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第15話 激突

 特訓は、連日連夜続いた。まぁ当然である。そもそも俺自身が望んだ事であるからして、途中でほっぽりだすなど言語道断であろう。気がかりだった『増強』の制限時間に関しては、発動・解除をこまめに切り替えることで対処することにした。『増強』を封じられた場合でも、単純な身体能力ならツェギンに負けないと思う。

「下手に頼って暴れまわるよりマシだわな」

 一方で、俺の内面に眠る意思は、日に日に強く出るようになっていった。ふと気が緩むと、俺の人格を押しのけてしゃしゃり出て来る。食事中、仕事の合間、入浴時……。正直言って俺は、内在するこの別人格―『俺』が気に入らない。如何にも知ったようなそぶりで間違った事をのたまい、俺自身の決定に口を挟む。更には敢えて俺を煽り、自制の心を揺する事で僅かな間だが俺を乗っ取る。

『ハッ、そんなに悩む必要無ェじゃねぇか。俺こそが本来のお前の人格なんだからよォ』

(いいから黙ってろ……。今は町ん中だ、お前に出てこられると面倒な事になる)

『いいねェ、そいつァ。寧ろ面白くね?』

(やめんか。前にお前が出て来たのを他人に見られた時、冷や汗が止まらなかったんだぞ)

 しかも割と大事なタイミングである。

『あー、それは悪い事をした。やっぱあの女は自分の力でオとしたいって訳だよな、分かる分かる』

(………………)

 やっぱり、こいつは苦手だ。


 

 先日の告白|(?)とちょっとしたアクシデント以降、ユアとは微妙に気まずい関係が続いていた。何とかこの状態を改善しようと、夜特訓の休憩中に会話をしようとした。

「ユア。ちょっと話があるんだけどさ」

「は、はい。ななな何でしょう……」

「あのさ、前に俺が言った事なんだけど、その……守ってやるとかいうアレ」

「あ、ああ、それ……。その件ですね、はい。それが一体……」

「まぁ、何というかな。自分の意思関係なく、誰かに人生を歪められるってのが俺は気に入らなかった。だからアイツの挑発を受けたんだ。だけどユアは……お前自身はどう思っているんだ?その、アイツに娶られるのは……」

 これは、最終決定のつもりだ。もしユアがツェギンの下へ行く事を望んでいるなら、俺のやろうとしている事は間違っているかもしれない。しかし、そうでなかったら。その場合は俺も迷う事無く戦いを選べると思った。

「私は……」ユアの声。そして……。

「ここに居たいです」

 その瞳は覚悟に満ちていた。俺の考えを見通していたかもしれない。

「この家で、お父さんと、お母さんと、そして、亜陰と。ずっと、暮らしていたいです」

 何故その中に俺が入っているんだろうと思ったが、空気を読んで言わない事にしよう。

「……そうか。だったら、俺も腹を括るしかないな」

 俺にもこうなった責任の一端はある。こうなりゃ意地でも勝つのみだ。

「私も、出来る限りのお手伝いをします!だから……」

「それは頼もしいな、ふふっ」真剣な話が一段落し、思わず笑ってしまった。

「な、何笑ってるんですか、もぅ!」ユアはわざとらしいふくれっ面をして、抗議する。ああ、やっぱり可愛いな。こんな美少女で、優しくて、それでいてどこか守ってあげたい雰囲気を持っていて、おまけに胸も大きくて……おい。

 なんて事だ。ふと視線を下に遣った瞬間、俺の視線上にユアの豊かな谷間が飛び込んできた。そういや今着てるのはチューブトップのような白い薄手の服でしたね……。

『凄いぜおい!あんなの生で見たのは初めてだ!』

(生き生きしてるね、お前)

『俺』の登場である。この会話の少々前に「今からシリアスな話するんだから暫く黙ってろ」と言ったはずだが、よくもまあこんな思春期真っ盛りな反応してくれるもんだな。

『テメェも同い年だろが。それとも何だ、おっぱいには興味が無いのか?それはいけねェな、こんな年から枯れてちゃ。もしくは貧乳派か?』

(頼むからもう少し自重しろバカ。あと俺は一応巨乳派だ)

『そいつは良かった。俺はてっきり、ロリコンかホモだと思ってたんだが……』

(ぶち◯すぞてめえ)

 こんな五流漫才をやっている間に、ユアは俺の視線に気づいたようで、

「え、えと……あの、そんなに見られると、ちょっと恥ずかしいというか……すみません……」羞恥の所為か顔が真っ赤っかだ。ユアが謝る事は何もない、と俺の全理性をかけて紳士的対応を実行するその前に……。

『ヒャア、もう我慢できねェ!いただきまーす!』

(おいやめろ馬鹿。俺の努力は早くも終了ですね……うわっ!)

 残念!『俺』は肉体の主導権を握ると、隣で座っていたユアを押し倒した。そのまま顔を彼女の豊満なバストに押し付ける。むにゅむにゅ、ぽよぽよ。男性から理性を奪い去り、ただのオスに変える魅惑の感触が今再び……。ってやばい!

