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第9話 肉、美味すぎる!!!

注意︰この物語はフィクション(創作)です。実在の地名を使用している(日本など)等々ありますが、実在の地名、人物などとは無関係です。あくまで作者たかゆきの創作でございますのでご了承ください。なお実在の人物や場所を誹謗中傷する目的もありません。読者の方々も誹謗中傷などはご遠慮ください。

「天使ねぇ、、」


文助はそう言いうーんと腕を組んでいた。



すると桜が口を挟む。


「天使の力はね魔物とか、獣との混血とか、そういうものに強いの。ま、私達の敵ね。ピュアエンジェルは特に力が強い傾向にあるのよ。日本人の体質に合ってるからなのかもね。」


桜がそう言うと鈴月を睨みつけた。桜から見れば鈴月はまさに天敵である。


「あんたらみたいな穢れた存在にはちょうどいいわ。」


鈴月も負けじと返す。だが、それを文助が咎めた。


「まぁまぁ。話を聞いてみれば完全に悪いやつじゃなさそうだし、殺す必要が無いならいいじゃないか。」


「さっすがダーリン♡優しい♡」


桜が文助の腕に抱きついた。


「お、おい、やめてくれ頼むから、、」


文助は困惑した様子で桜を引き離そうとした。やはり文助の中で桜はやばい女なのだ。


「ただひとつだけ頼みたいんだが、また俺と戦ってくれないか?」


文助は何とか桜を引き剥がしながら言った。


「え?」


桜は思わぬ発言に驚く。


「さっきの戦闘は凄まじかった。さっきは殺すつもりだったが、今度は単純に手合わせをしたいんだ。殺しはしないからまたぜひ戦いたい。」


文助はどうやら本気で言っているようだ。


「い、いいけど」


桜もだいぶ驚いたようだが承諾した。





すると、鈴月が真剣な表情になった。


「確かに文助の言う通りむやみに殺すのはよくないことだとも思うけど、、やっぱり鬼なんて、、」


鈴月はそう言って悩んでいた。どうやら鈴月なりに葛藤があるようだ。この日本では鬼というのは基本的に駆除するべき敵とされているのだろう。



「まぁ、これから理解を示していけばいい。それに桜が鬼とバレなければ問題なかろう。実際、最初に会った時絡んでた男どもは死んでなかったしな。」


文助はそう言うと、テーブルに置いてあったお品書きらしき紙を手に取る。


「今は飯でも食おうじゃないか。桜、お前、現代和語というのは話せるか?」


「もちろん話せるよ!」


桜は文助の言葉に対し、元気に返事をした。


「ならば3人分、適当に注文してはくれないか?」


文助が手に持っていた紙を桜に渡す。


「お安い御用!」


桜はそう言うと、ビシッと敬礼して店員を呼んだ。




そのまま3人はしばらく話し、料理が来るのを待っていた。するとホカホカの湯気とともに肉の塊を焼いたハンバーグのようなものがでてきた。


店員は笑顔でそれを置くと去っていった。


「これは、フェイトミート焼きね。ケダモノのくせに割といいセンスしてるわ、、」


鈴月はそう言うと、すぐにテーブルに備えてあったナイフをとってそそくさとその肉を切り3人分よそった。


「戦いのあとにはこれが1番なの。」


だが桜は何故か食べずに何かを待つような様子でいた。


「これは、、すごい。肉を豪快に焼いてある、、江戸にもなかなかなかったな。」


そう言うと文助はフォークを持って肉に刺し、一口大に切ることもせずそのまま持ち上げて大きな塊にがっついた。


その様子を見た桜は笑顔を浮かべ、同じように食べた。どうやら文助が食べ始めるのを待っていたようだ。


その後に鈴月は切り分けていたナイフを戻し、今度は一回り小さいナイフを持った。そして肉を一口大に切って食べ始めた。


次の瞬間文助が突然叫び出す。


「む!美味い!!!肉も美味いがこのタレもまた素晴らしい!!肉の香ばしさが倍増しているぞ!!!肉汁も旨味がすごい!!!」


文助は初めて食べたその食べ物に驚き、大声でそう言った。


「こいつぁ美味い、美味すぎるぞ、、」


文助はブツブツ呟きながら肉を次々と齧る。


すると店にいた客が全員驚いて文助の方を見て、その様子に爆笑した。そしてどこからともなく、ビールだ、あの肉を俺にもくれなどと、一気に注文が入った。


客のほとんどは力仕事をしているのか、ガタイがよく男くさい雰囲気を漂わせていた。素直に美味しそうに食べる文助の姿に触発されたのかもしれない。言語が通じなくとも、態度が触発したのだろう。




「ん、ピュアエンジェルってのはさっき聞いたが、フォーリンエンジェルの混血ってのも言っていたがあれはなんだ?」


文助は先ほどの鈴月と桜の会話を思い出していた。そしてその疑問を肉の塊を食べながら鈴月に聞いた。


「フォーリンエンジェルとの混血はカタカナの名前が入ることが多いのよ。まさか鬼とは思わなかったけど。」


「もっとも、鬼もふざけてカタカナの名前をつけることがあるんだけどね♪」


鈴月の説明に桜が割って入る。名前でふざけるとは、鬼というのは案外陽気な生き物のようである。



「ふむ、なるほどなるほど」


「鬼は結構昔から日本国にいるって言ったよね?だからフォーリンエンジェルが日本国に入った時、カタカナの名前をつける流行に乗っかったらしいの!」


「ほほう、、色んな生き物がいるんだな。」


(鬼は江戸でも妖怪として耳にしたことはある。ここでは妖怪どころか、鬼が実在するのは周知の事実らしいな、、)





-数十分後


3人は食事を終えた。3人は先ほどのフェイトミート焼きの他にも様々な料理を食べた。


「美味かったな。」


「そうね、やっぱり美味しいわ。」


「ダーリンと食べれば尚更、、、♡」


そうして3人は満腹で店を出た。


「そういえば、これから桜はどうするんだ?鬼となればここでは生きづらかろう。」


「私?うーん、ちゃんとした家がないの。だからいつもそこら辺に野宿してる!心配してくれてるのねダーリン♡」


「あ、あぁ、まぁな。そうか、家がないのか、、」


文助は鈴月の方を向いた。


「騎士団はこれから何かあるのか?」


「特にないわよ。あなたには騎士団の寮に入ってもらうわ。家を持ってない者のためにそういうものがあるのよ。」


文助はそれを聞いて少し考えた。桜はポカンとした顔で首をかしげ、鈴月は少し嫌な予感がしていた。


「そうか、じゃあ桜、お前も寮に来い。」

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