会いたかった
胸が苦しい。
こんな気持ち知らない。
パパは私が2歳の頃、急性白血病で亡くなったってママに聞いた。
私は覚えていなくて、大切なものを失う痛みなんて知らない。
それにさっきのはただの夢。
ユキくんにそんなことがあったのかなんて、、
わからない。
でも、ユキくんに会いたい。
明日は絶対に学校に行こう。
「ただいまー!」
バタバタバタ、、
「みゃあ!大丈夫!?熱で早退したって電話があったのよ。迎えに行かなくてごめんねぇ、、」
「ママ!寝たら楽になったし、大丈夫だから!、、まだ18時、、早く帰って来てくれたんだね。ありがとう。」
「そんなの当然よー!みゃあご飯食べれそう? 煮込みうどんにしようと思うんだけど、、」
「うん!ママの煮込みうどん大好き。」
「じゃあすぐに支度するから待っててねー!」
元気いっぱいな私のママ。
猫澤日菜子。
いつも何にでも前向きに全力投球で、沢山の愛情をくれる自慢のママ。
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「できたよー!降りてこられそう?」
「うん!今行きます。」
一緒に食べるほかほかなおうどんは美味しい。
ママに話してみようなぁ。
「ねぇ、ママ。」
「なぁに?」
「ママは今まで初めて会ったのに、会ったことある気がする、みたいな経験ある?」
「んー、、ママはないわねぇ、、。
確かそう言うのをソウルメイトって言うのよ。」
「ソウルメイト、、?」
「初めて会ったのに、そんな感じがしなかったり、偶然何度も会ったり、、前世も一緒にいた人なんかに感じるって言われてるのよ。」
「そうなんだ、、」
「みゃあはそんな体験したの?」
「、、うん。
でも、少し違うかも、、。私ね、今日来た教育実習の先生をみた途端、彼の名前が頭の中に浮かんで来たの。挨拶前だよ? それに先生の事見てたら涙が溢れて止まらなくて、、」
「そう、、。 みゃあはきっとその人にずっと会いたかったのね。」
ママにそう言われるとまた涙が溢れてきた。
ずっとずっと会いたかった気がするの。
でも、まだ靄がかかってて、本当の想いをまだ知らなかった。