「あぁ……っ!んんんっ……駄目です駄目ですっ!こ、こんな事しちゃ……あっ、やぁっ!ああん!」

 喘ぎと抵抗が混ざったユアの悲鳴が、俺もとい『俺』を更に暴走させる。俺は僅かな意識を集中させ、右手を握り占める。後はこいつを自分の頭にぶつければ、正気に戻れるかもしれない。

「そうだ、直で揉んでみるか!いい機会だし……」

「や、やめて下さい、亜陰!ああ、ふぁあっ……!脱がしちゃ駄目ぇっ!」

 しかし、『俺』はあっさりと俺の目論見を粉砕、右手のコントロールを取り戻すとユアの服をめくり、ブラの留め具を外した。隙間に手を滑らせ、遮るものなど何もなくなった彼女の乳を揉みしだいた。あ、これ、俺完全にオワタ。

 いっそシフさんやマイさんに助けて欲しかったと思うも、今日二人は夫婦水入らずで飲みに行っていたのを思い出し、絶望する。いや、寧ろ愛娘が居候の男に襲われている光景を目の当たりにした時、二人はどうするのだろうか。どんな顔をするのだろうか。考えただけでも末恐ろしい。そう考えると、まだこの状況はマシかもしれない……ってんな訳あるかっ。

(お、おい!いい加減にしろクソ野郎がッ!誰が勝手に出ていいと言った!?)

「良いじゃねェかよケチ。お前だけいい思いしやがって、俺にも楽しませろ」

(いいからさっさと元に戻れっ)

「分かったよ。何だよ、やっぱりお前も大好きなんじゃねェか」

(……後で覚えてろ)

 渋々引き下がる『俺』。ふう、やっとこさ主導権を取り返したぞ。

「大丈夫かユア?ごめん、さっきのは……え?」言いかけて、俺はある違和感に気付いた。右手の人差し指に触れる、周囲の柔肌とは明らかに違う、ほんの少し硬い感触。これってまさか……。

「……乳首?」

「ううっ……最低ですっ!!」

 直後、涙目のユアから張り手が飛んで来ましたとさ。



『ははは、まあでも良かったじゃん。良い経験だろ?』

(この一週間で俺は三度も同年代の少女の胸を触ってしまった。その内2回は同一人物だ。この意味が分かるか)

『役得だな』

(大罪だッ!!)

 あの後、土下座+お金が入ったら何か食べ物をおごるで何とか許してもらったからいいものの、明らかに不機嫌だった。それは当時から2日経った今も……。

「……じゃあ阿陰。私は友達とケーキ食べに行くから、亜陰は一人で防具を探して下さいね?」

 先ほど、こんな事を言われた位だ。それはもう、どこか距離感をとろうとするのがはっきりと分かるような事務的笑顔からの突き放しであった。一応、先の件は他の人間にはバレてないみたいだが。

 そんな訳で、俺はシフさんから渡された予算である3万円以内で防具を買うことになった。無論、決闘のためである。もう数日後に迫っている以上、オーダーメイドなど待ってはいられない。結果として出来合いのものになる訳だが、俺のバトルスタイルの関係上、重量があったり可動域が狭かったりすると満足に戦えなかったりする恐れがある。

「すると、重要なのは拳の保護、頭部や心臓周辺を覆えるタイプか」

 腹部や脚の防具は優先度は低いだろう。内臓の損傷は現実世界ではまず忌避すべきであるし、足を使えないとなれば戦い方が大きく狭められるだろうが、手段さえ選ばなければその状態でも勝ちは拾える。それに決闘後は治癒魔法でもかけてもらえば、死んでなければ大体の怪我は治ってしまうのだ。因みにこの世界では、蘇生魔法は禁術の一つとされており、その術式・呪文などの情報は帝国の厳重な管理によって市民から遠ざけられているとの事。

「当然だな。死者を蘇らせるという事は、本来持ちうる人口増加の抑制機能に逆らう事になる」

 それだけではない。『人々の全てが、蘇生魔法が存在する事が当たり前であるように考えている』世界など、明らかに間違っている。蘇生は他者の命、ひいては自らの命すらも軽視する行為だ。死者が簡単に生き返る世界では、倫理観・法体系・社会制度等あらゆるものが歪みだす。だからこそ、帝国側が蘇生魔法の使用を禁止する事は妥当であるように思う。

