【第二章】第二部分
「これじゃ、ほとんど公然ワイセツではありまちぇんか。」
「ほとんどなんて艶めかしい、ぢゃない、生易しいモノじゃないぢゃん。直撃公然ワイセツぢゃん!」
ふたりは口泡飛ばして猛抗議している。しかし、残念ながら箱子の両隣にポジショニングしている。両目をカッと見開いて、ガン見する心の準備万端である。
「ちょっと、待ってくれ。こんなにみんなが見ている中で、ゾウさんを近日大公開することなんてできないよ。」
「遠慮は無用のスケベでちゅわ!」
「脳内ビデオのRECスイッチが赤く灯ってるぢゃん。早くゾウさんを起こすぢゃん!」
「キューリー夫人博士さん。こういう場合って、ゾウさんはすでに起きてらっしゃるんじゃなくて?」
「そうかな。幼女なので、よ、よくわからないぢゃん。」
「そこのふたり、いったい何を言ってるんだ!これはこの閉塞状況を改善するためにやむを得ず実施される神聖な行為なんだぞ。邪念は禁止だ。」
「邪念?それ何?あたしがしたいのはこういうことなんだけど。」
箱子は昆太をハグした。顔がお腹辺りに付いている。
『ズキューン!』
箱子の腰に付いていたナタは大ナタに変わった。箱子はそれを掴むと、砂の城を叩いた。
砂の城はひとたまりもなく壊れた・・・。物理法則に従うことなく、城は堅固なブロック造りのように、大ナタの勢いを止めていた。
「これはいったいどうしたことでちゅの。キューリー夫人博士さん、事態の分析はできるかちら?」
「こんな奇妙な現象、Qの知識では解析できないぢゃん。あるとしたら、パコがあんちゃんから魔力を得たとしか思えないぢゃん。」
『ギイイイイ』
さらに不思議なことに、砂の城の入口が開いた。




