快に滑りながら文字が記されていく。

 昼過ぎの陽気な日の光のせいで少し眠くなったため瞼を少しこすってから欠伸を噛み殺しながら伸びをする。

 ここは王都セクト人類がこれから一丸となって地球を治すと決めて作られた国である。人口は200万人ほどだが他の国よりは活気があり人々も幸せそうにしている。

当たり前の事だが。そしてここは王都で学生が最も集う全寮制の学園、中央学園だ。

もちろん様々な優人が在学している。隣を見れば鳥人の学生や教室のドア付近を見やれば竜人だっている。

そんな中で教鞭を振るっているのがこの学園内で最も女子人気の高い教員カナト先生だ。もちろん姿形も整っているわけだがそれのみでは飽き足らず文武両道で分け隔てなく優しいという完璧超人である。とてもそこらの男が敵うようなスペックではない。

話が変わるがカナト先生が担当している教科は歴史である。冒頭の説明文は大体カナト先生の説明を俺がかみ砕いたものである。メタ的な発言は程々にしておこう。

 カナト先生の説明を半分聞き流しながらふと時計に目をやると授業終了までのこり10分といった所だった。

学生の本分は勉強という言葉は完全に廃れてしまった。学業の時間は半分になり今では学生でも働きに出ていたりもする。時間も人手も無いような時だからテストというものも存在しない。だからか授業を聞いているような物好きは数えるほどしかいない。教員にも特に注意をするような素振りもない。

 ただ一人の例外を除いては。

 その例外とはそうカナト先生だ。残りの授業時間が少なくなってくるとほとんどの教員が雑談をし始めたりする中カナト先生だけが最後まで授業を続けそして下校する生徒を見送ったりしているのだ。

 そんなことを考えながら黒板を眺めていると耳に聞きなれた規則正しいリズムの音が聞こえてきた。

「じゃあ、今日の授業はここまでにします。日直の方号令をお願いします。」

 そう一言カナト先生が声を掛けると少し気だるげな声で日直が号令をかけ始める。

 今日最後の授業が終わり皆和気あいあいとしている空気の中俺は黙々と帰り支度を進める。すると後ろから見知った声で話しかけられた。

「ねえ、今日はこの後復興労働だよね?」

 あぁとそっけない返事を返しながら振り向く。

 そこに立っているのは昔からの幼馴染のフレディだった。身長は小さめで運動神経が抜群に悪い。この前自宅の階段で転んだと聞いた時は軽くため息が出てしまった。黒のフレームのメガネをかけており、髪は少し茶色がかったボブヘアーだ。男にしては髪が長いと常々思っていたが改めてみるとやはり気になる。

「なあ、髪鬱陶しくないか?」

「え、別にそんなことないけど・・。ね、ねぇそれよりさ今日一緒にどこか遊びに行かない?」

 唐突にそんなことを言われ少し理解が追い付かなかったが数秒フリーズした後やっとの思いで口を開ける。

「お前なぁ労働後に行ったとしてもどこも開いてないだろう。それに明日は朝早いからパスかな。」

 そう言うとフレディは少し残念そうに肩を落とす。

「そ、そうだよね。ごめん。明日はスズシロちゃんの面会日だったね。」

 そういって気まずそうに俯き謝ってくる。今更気にするような間柄じゃないだろうに。

「まー何だ。また落ち着いたらどっか行こうぜ。」

 少し照れてしまいつい素気ない言い方をしてしまう。照れたせいか少し頬が上気して赤くなっている気がしたから窓の外に顔を向ける。数秒経っても何も反応がないのがおかしく思いゆっくりと振り返ると物凄く満面な笑みを浮かべていた。

「こ、こちらこそお願いします!」

 なんて談笑していると教室のドアが音を立てて開かれた。

「皆席に着け。」

 そう一言声を掛けられ皆各々の席に戻る。そして皆が席に着いたのを確認すると担任の教員が口を開く。

「先週から言っているがこの付近に心棒者が現れているらしい。皆も労働後は速やかに自分の家に帰るように。」

 わかったかとそう締めくくると今日はもう解散らしい。早めに労働に出て帰る時間を早めようとしているらしい事が見て取れた。まぁそういう事ならその好意に甘えさせて頂こうと足早に教室を後にする。





 ※※※※※






 労働とは優人と人間によって分けられる。優人は祈力という不思議な気を操れる。その祈力を使い地球の復興を進めているのだ。そして人間側は地道な力仕事が主である。未だ機械が発達していなくゴミ拾いや食料品の配達等言ってしまえば雑用が人間に押し付けられるような形になっている。その点から見えるだろうが人間は優人に差別され、忌み嫌われている。

 そんな事を考えながら歩いていると路地の向こう側から数人の男の声が聞こえる。

厄介ごとに巻き込まれたくないため角から様子を見るために除くと三人の優人が一人の人間を囲っていた。なにやら揉めている様子で優人は顔まで真っ赤にして怒っている者が一名とそれを面白おかしく茶化している者が二人。

そんなやつらに見下されながら許しを懇願して頭を地面にこする人間が一人。そんな光景を見ていると少し頭に血が昇った。これ以上みているとあいつらの前に出て行って手を出してしまいそうだったので退散することにする。

