【第二章】第十八部分
『もう、キレたぞ。こうしてくれる!』
笑い転げていた三人幼女の動きが急に停止した。
「「「うっ、うっ、うっ。そこだけはゼッタイだめ!あ・は・ん。」」」
三人幼女はそれまでとは全く違い、顔が著しく赤くなった。なぜか、声が途切れて腰だけが奇妙に左右に動いている。
「こ、これは、もしや。」
バトルには不参加の傍観者であった昆太が、固唾を飲んで見守っている。開いた口に液体が溜まってきた。
『こ、これはオレが幼女としてマズいことをしたのかも。攻撃中止!』
わら人形・害もさすがにヤバ過ぎる空気を読んだ。
「ふうう。キモチイイじゃなく、恐ろしい攻撃がやっと終わったぢゃん。今までイジメてくれたことの借金返済ぢゃん。」
『強がってもそんな態勢じゃ、元金返済どころか、利息も払えないぜ。』
「でも何もしないじゃ、その利息も増えていくだけぢゃん。だからやれることはやってみるぢゃん。せめて、一太刀でも入れるぢゃん。パコ、昆太に脂汗をかかせるぢゃん。」
木憂華は、わら人形・害の足元を見つめている。
「そんな。お兄ちゃんの前でセクシーポーズをやれっていうなら無理だよ。」
「汗かかせるにはそんなもの要らないぢゃん。危機的状況に追い込めばいいぢゃん。」
「わかったよ。こうすればいいんだね。」
昆太の足元に移動して、下から見上げる箱子。
「ロリの上目使い。これは萌える!」
昆太から体液が流れてきた。即座に効果があったかに見えた。
「温泉じゃあるまいし、涎かけ流しを狙ってなんかないぢゃん。」
「それはわかってるよ。お兄ちゃんに脂汗って言ったら、こうだよね。」
箱子は昆太のブーメランブルマを引っ張った。
「ちょっと待ってよ。これがなくなったら、どれだけカオスになるかわかってるのか?」
「だからやってるんじゃない。今のあたしには、矢でも鉄砲でもコゾウさんでもなんにもこわくないんだから。」
「コゾウだけはダメだ!」
相撲の差し手争いのように、必死に取り合う昆太と箱子。次第に昆太から脂汗が流れてきた。




