【第二章】第十六部分
「泣き虫ガイちゃん。そんなことをしてはダメでちゅわ。今まで通り、ワタクチたちが遊んで(いじめて)あげまちゅから、おとなしくなさいでちゅわ。」
「そうぢゃん。暴れてもどうせQたちの軍門に下る現在過去未来しかないんだから、そこに直れぢゃん。」
『みんな。今のオレにもっとも言ってはならないことを言ってくれたな。もうオレの呪いは解放されたんだ。人を呪わばアナウンサー不倫だ。』
「そこは穴ふたつじゃないの?それを『不倫』?なんだか、オトナエロっぽい。」
箱子は顔を真っ赤にして、照れまくっている。
『オレには理解できない言語を使うんじゃねえ。しゃらくせえ!』
「仕方ないね。お兄ちゃん。出番だよ。吝奈ちゃん、キューリー夫人博士も!」
「お兄ちゃん、抱きつ。」「お兄様、クサイですわ。」「あんちゃん、プスリ、ちゅー。」
三人幼女は光を伴って変身した。
すぐに三人幼女は構えた。箱子は大ナタ、吝奈は牙の剣、木憂華は注射器を手にして鋭い目つきで下から害を睨み付けている。
『そう、その目だよ。相手を見下さない、強敵としての視線が網膜に痛いよ。やっぱり上から目線はいいなあ。オレが長年待っていたものだぜ。見回りだけの看守の仕事なんざ、糞くらえだ。』
「ガイちゃん、体がデカくなって、口の威勢はいいけど、空回りしないでよねっ。」
箱子は、言葉が終わるや否や、わら人形・害の足を打った。
「痛あ!わらなのにすごく硬いよ。」
「大ナタがダメなら、鋭い剣を味わってはいかがでちゅの?」
吝奈は牙の剣で、わら人形・害の腕を斬った。しかし、びくともしなかった。
「どんな構造なんだろう、分析してよ、キューリー夫人博士。」
「これはタダのわらじゃないぢゃん。おそらく魔力で強化されてるぢゃん。でもそれなら、液体にはどうかなぢゃん。」
木憂華は注射器のシリンダーを押して、中身をわら人形・害にぶっかけした。
『うわっ、クサい!何をかけやがった?』
わら人形・害は犬のように、体をブルブルと揺らしてについた水分を払っている。
「これはタダの水ではないぢゃん。あんちゃんの腐った血液を希釈した、泥水のような液体ぢゃん。注射器に入れると、注射器がクサくなるから入れるのはイヤだけど、緊急自体だから仕方ないぢゃん。どうだ、効いてきたぢゃん?」
「この注射器攻撃が効果があったとしても、俺の気持ちは複雑だ。てか、うれしくないぞ。」




