表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不老不死ロリの国  作者: 木mori
31/89

【第一章】第三十部分

『武器があるんだから、不思議じゃなく、不公平なだけぢゃん!』


この頃のキューリー夫人博士はあたしたちにもビビっていて、遊ぶ時もいつも木の陰に隠れてね。木が大きいというよりはキューリー夫人博士の体が小さいから完全に隠れてしまっていたから、かくれんぼすると全然見つからないということがよくあったんだよ。暗くなるまで隠れているキューリー夫人博士が泣いていたっけ。


『いったい、いつになったら見つけてくれるぢゃん!うわ~ん。』


 よく考えたら、キューリー夫人博士はかくれんぼにかこつけて、あたしたちから無視されたと思っていたみたいだね。いやそれだけではなく、あたしたちの中ではキューリー夫人博士は存在感が薄かったから、子供ながらそれを気付いて気にしていたみたいなんだよね。


 この世界にはいろんな植物があって、透明な木があるんだよ。それは『注射木』と呼ばれているんだよ。注射器を立てたような形で、針のように葉が生えて、その先に花が咲くんだよ。


 いつもの通り、三人でかくれんぼをやっていた時、キューリー夫人博士は注射木の林に隠れたんだよね。すると体が透けているからすぐに見つかったんだよね。


『今日は見つかったぢゃん。すごく残念ぢゃん。』


 口ではそう言いながら、キューリー夫人博士はすごく満足そうにしてたよ。


かくれんぼなのに自分をみてほしいという自己主張だったんだね。


それからキューリー夫人博士は、注射器を武器にするようになったんだよ。 


吝奈ちゃんは狼族だから、もともと大きな牙があるんだけど、本人はかわいくないって言って大嫌いだったんだよね。狼族の貴族でお嬢様だから、清楚さと相反する牙がイヤだったのかなあ。 


吝奈ちゃんは、部屋で鏡に映る自分の顔を見ていたとき、何を思ったのか、いきなり牙を抜いちゃったんだよね。


『あ~。これで呪縛から解放されたでちゅわ。今日からエレガントなワタクチに生まれ変わりまちたわ。』

 吝奈ちゃんはすごく喜んでいたらしいよ。


 そして、吝奈ちゃんはいつもの黄金のドレスで外出して、あたしたちと遊ぶためにいつもの野原にやってきた。

 こういう時、女の子は友達に気づいてもらおうとして、ワザと声を掛けなかったりするよね。ご多分に漏れず吝奈ちゃんもそれをやったんだよね。ツンデレなんだから、尚更だよね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