悪魔のような天使・秘密を知る
どうも皆さんこんにちは藤武です。
コメントいただければ幸いです。
ミカエラが家に住み着いてから、早くも一ヶ月がたとうとしていた。
夏休みが終わって学校も始まり、家にいる時間、ミカエラといる時間が短くなった。
最初は喜んだ、しかし、同時にとてつもない不安に駆られるようになった。
家にいる間になにかをやらかしているんではないか、
そんな不安が絶えず隆平を襲う。
おかげで全く授業に集中できない。
それはそうでしょうよ、過去になん百万も騙しとられているバカですから。
でも、友達になんか言えるわけがない。
なんだこいつ、大丈夫か?と思われてしまう。
まあ、普通は信じられないだろう。
クラスメイトに俺んちに天使が住み着いているんだ。
と言われたら誰だってこいつ、大丈夫か?と思うだろう。
中には真剣に医者を勧めてくるやつもいるかもいれない。
誰にも打ち明けられない、モヤモヤしたものを抱えたまま家路につく。
この先どうなるのだろうか、このままずっと居座り続けられるのだろうか、そんな疑問を抱えながら、ベッドに転がる。
とは言っても、現在、隆平の部屋にミカエラはいない。
二日前、部活を終え、帰宅した隆平は部屋にミカエラがいないことに気がついた。
すぐに帰ってくるだろうと確信し、特に探しにはいかなかったが、ミカエラが消えてから二日もたっている。
それでも隆平は帰ってくることを確信していた。
夕食後部屋に戻るとやはりミカエラはベッドの上に転がっていた。
「どこに行ってた。」
ミカエラは開いた漫画から目を離さずに気の抜けた返事をする。
「帰郷。」
「そうか。」
深くは追求せず、高校の課題に取り組むべく、隆平は机に向かった。
課題は思った以上に難解で時間がかかった。
翌日、いつも通りに投稿した隆平は授業をいつものように怠そうにうける。
入学当初は教師も、授業態度が悪いと注意したが、いっこうに良くならない隆平に呆れて、今ではなにも言わなくなった。
完全にやる気をなくした隆平は机に突っ伏し昼寝にはいる。
どれくらいの時間が経過しただろうか、隆平は肩を叩かれ目を覚ました。
隆平の肩を叩いたのは、天野 真紀、隆平の彼女だ。
真紀は隆平の前の空いている椅子に座ると、呆れたような笑顔で言った。
「もう少し真面目にやったら?」
真紀の発した『真面目』と言う言葉が隆平はどうにも好きになれなかった。
「嫌だ、眠い、怠い。」
その言葉を聞いた真紀は残念そうに微笑んだ。
「じゃあ、残念だけど来週のデートはなしで…。」
「真面目になります。」
その脅しは隆平を一変させた。
午後の授業は一睡もすることなく、常に教壇に立つ教師と黒板、ノートを交互に見ていた。
隆平の教師を見つめる目はとても熱くやる気に満ち溢れていて、見つめられた教師がたじろぐ程だった。
授業の間の休み時間、隆平は誰かに見られているような気がして、ふと窓のそとに目をやった。
そこにはにやつくミカエラがいた。
姿を見えないことをいいことに空いていた窓から侵入してくるミカエラ。
「…いつからいたんだ…。」
誰にも気づかれぬように、小声で話す。
その質問にミカエラは、隆平の予想通りに答えた。
「真紀ちゃんが隆平の前に来たときから。」
隆平以外に聞こえていないことを良いことに、更に大声で捲し立てる。
「彼女がいるなんて知らなかったなあ!!」
知られてはならないことを知られてしまった、隆平は心のなかで舌打ちをした。
ご愛読ありがとうございました。
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