小説家になろう、の中で起きた創作スパイラル
「これはもう、あなたの作品として公開してみては?」
と言って人をそそのかしてみました。
人聞きが悪く聞こえて、何を言ってるんだ? と思われるかもしれませんが、ま、ちょっと聞いてください。
事のあらましを説明すると、私、ノマが小説家になろう、にて長編『蜘蛛の意吐』を投稿。
2019年4月に完結、約1年の連載で90万字。
これが総合評価1万9千を越え、ブクマも5千を越えるという、ノマの書いてきたものの中では珍しくも、多くの方に評価頂いたものになりました。ありがとうございます。
この『蜘蛛の意吐』はネット小説大賞で二次選考落選し、書籍化とはなりませんでした。そのうち自己満足の為に自費出版しようか、とか考えてます。
まあ一般ウケしないかー、と思いながら本編に出て来なかったスピンアウトや外伝などチマチマ書いておりました。
すると『蜘蛛の意吐』に惚れ込んでくれた方が、ヒロインをバルーンアートで作ってくれました。なんて奇特な。
そして作られたバルーンアートがイベントやお祭りなどに展示され、蜘蛛意吐ヒロインがとある施設で受付嬢になったりと。この驚きと喜びを記念に残しつつ、小説家になろう、に投稿していたらこんなことが起きたよ、というエッセイを投稿したりしました。
バルーンアートを作ってくれたのは、
K John・Smith様
バルーンアートで地域のお祭りなどを盛り上げる活動をしておられるという方。バルーンアート教室で子供に作り方を教えたりなど。
クリスマスにはサンタ、節分には鬼、ハロウィンには魔女にガイコツと、フェスティバルを彩るバルーンアートを作って展示。
このK様、蜘蛛意吐を連載中からノマの活動報告でいろいろと書き込んでくれます。
というのも、ノマが蜘蛛意吐を、ありがちな今どきファンタジーとはちょっと違う一風変わった世界観で、と設定を考えて盛り込んでみました。
ヒロインが下半身が大蜘蛛で、このヒロインの出生に世界の謎や秘密が絡んでいくというものにしようと。
この世界観にK様の設定好きなところが刺激されたようで、K様の考えたキャラクター、赤髭がスピンアウトの第一号に。その後もモンスターに新キャラクターを創造してはノマの活動報告を盛り上げてくれました。
というか、ノマとK様とアドバイザーにして別荘の女将カセユキさんの三人で、活動報告コメント百カンストするって、どういうことだろう? なんだかサークル活動のような?
たぶん、こういう活動報告の使い方してる人はいないかと。
K様がモンスター一覧、主人公のアダ名一覧、キャラクター一覧などを纏めてくれたりしました。
また、K様のバルーンアートや新モンスターに触発されてノマがショートストーリーを書いたりと、内輪ウケの創作スパイラルが発展。
自分の書いたものが読者の創作意欲を刺激したことに、喜びと驚きを感じつつ。それに応えるには、と思い付くものを書いていました。
本編完結後も世界観が広がり深みを増していきました。
カセユキさんが描いたイラストから産まれた新キャラクターをメインに外伝が産まれ、K様のデザインした新たなキャラクターが活躍する外伝が誕生していくなど。
今ではノマの予想を越えて、スピンアウトには無くてはならないレギュラーに成長したキャラクターも。
ノマ一人ではスピンアウトが百話を越えて、外伝三本と増えなかったと思います。
裏設定は出さない方がいいか、本編のテンポが悪くなるし、となってしまうところを興味を持った人に引っ張り出されて膨らんだ形となりました。
こういう創作もあるのか、と創作スパイラルを驚きとともに楽しみつつ。
こんなときにコロナウィルス。
K様がバルーンアートの展示を予定していたイベントが次々と中止に。
そこでノマはK様をそそのかしてみました。
「せっかく作ってくれた蜘蛛意吐モンスター一覧。これをK様の作品として投稿してみては?」
自作の小説世界のモンスター紹介、世界観説明。設定資料となれば本来は作者が出すことが多いですが。
K様の作ったモンスターとそこから産まれたショートストーリーなんかも入れつつ、そしてK様のバルーンアートの発表の場となれば。
既にK様の作品というものになっていったモンスター一覧が、活動報告に埋もれるのも惜しく思えました。
こうして、
『【 バルーンアートで『なろう小説』のモンスターをファンアートした! 】 … 暴走読者が勝手にピックアップ!! モンスターコレクション』N3634GG
が、誕生しました、バン!
