【第二章】第五十部分
「どうして時間進行を止めたのが3月1日だったのか。」
「それを超えると世界がなくなるからだよん。ロリ国では取り替えして、時間進行を止めていた。そしてオニイチャンは、すでに気づいてるようだけど、ロリ国は不老不死じゃないよん。」
「ああそうだな。次元の歪みがあって、そこから他の世界のロリと入れ替えているんだな。それは記憶を含めて異次元の完全同一体ということ。衣服の痛みまでは再現されてなかったので、気がついたんだけど。」
「その通りだよん。3月1日でループすると、『時間飽き』という新たな次元歪みが発生するので、体験記憶は残るようにしたよん。それを拒否するなら壁を破るしかなかったよん。次元の歪みはなぜ存在するのか。それは不合理な世界を維持するため。『不合理の、不合理による、不合理のための世界』。ご存知の通り、この世の大半は不合理でできている。もともとはすべてが合理的であったはずだが、時間進行と共に合理の歪み、すなわち不合理が発生してきた。それは自分たちの人生を考えれば容易に理解できるだよん。どれだけ多数の人間が不合理に苦しみ、それを少数の人間が嘲笑う。合理と不合理のバランス。それは人数の問題ではない。合理、不合理という観念の均衡のことだよん。そのバランス取れていた時代は良かったが、それは長続きせず、観念量に差異が発生した。それは世界中に拡散し、やがて次元に歪みが生じた。次元の歪みは同一次元の分裂を招き、幾つものパラレルワールドが出現した。そのひとつがロリ国だよん。」
「う~ん。さすがについて行くのが厳しい理論になっていたな。でも次元の歪みと3月1日の壁はどういう関係がある?」
「この世界の壁は次元の歪みの異常拡散の、いわば防波堤だよん。破壊すれば想像を絶する勢いで、次元の歪みが分裂し、世界の許容限度を超えてしまうよん。」
「キャパオーバーとなったら、世界はまさか?」
「そのまさか、つまり赤点だよん。」
「いきなり所帯じみたな。それがこの虚無ということなのか?ちょっと待てよ。虚無というのは何もないということで、この意識はいったい何だ?我思う故に我あり、ならば俺は今ここにいることになるぞ。」
「これは終末の記憶。ほら意識がジョジョに旅立っていくよん。これがホントのジョジョ立ちだよん。」
「こんなジョジョ立ち、いやだあ!俺を、世界を返してくれ~!」
「その言葉待ってたよん。ブラックアウト解除!」
『パッ。』
音もなく周囲が明るくなり、昆太の視界が復活した。




