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悪魔のような天使に注意!!  作者: 藤武 慧
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最悪な天使との出会い

どうも皆様こんにちは藤武です。

前作の反省も踏まえ、一生懸命書かせていただきます。

お付き合いください。

八月十五日。

体を激しく揺さぶられ飛び起きた隆平りゅうへいは慌ただしく辺りを見回す。

地震かと思ったが、揺れていたのは地面ではなく隆平だったようだ。

なんだ、よかったよかったと、安心した様子で再び布団に潜る。

そして、すぐに慌てて起き上がった。

地震が起きたわけでもないのに激しく揺れたことに疑問を感じ再度辺りを見回す。

その時、一人の男が姿を現した。

その男は純白の翼を携え、優しい笑顔を浮かべていた。

一目見ただけで天使なのだと理解した。

同時に夢であることも。

しかし、天使から発せられた言葉に隆平の意識は一瞬にして覚醒した。


「いつまで寝てんだ、クズが。」


隆平の脳裏に疑問が浮かぶ。

清々しいまでの、澄みきった、邪気の無い笑顔。

天使だけあってとても整った顔立ちで、男でも惚れてしまいそうだ。

そんな絶世のイケメン天使から、

ましてやにこやかに微笑む美しい天使から、

あんな罵詈雑言が飛び出すわけがないだろう。

聞き間違いだ、とてつもない聞き間違いだ。

もし本当にあんな罵詈雑言がこの天使から飛び出したのだとしたら、

俺はなにも信じられなくなる。

人間不信になる。

そうだもう一度心を落ち着かせて聞こう。

ゆっくり目をつぶって耳を澄ます。


「てめえ、狸寝入りか…殺すよ?」


聞き間違いじゃなかった。

あ、これは人間不信確定コースだわ。

引きこもり一歩手前だわ…。

目を見開き起き上がる。

口の悪い天使になにか文句を言おうとしたとき、

天使は先に口を開いた。


「やっと起きたかこの社会のごみめ。」


もうなにか言い返す気力もございません。

日曜日、部活もなく、ゆっくり昼過ぎまで寝ていようと決め込んでいたのにも関わらず、

叩き起こされ、いや、揺さぶり起こされ…?

それに加えて罵詈雑言を浴びた隆平の心的疲労は早くも限界に達していた。

言いたいことは山ほどある。

山ほどあるが、一つ、どうしても気になることが、

聞かなくてはいけないことがあった。

やっとの思いで口を開く。


「てか、君は誰だよ!?」


天使はその質問に待ってましたと言わんばかりに、胸を張って、にっこりと笑って言った。


「俺様はミカエラ!天界で色々やらかして堕天一歩手前になっちまったんだ!」


「それで…?」


茫然とした頭で話を聞く。


「ちゃんとした天使に戻るためには、何かしらのいいことをしなくちゃなんねえ。

だからな、お前を手伝いに来てやったんだ!!」


意識が覚醒したての隆平の脳はミカエラの話に追い付かない。

そもそも、翼の生えた天使に起こられること自体が常人の隆平には理解できないことなのだ。

様々な情報、感情が脳内で渦巻くなか、

何よりも優先して出てきたのはこの言葉だった。


「堕天確定。」


そう一言告げると隆平はまた布団へと潜っていった。

その様子を見たミカエラはキレる。

先程とは比べ物にならない力の強さで隆平を無言で揺さぶる。


「…ッ痛い!何すんだよ!」


声を荒げる隆平。

その声に反応したのは一階で朝食の準備をする、隆平の母だった。


「なに騒いでんの!」


階段を上ってくる隆平母。

部屋を勢いよく開ける。

しめた!と天使を指差し母に訴える。


「母さん、こいつ追い出して。」


「あんた…なにいってんの…?」


隆平母の目にはベッドの上で独りでに体を揺らし、

壁に向かって指を指す息子の姿だった。

あきれた様子で部屋を出ていく。

隆平は天使を見つめ純粋に問い掛ける。


「お前…俺以外に見えないの…?」


天使はにっこり微笑みながら答えた。


「そのとおり!」


頭を抱えうずくまる。

数分後、突然頭をあげると、なにかひらめいたようにた立ち上がった。

天使の前に立った隆平は、突然、天使の首根っこをつかみあげると、部屋から投げ出し、鍵を閉めた。

そして、これは夢だと呟きながら、

また布団の中に姿を消したのだった。

ご愛読ありがとうございました。

感想待ってます。

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