【第二章】第五部分
「もう、油断もスキもあったものじゃありまちぇんわ。」
やはり顔が赤い吝奈が三人幼女を代表して昆太にクレームをつけた。
「パンツ見られた、パンツ見られた、もうお嫁に行けないぢゃん。」
木憂華は離れたいちばん後ろで、冷たい階段を指でつついている。
「箱子のパンツはなぜか見えなかったぞ。これは朝田先生の魔力の影響なんだな。改めて実感したぞ。いずれにせよ、いろいろ不安なら、俺の前を歩けばいい。それなら安心だろ。」
昆太は開き直って三人幼女の階段降下順位変更要求に応じた。
「これで安心だね、吝奈ちゃん。」
「そうでちゅわね。ロリ王の恐ろしさを痛感しまちたわ。気をつけないとでちゅわ。」
少し進むと、いちばん後ろから怪しい声が漏れてきた。
「絶景かな、絶景かな。デヘヘヘ。」
「下の方から、いったい何でちゅの?少々、いやかなり猥雑なオーラが流れてまちゅわ。」
砂の階段は、途中から登り階段となっていたことが悲劇の原因である。
「「「キャー!!!」」」
哀れな二種のパンツは昆太の内蔵眼カメラに収蔵された。箱子はパンツが魔力で守られていることを知らないので、『悲鳴上げグループ』に所属している。
「「「「どっこいしょっと。」」」」
最後の段を登りきった四人は驚愕した。
「「「「スゴい。暗い中で、眩しいけど、すごくキレイ!」」」」
きらびやかなネオンの明かりに包まれている。ネオンは青春真っ只中な青少年にはちょっとエロい。時間帯としては昼間のはずだが、ネオンがなければ真っ暗なのかもしれない。
「ここはラスベガスなのか?行ったことないけど。」
大小のビルや小売店、ショッピングモールまでが目に入る。しかし、人影はほとんどない。
「これは全部砂でできてるぢゃん。」
「どうしてそんなことがわかるんだよ?木憂華。」
「木憂華・・・。その響きにうっとりぢゃん。」
しばし呆けた後、木憂華は分析結果を口にした。
「まず、この都市は、砂のドームで覆われているドーム都市ぢゃん。」
「都市全体をドームで覆っているということ?」
昆太は目を大きく見開いて木憂華を見つめている。
「そ、そんなに情熱的ビームを浴びせられると、しゃ、喋りづらいぢゃん。ぽっ。」
またも照れてきた木憂華。赤さレベルがさらに上がった。




