悪魔のような天使・天敵に会う
どうも皆さんこんにちは藤武です。
さあ、とうとう天使の天敵、悪魔が登場します!!
感想お待ちしてます。
悪魔のような天使・天敵に会う紀と隆平は相変わらず仲良しだった。
昼休みは共に弁当を食べ、放課後は同じテニス部へ。
同級生の誰が見ても羨ましい理想のカップルだった。
何もかもに充実した隆平の期限はとてもよく、ミカエラに優しいという有り得ない頂上現象までも引き起こした。
ミカエラは気色悪がる。
デートの日、帰宅した隆平はミカエラに近寄り殴った。
以前にも似たような経験をしているミカエラ。
あのときの恐怖が鮮明に甦る。
正体不明の液体が身体中から吹き出し、寒くも無いのに体が小刻みに震えだす。
詐欺にあったときには明確には現れていなかったそれも、今は黙視できるほどに具現化している。
詐欺にあったときよりもデートの邪魔されたときの方が殺気立つなんておかしい。
そんなことを考えさせてくれる時間は与えられず、その場にひれ伏したのである。
そのとき、ミカエラに芽生えつつあった天使としての自覚は完全に消失した。
俺には隆平を助けることができない。
柄でもないことは止めてしまおう。
そう悟ったミカエラは大人しくなった。
当然、隆平に何かすることはない。
物理的に殺されてしまうから。
とある日、上機嫌の隆平から一緒に買い物にいかないかと誘われたミカエラ。
期限を損ねて殺されるのは嫌だから、別に買い物に行く気分ではなかったが、行くことにした。
家を出て、数メートル進み交差点に差し掛かったとき、ミカエラは何か穏やかではない気配を感じ取る。
隆平に注意を促すが、隆平は耳を貸そうとしなかった。
「SFの世界じゃないんだから…。」
そんなことをいって軽くあしらう隆平。
しかし、ミカエラは冗談など言っていない。
気配を感じ取った物体までの距離は数十メートル。
おそらく向こうはこちらに気がつき、近づいてきているのだろう。
一旦引き返すように促すミカエラだったが隆平は鬱陶しそうにあしらった。
そこまで言っても聞かない隆平を説得するのは諦める。
いつ攻撃されても良いように、気を引き締める。
相手側が走り出したことに気がついたミカエラは勝手に敵と決めつけ攻撃態勢に入る。
『天主創造・天剣』
どこからともなく現れた剣は白く輝き、誰もが見とれるほど美しかった。
隆平以外には見えないけど。
敵が姿を現すであろう街角に向かって走り出す。
姿を現したのは少女と女の二人組で、突然斬りかかったことに驚き、少女は女性を守ろうと押し退けた。
『大魔元帥創造・禪魔爪』
何やら危なそうな爪を発現させる。
再度切りかかろうとしたミカエラを隆平は止める。
「やめろ!」
その指示にミカエラは従わない。
それどころか後ろの女性にまで襲いかかる。
「悪魔が!」
どう見ても悪魔はミカエラだ。
「お前…消されたいの…?」
小声で呟いた隆平の言葉はミカエラを恐怖のどん底に突き落とした。
剣を消滅させ正座する。
「ごめんなさい。」
謝罪するミカエラ。
謝罪回数が多いからこれ以上は容易に謝罪しまいと最近思っていた彼だったが、そんなことをいってはいられなかった。
その様子を見ていた女性は口を開いた。
隣の少女を指差して。
「あの、許してあげてください。仕方ないんてす。この子、悪魔だから。」
ご愛読ありがとうございました。
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