【第二章】第三十八部分
「こんな体験初めてだ。すごく新鮮組だ!」
初めてでなかったとしたら、新撰組に逮捕されて、最低でも前科一犯である。
昆太は鼻攻撃を継続していた。
「いやん。恥ずかしいよん。やめて~、ほしくないよん。」
「ええのんか、ええのんか、芸者さん?いやよ、いやよも杉之内さん。」
『杉之内さん』という名字の人にボコボコにされること確実である。
「よし、下地はできたので、いよいよ、コアラに触れるけど、いいかな、まなかな。」
「今日はコアラパンツじゃないよん。やっぱりタッチはアウトだよん!パンツに触っても魔力は発動しないよん。」
「なんだと。こうなったら、魔力なんてどうでもいい。幼女パンツがすべてだ!」
短いスカートの中でパンツにむしゃぶりつこうとする昆太。加えて、『クンクン』と犬モードを使用している。
「いや~!わかった、わかったよん。次元移動魔法を使ってあげるから、パンツから離れてよん。」
「やっとその言葉に会えたな。ち~ん。」
鼻を思いっきりかんだ昆太。
「なにそれ。そんなことしたら、せっかく、オニイチャンの鼻腔に充満した、もえのかぐわしいパンツの香りが消えてしまうよん?」
「そんなモノ、初めからボクの対象外だ。萌えない幼女パンツなぞ、燃えないゴミだ。」
「ひっどい~。オニイチャン、もえを騙したのかよん?」
「そっちこそ、ウソを教えたんだからおあいこだよ。フィフティ、フィフティだ。」
「オニイチャン、意外に喰えないヤツだよん。その方が面白いけどだよん。魔湧水が必要なのは本当だよん。もえはオニイチャンがほしいんだよん。」
「ボクがほしい?今度はバトルでもしたいという意味か?」
昆太は両手を前に出してファイティングポーズの構えになった。萌絵は昆太の前に直立不動になり、背中を曲げて頭部を大きく下げた。
「オニイチャン、ずっと前から好きでした。萌絵とお付き合いしてくださいだよん。」
萌絵がいきなりコクってきた。
あまりの唐突さに、昆太が思わず返した回答。
「ゴ、ゴメンナサイ。」
「ガ~ン!」
ソッコーで拒否られた萌絵は喚きだした。
「オニイチャンにフラレたよん。もう生きていても仕方ないよん。殺せ。もえを殺すんだよん。」