ノマとしてはメッチャ嬉しい。だってまるで有名作品の〇〇の秘密、みたいなのを自作に惚れ込んだ人が作ってくれるのだから。
しかし、この『蜘蛛の意吐』は有名作品では無く、そんなマイナーな作品の設定説明、解説というニッチなモンスターコレクションとなります。目を通してくれる人がいるのか? 需要あるのか? という不安が。
でも好きに書いて投稿できるのも小説投稿サイトのいいところ。
ファンタジー世界の世界観設定作りの参考になるのでは、と思うのだけど。あとは設定マニアの方には楽しめるハズ。
そしてインターネットの投稿サイトだからこそ、こうしてニーズは狭くとも刺さる作品がそれを好む読み手に届けば、こんな膨らみ方もあるよ、というひとつの実例として。
また、このモンスターコレクションには、読者が作品に介入するというナラティブ感が詰まっています。
小説家になろう、でファンアートのバルーンアートをもとネタとしてショートストーリーを書いたのは、たぶん今のところノマだけ、ではないかと。
赤ピラルクに、タラテクト幼体時代のヒロインなど、ノリで書いてました。
また、こういうモノが近頃エッセイジャンルで話題となる、読者から作品へのマーケティングのひとつともなるのではないかと。このモンスターコレクションそのものがひとつのレビューでもあり、尚且つひとつの作品ともなっています。
こういう読者からのアプローチが増えたらおもしろそう、とも考えてます。
そしてコロナウィルスで展示の場が無くなった、みてみん唯一のバルーンアーティスト、K John・Smith様の作品発表の場ともなれば。
これが作品を推すことを作品とするアプローチに繋がれば、新たな創作となるかもしれない。
70万作を越える作品群の中で、作品を紹介することを作品とする、スコッパー作品、または作品紹介作品というのは以前からあります。
『読み専が紹介する『なろうお気に入り作品』』
N5553DX
作者 ひょろ 様
『なまこが紹介する、『お気に入り短編集』』
N4447FQ
作者 Gyo¥0- 様
こういった作品を紹介する作品を作っておられる方のおかげで、見つけにくい名作を読むことができ、感銘を受けたものがいくつもあります。この場を借りてお礼申し上げます。
また、
『雨音AKIRAのイラスト集 ~なろう作品へのFAの軌跡~』
N9120GG
作者 雨音AKIRA 様
こちらはイラスト、ファンアートで作品を紹介しようという作品紹介作品です。このジャンルがコンテンツのひとつとして盛り上がると面白いのではないか、と思います。
以前にこのような作品紹介作品を新たなジャンル『ビブリオバトル』としてランキングに追加しては? というエッセイを書いたことがありますが。
まさか自作から変則的アプローチによる新、作品紹介作品ができるというのは、そのときには思ってもいなかったです。なんでも言ってみたり書いてみたりするものですね。
作品紹介作品をコンテンツ化する、というものでは、小説家になろう、では無く、カクヨム、の方になりますが。
カクヨムでは個人企画が盛んで、その中には個人でコンテストを行う方もいました。
『バーチャルSF短編小説コンテスト / 第1回リイエルコン』
主催者:なろう系VTuberリイエル
2020年2月
バーチャル世界と現実世界(2つの世界)がクロスするお話、というのをテーマにSF短編が募集され、優秀賞は、なろう系VTuberリイエル様により、YouTubeで紹介される、という自主企画コンテストというもの。
応募作品は全部で13作品でした。
面白そうと思い、テーマに沿う短編をひとつ、小説家になろう、から、カクヨム、に転載し応募してみました。すると拙作『異なる世界で貴方と逢瀬を』が最優秀賞と選ばれまして、YouTubeで紹介されました。有り難いことです。
なろう系VTuberリイエル様、ありがとうございます。
こういった作品紹介コンテンツが、新しい手法で企画開発されつつあります。これからも新たなアプローチの物が次々と現れることでしょう。
コンテンツ飽和時代と呼ばれる現代、量の中から質を見いだす行為そのものが、新たなコンテンツのひとつとなる時代のようです。
■余計な追記
という理由も含めつつ、自作にファンアートや二次創作を作ってもらえたらメッチャ嬉しいってのが書き手の本心。
ぶっちゃけると、自作のモンスターコレクション作ってもらっちゃった、わーい、です。
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