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0話-七倉
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自分とは何か、考えたことがある。いや、何なのかは分かっている。自分は何の為に生まれてきたのか。誰に必要とされてきたのか。わからなくて悩んでいた。
自分の中に自分がいなかった。ただ周りの人間に流されていく自分が情けなかった。仲の良かった友人はいつしか離れて行った。後になって彼ははじめから友人ではなかったことに気づいた。
人に必要とされていなかった。父親は幼い自分と母親を捨てた。母親はこちらに見向きもしなかった。流石に保護者としての役割は果たしてくれていたが、それもストレスになるのか見ていないところで随分と愚痴を言っていた。
いつの事だっただろうか、自分の心が壊れていくのに気づいた。この辛い世界を終わらせたかった。それは自分の願いとなった。
8月31日 それは叶った。
只々、自分が嫌いだった。