【第一章】第十部分
「も、も、も、萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
「いきなり、どうしたですかです?背中が熱いです!」
昆太は、タイホされたという立場イメージを脳内で繰り返して、萌え興奮神経を辛くも抑制した。
まだ動かない三人幼女は、別のミニスカロリスの運転するパトカーに乗せられた。
「パトカーがあるなら、それに乗ればいいんじゃないのか。」
「刑務所はすぐ近くにあるです。このまま運んでもらうのが気持ちいいです。ぽっ。」
ミニスカロリスの頬がピンク色に染まった。
どちらが逮捕されたのかよくわからないままで、一行は刑務所に向かった。
「到着しましたです。」
5階建の漆黒の建物が見える。上から見ると、V字型、つまり二股に分かれている。
「ずいぶんと殺風景な建築物だな。遊べるところとか、ありそうにないし。」
「のんきなことを言えるのもここまでです。この先に待っているのは地獄です。ブルブル。」
「まさか、地獄少女でもいるじゃあるまいし。」
「キサマか。この都市で、こともあろうに、市長を拉致しようとした未遂犯は!」
昆太の前に現れた真黒なボンデージ衣装の幼女。ツバ付きの黒い帽子の周囲はギザギザである。黒い目は鋭く切りあがり、鼻筋、口元もきりりと引き締まっている。
「オレはエンマ害。この刑務所のドS看守だ。いっぺんに死んでみる?そんなブーメランブルマを穿いたドヘンタイは地獄への直行便だ。ビシッ、バシッ。」
害は鞭で地面を何度も打った。
「先に三人を牢屋に入れてますです。任務完了です。こ、こわいので、このまま帰りますです。ブルブル。」
ミニスカロリスはそそくさとパトカーで消え去った。