そう決めて一歩歩きだしたところで後ろから鈍い音が聞こえた。反射的に振り返ってみてみると人間が暴行を加えられていたのだ。

その光景を見た後の事は少し記憶が曖昧だが気が付いたら優人の男らを殴っていた。一人は不意打ちで倒すことはできたがやはり戦いにおいて数の理というものはあるようで二人に殴られていた。俺がやられている間人間は黙って事の成り行きを見守り劣勢だと感じると脱兎の如く駆けて逃げて行った。

 目を覚ますと辺りは真っ暗になっていた。月明かりのおかげで周りがぼんやりと見える。数分間ぼんやりとしていると段々と頭がハッキリしてくる。

あぁそうか負けて気を失ってたんだなとそう結論がつくとふと時計に視線をやる。そこでようやく日をまたいでいることを認識した。労働を無断欠勤してしまったなと思いながら立ち上がる。

休んでしまったものは仕方がないので帰路につこうと歩き出したところなにやら赤く燃えている場所が目に入った。

一日に二度もアクシデントに首を突っ込む気はなかったが火事を見て見ぬふりをするほど人として終わってはいないので火事の現場に向かって走る。

 その途中で俺と逆方向に駆けていく人々が進行の邪魔をする。火事が恐くて逃げてるかと思って気にはしなかったがすれ違う人々の言葉が気にかかる。

「なんだあいつは!?」

「くそっ誰だよ?あんな奴を呼んだのは?」

 おかしいなと思いつつ火事の現場に着くと屋内に人影のようなものが見えた。流石にまずいと思ったが近くにあったホースで水をかぶり屋内に侵入する。

燃えている柱や荷物をよけながら歩いていく。少し息を吸うたびに熱い空気が肺に入ってくる。簡易的に服を破りその布を口に当ててはいるが長くはもたないだろうなと思いながら慎重に歩を進める。すると人影のある部屋の前までたどり着いた。

人影は二つあった。一人でも逃がすのは至難の技なのに二人もいるのかと誰にともなく悪態をついているとこちらの気配に感づいたのか物凄い勢いで周りの物が浮き上がった。

その瞬間目をつぶってしまったので見えはしなかったがまさか飛んだのか?鳥の優人だったのかと思い俺一人が残されたのかと思い焦ったがよく見るともう一つの人影の方は部屋に残ったままだった。俺は燃え移ろうとしているドアを急いで蹴破り中に入り人影に声を掛けようとした時だった。そいつはゆっくりと口を開いた。

「人間か?今の世に珍しいな。久方の現世はおかしな奴らが増えたものだなぁ。」

 物を焼く匂いや轟々とたっていてやかましくてたまらなかった音すらも聞こえなくなっていた。

それほどの衝撃を受けたのだ目の前の人物には。いやこいつは人間なのか?優人なのか?初めて見る位の燃えるような赤い瞳に夜でも光って見えるほどの銀色の頭髪。そして一番目を引いたのが片方だけになっている黒色の翼。

先ほどの奴に襲撃されたのか心臓付近には赤い液体が留まることを知らないように流れ出ている。まるで天使かそれとも悪魔のような神秘的な見た目に目を奪われ言葉を忘れていると向こうから声を掛けてくる。

「おい人間。お前さてはお人好しだろ。なぁ俺の事を助けてはくれねぇか?もちろんタダとは言わねぇよ。お前の気に入らない人間でも殺してやるよ。どうだ悪い取引じゃないだろ?」

 なんだこいつやっぱり死にそうなんだ。なんてことを思った。そして気が付いた時にはこんな得体の知れない奴に話しかけていた。

「気に入らない人間なんていないからお前との取引は成立しないな。」

 短くそう言って吐き捨てる。だがそんな態度を取られたのが以外だったのかそいつはしばしこちらを黙って見つめた後堪えきれなくなったように笑い出した。

「俺にそんな口を利くようなやつは神の中にだってそうはいないぜ?お前面白ぇな。」

 そいつは機嫌がよさそうにケタケタと笑いながら話す。だがそんな弛緩した空気を壊すように俺はそいつに喋りかける。

「だが気に入らない世界があるんだ。同じ人間だったはずなのに持っていないというだけで蔑み。下に見られたのにヘラヘラ笑ってそれを受け入れる人間にも。もう嫌なんだ。だから俺はこの世界を壊したい。お前の力なら出来るか?出来るなら俺の命でもなんでも使っていいから。頼む。」

 そこまで言って一歩そいつに詰め寄ったところでそいつは気づいたら真剣な眼差しで俺を見ていた。

「気が変わった。俺の力をお前に移そう。その方が面白そうだ。だがこの力を得たらお前はもう人間でもないし優人でもない存在に昇華するんだ。そして俺という存在と同化するんだから途中で降りることもできない。その責任を背負えるか?」

「こちらからお願いしたい位だよ。俺の手で世界を壊せるんだ。願ってもない事だ。頼む力を貸してくれ。」

 そういうとそいつは柔らかい笑みを浮かべると手を差し伸べてきた。

「俺の名前は雷禅といってももう直接会うことは無いがな。」

「アドルフ。しばらくお前の力借りるよ。」

 そう言って雷禅の手を掴むと突然首を噛みつかれた。痛いと思った瞬間目の前が少しづつ暗くなる。





 続


初めて小説を書いたので至らない点は多いと思いますが読んでいただけると嬉しいです。

完全に趣味の小説になるので週一位で投稿出来たらいいなと思っています。

少しでも面白いと思っていただけたら続きも読んでくれると嬉しいです。

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