表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

夏場の鍋も乙なもの

「?」


 すっかり忘れていた人物の登場で、焦って反応が遅れる。


「どうしたの?」

「あー、今妹が来てるんだよ」

「妹さん? 都合わるい?」

「うーん。まあ聞いてみるよ。ちょっと待ってて」

「うん」


 リビングでクロとつんつんしたり、されたりしている凛に猫宮の事を聞いてみる。


「凛、友達がクロと遊びに来たんだけどいい?」

「へ、そうなの? うー、もうちょっと遊びたかったけど、しょうがないか」

「別に一緒に遊んでてもいいぞ」

「いや、いくらお兄ちゃんの友達でも、知らない男の人といるのはちょっと……」

「あー、その、男じゃなくて女子なんだ」

「女の人?」

「そう」

「あのお兄ちゃんに女の人の友達?」

「あのってなんだ、あのって」

「だって彼女いない歴=年齢のお兄ちゃんだよ?」

「それ関係なくない?」

「それより、待たせてるなら呼んできなよ。本当なら」

「なんで嘘ついてることになってんだよ」


 玄関に戻り、待っていた猫宮に声をかける。


「待たせてすまん。いいってよ」

「少し聞こえてた」

「そうか、いらん事は忘れてくれ」

「ん。おじゃまします」


 猫宮を連れて再びリビングに戻ると。凛が姿勢を正して出迎えた。


「初めまして、柳凛です。中学一年生です」

「猫宮雛。高校一年。よろしく」

「兄の彼女さんですか?」

「おい」

「? クラスメイト?」

「猫宮、なんで疑問系なんだ。ちゃんとクラスメイトだろうが」

「記憶にない」

「おい。いくらなんでも酷くないか」

「影薄い」

「わかります! お兄ちゃんって、やれば出来るんですけどやる気がないせいで、目立たないんですよね。ポテンシャルは高いんですけどね」

「うるさいよ」

「お兄ちゃんはちゃんとすればモテるのに……」

「いいんだよ別に、小説とゲームがあれば生きていけるから」

「はぁ……」

「……なんだよ」

「まあいいです。それよりも彼女じゃない人がなぜ家に?」

「クロは捨てられてたところを保護したんだよ。その時俺より先に見つけてたのが、猫宮だったって訳。でも猫宮の家じゃ飼えないから、俺が変わりに飼うことにしたんだよ」

「なるほどね、それでお兄ちゃんでもこんなに可愛い人と知り合いになれたんだ」

「お前のその上げたり、下げたりはなんなの? 心が痛いんだけど」

「そんなことより、そろそろクロちゃんが遊びたそうにしているので、一緒に遊びませんか猫宮さん」

「うん」


 なんだろうこの疎外感、凛はいつからこんな子に育ってしまったのか。お兄ちゃんかなしいよ。

 朝早くに凛の襲撃を受け、いつもより早く起きたためか眠気が襲ってきた。


「凛、猫宮俺は二度寝する。ゆくっり遊んでてくれ。おやすみ」

「ん、おやすみ」

「おやすみ~」


 ノリがかるいな。まあ俺がいてもすることもないし、あいつらなら仲良くなれるだろう。

 早速部屋に向かいベッドに入る。それと同時に意識を手放した。




 起きた。スマホを確認する。十七時。


「寝すぎた。完璧に寝すぎた。頭痛てぇ」


 いまだぼんやりする頭を無視してリビングに降りる。


「おはようお兄ちゃん、いくらなんでも寝すぎじゃない?」

「おはよう?」

「おはよう。俺もびっくりだよ」

「晩御飯食べてくから作ってー」

「いいけど、そういえば昼はどうしたんだ?」

「雛さんが作ってくれたー」

「雛? ああ、猫宮か、もう名前で呼ぶほど仲良くなったのか」

「うん。雛さんかわいいんだよ! 料理上手なんだよ! やばいんだよ!」

「テンション高いな……すまんな猫宮」

「だいじょうぶ」

「すまん。凛あまり迷惑かけるなよ」

「はーい。ごめんね雛さん」

「いいよ」


 凛の要望に応えて晩御飯は鍋になった。七月に鍋って……。

 調理を終え、三人でキムチ鍋をつつく。なぜキムチ鍋飼って? 暑い時期に鍋なんて注文した凛を苦しめるためである。


「おいしいけど! おいしいけど! 辛い!!」

「好きだろ?」

「好きだけど!」

「おいしい」

「そりゃよかった。すまんなこんな時期に鍋なんて」

「問題ない。私も鍋好きだから」

「ならよかった」


 食事を終えたあとすぐに凛と猫宮が帰宅していった。「送るよ」と言ったが二人共に拒否された。大丈夫。嫌われているわけではない。大丈夫。ふて寝しよう……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