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不老不死ロリの国  作者: 木mori
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【第二章】第三十六部分

「これって、タイムトンネルだとか、どこか違う世界に繋がってたりして。もしかしたら、お兄ちゃんの世界に行けたりするかも。」


「そのリアクション、ダサいしぃ。でもテレビの中はファンタジーワールドだしぃ。この言い方自体ダサいしぃ。でもドンドン入ってほしいしぃ。」


「わ~い。この中にディズニー●ンドがあるのかも。入っちゃお。」


「やめろ、箱子!キケンだぞ。それにテレビの中に入るなんてムリだろう。ブラウン管は遮蔽されてるぞ。」


昆太の制止をものともせず、箱子は両方の腕を振って、ワクワク顔でテレビの暗い画面の中で四つん這いになった。

そのまますんなり潜り込んだ。この現象は物理的にはあり得ないが、某映画で実証実験済みである。


「これは狭いよ。中は真っ暗だよ。お兄ちゃん、電気点けてよ。」


テレビの中に声は反響するが、外にはくぐもった音で、昆太たちには何を言ってるのかわからなかった。


「よ~し。チョーダサい子が見事に引っかかってくれたしぃ。スイッチオンだしぃ。」


「うぎゃあ~!腰のナタが光って痛いよ!」


箱子の悲鳴がテレビ内にこだました。


箱子は感電し、テレビから黒い煙が漂ってきた。テレビは電子レンジだった。ナタで感電し箱子は死んでしまった。

気絶した木憂華の鼻をつまんで無理矢理に起こし、死んだ箱子を置き去りにして、ダサコ一行は、お化け屋敷の奥に進んでいく。木憂華は再び昆太の背中にしがみついている。ちなみにダサコに足はなく宙に浮いているので、『悪魔の証明』ならぬ、『幽霊』の証明はなされている。


提灯お化けとか、ろくろく首とか、ホンモノなのか、蝋人形なのか、はたまたフィギュアなのか、わからないものが驚かしてくる中、それをテキトーにあしらいつつ、屋敷内を歩いてから、とある木の柱でできたオブジェの前でダサコは立ち止まった。


「ダサいアナログ器械なんだけど、ここに頭を置いたらいいしぃ。今ならAI注入機無料お試し期間中だしぃ。」


「タダより安いモノはないでちゅわ。」


またも無料という殺し文句に魅せられたら頭を乗せた吝奈。『ガシャーン』という耳に痛い音がした直後に、ゴロリと何かが転がった。


「あれ?どうしてかちら。世界がぐるぐる回ってまちゅわ。」


「こ、こわいぢゃん、コワすぎるぢゃん!ギロチンによる無実無罪な吝奈の処刑はあんまりぢゃん。ダサコの呪い、幽霊の風上にも置けないぢゃん!しゃー。恥ずかしい。ぷちゅ。ばたん。」


幽霊の風上という意味不明なフレーズはおいといて、セリフ内の後半擬態語は、あまりのこわさに自分で泣いて、失禁して、恥辱に耐えきれず、毒を注射して死んだ木憂華を表現したものである。


「また死んじゃったしぃ。死に方、ダサいしぃ。これで仕事終わったので、井戸に帰るしぃ。」


ダサコはひとり残された昆太の前から姿を消した。


昆太は木憂華の死体を見て、クンクンとニオイを嗅いでいる。悪趣味にもほどがある。



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