【第二章】第三十部分
「さっきのは、ちょっと痛かったでちゅわ。脳への直接攻撃は今後禁止でちゅわ。」
「脳だけならいいぢゃん。Qは全身跡形もなかったんだから。修復がどれだけ大変だったかわかるかぢゃん。」
「ふたりも再生できてよかったなあ。市長の吠え面かく姿がみたいなあ。」
「オニイチャン。ツレナイ言葉禁止だよん。もえはどこまでも、オニイチャンを萌え盛らせるためにいるんだよん。」
「市長、存在が消えたかと思ったけどいたんだな。」
「三人とも、よく箱子の顔をみてよん。」
「「「あれ?それなんのアート?」」」
額に『残り5』という数字が刻まれていた。
「オニイチャン、殺し方、わかったよん?」
「わかるか!」
鏡を見ている箱子と吝奈、木憂華は、そこはかとない不安が頭をよぎった。
「ちょっと露骨過ぎたかもだよん。」
「市長、もしかしたら、箱子の額の数字の意味を知ってるんじゃ?」
昆太は眉間に容赦なくシワを寄せて萌絵を詰める。
「オニイチャン、あんまり難しい顔をすると、早く年取るよん。もえから離れていっちゃイヤだよん。」
「茶化すな。まあいい。どんなことかは想像つくし。でもこの想像をただの妄想に変えてやるさ。」
「そう、オニイチャンはそれでいいだよん。じゃあ、次の殺し愛をするよん。」
「殺しに愛とは、泣けてくるよ。」
「今度はプールだよん。オニイチャンへのサービス回だよん。ポロリもあるよん。」
分校内にあるプールに移動し、すでに三人幼女は水着に着替えている。
「うほーっ!」
さっきまでの深刻さをぶっ飛ばして、歓喜に震える昆太。三人幼女はTシャツで水着を隠しているのだが、昆太はテンションアゲアゲである。ちなみに昆太はブーメランブルマのままである。プールでなら、水着と見ても問題ないのかもしれない。
「お約束通りなら、Tシャツの下は、ひらがな手書きネームゼッケン付きの、幼女スク水なハズ。夢にまで見た光景が今ここに。やっぱり俺はロリ王になる!」
「お兄ちゃん、あんまりはしゃがないでよ。」
「すごく恥ずかしいんだから。見るだけなんだから、減るもんじゃなし。こんなお安いサービスはないぞ。」
「安さは尊重しますが、ワタクチたちへの見返りなさげでちゅわ。ただの水着晒しはもったいないでちゅわ。で、でもお兄様がどうしても見たいっておっしゃるなら、有料で水着姿をみてもらいまちゅわ。さ、三割引きが限界でちゅけど。」
無形非文化財に定価があるのか疑問ではある。




