プロローグ-ヒーローの目覚め-
ピピピッ!ピピピッ!
「おはようっっ! お目覚めの時間だ!ヒーロー! 今日も悪の組織ビビット団を倒すために平和を守ろう!」
ピピピッ!ピピピッ!
「おはようっっ!お目覚めの時間だ!ヒーロー!今日mo..」カチッ。
午前6時半起床。幼稚園の頃に親に必死に頼んでやっと買ってもらえたこの目覚まし時計を俺は高校2年生になった今でも使い続けている。俺は物心ついてから、ヒーローが好きだった。ヒーローもののアニメはよく見てたし、真似もしていたが、それがヒーローを好きになった直接の原因とは言えないだろう。
俺が思うに、ヒーローが大好きになったわけとは、そうだな。俺の名前を知ってもらえれば、勘のいい人は分かるかもしれない。
どこかで耳にした話なんだが、人は他人から与えられたあだ名とか、イメージとかに無意識になろうとする傾向があるらしい。 満天と名付けられた人がいるらしいが、漢字は違うもののテストで満点をとろうと無意識にしていたそうだ。
俺はテレビに出ているヒーローそのものになりたいとは思わなかった。ただ、ヒーローっていうとにかくかっこいい存在になりたかったらしい。 少し話しすぎたかな。そう、俺の名前は、
稀崎 英雄 だ。