「死んだ人間は帰ってこない。それで十分なんだ」

 姉ちゃんが殺された時は、その事実を受け入れたくなかった。

 殺人を行った時は、その事実を受け入れるしかなかった。

 今度は、もしかしたら俺が殺されるかもしれない。

 それでも、仕方のない事だと割り切るのか。

 それとも。

「例え卑怯だろうと何だろうと、俺は死なないし、誰も死なせたくはない」

 この世界に生まれる生命は、一度きりの人生を歩んでいく。ならば、俺自身が直接その人生を終わらせることは、これ以上あってはいけないんだ。

『……殊勝な心掛けだな。でも実力が伴わなければ、それは綺麗事にしかならねェぜ』

「お前が明後日の決闘で出て来ることが無ければ、いいんだよ」

『ハッ、言ってくれるな。だが、もしてめぇがブッ倒れたら……奴を倒すのは俺がやる』

「残念だが、お前の出番はないだろうよ」

『口だけならどうとでも言えるがな。まあいいや、俺はしばらく寝るぜ』

 そういって『俺』は黙り、意識の奥へと消えて行った。言いたい放題の癖にすぐ逃げる奴だ。



 レイファの街は学園に近い中央大通りを中心とした区域の他に、東側の港沿いに並ぶ露店形式の市場や、反対の西側に点在する武具職人の工房など、アレイア帝国有数の産業都市として賑わっている。俺は防具を探しているので西部の工房群を見て回っているという訳だが、やはり店先に置かれているのは重厚な鉄の鎧が殆どであった。

「すみません、お邪魔しました」

 これで17軒目。やはり軽く硬いというのは都合が良すぎるな、最初の予定通り要所のみを保護するタイプに絞るか。

「あのー、何かお探しでしょうか?」

 突然後ろから声が聞こえた。何者だ、と振り向くと。

「いきなり話しかけてごめんなさい。でも、さっきから見ていましたよ。この辺の店に次々入ってくのを」

 同年代の少女だ。黒髪をツインに束ねた、背丈は平均ぐらいか。服装も地味過ぎず派手すぎず、何というか町娘的ファッションである。

「あぁ……その、防具が欲しいなって」

「防具ですね?それならば、わたしの家でも売ってますよ。今ならセール中ですし、もしかしたら求めているものがあるかもしれませんよ~?」

「んー……じゃあ、取り敢えず見ていくか。場所を教えてほしいんだけど……」

「はい!じゃあじゃあ、わたしについてきて下さいね~」

 言われるがままに彼女の後ろを歩きながら、俺は考える。平日の夕方とはいえ、この通りはそこそこ賑わっている。その中で俺をずっと見ていたとは、いったいどういった事情があるんだ?

(まさか、ぼったくり防具屋……とかじゃないよな)

 もしそうだとしたら、悪いが全力で逃げさせてもらうぞ、名も知らぬ女よ。そんな事を考えていると、目の前の少女が左の細い路地に入っていった。俺もついて行く。

 数分後。

「はい、到着しました!ここがレイファ一の鍛冶屋、ロジャーズ・クラフトでーす!」

 絶句した。薄汚れた裏路地の奥、光すらまともに届かない空間にどっかと構えたヴィンテージ・ハウス。真っ黒に変色した換気扇と排気口から、変な臭いの蒸気が噴き出す。

「ささ、入って入って」ドアを開け、無理矢理店に押し込む少女。

「ちょっ、オイ!」

 中に入ると、外装とは印象の大きく異なった空間となっていた。シックな色合いの調度品が、無機質な壁や天井とのミスマッチを生む。正面奥のカウンター、その更に奥には煌々とした炎を燈す金属製の炉。

「お父さん、新しいお客さんだよー!」

「いや、まだここで買うとは言ってない!」

 俺のツッコミは無視された。向かって右側にある鉄製の扉から、作業用の格好をした中年男性が出て来た。

「おぉ、貴方がお客様ですか!いやはや、かれこれ何日ぶりでしょうか」

「はい?」俺は訳も分からないまま、彼らの話を聞くことになった。



「どうも、私はロジャー・ガルシア……ロジャーズ・クラフトの店主をやっております」

「そしてわたしがその娘、メイガン・ガルシアでーす!メグって呼んでね!」

「はぁ」

「私達ガルシア家はこの一帯で先祖代々から鍛冶屋をやっておりまして、私は丁度11代目となります」

「何が丁度か分からないですけど……老舗なんですね」

「はい!それで、エルシア家の方々とは古くからのお付き合いらしいんですよ!例えば、エルシア家の人物の武器・防具はわたし達のお店で作っているんです」

「ってことは、ユアのもですか?」

「さようでございます。そしてこの度、ユア様を巡って決闘が行われるという噂を聞きつけましてな。情報に合う御方を探していたのです」

「まぁ……でも、俺は……」

「わたし、あのモンスター襲撃の時から見ていたんです。圧倒的な強さを見せた、謎の少年……。やっと見つけましたよ!」

「………………」俺は黙る。この二人に俺の内面的事情を話すわけにはいかない。出会ってすぐであるのも勿論だが、自分の中で割り切ることが出来ずにいるというのが大きい。あの惨状を作り出した原因は、今も俺の内で眠り続けている。

「あ、あれ?何でそんな苦しそうなんですか?」

「いや、何でもない……というと嘘になるか」

「ほう、何かありましたかな?」ロジャーさんが俺に問う。

「そうですね……詳しくは言えませんが、あの時の事はあまり思い出したくはない、というところですかね。すいません。ところで、どうして俺を探していたんですか?」何とか誤魔化そうと、話題を逸らす。

「いえ、こちらこそ配慮が足りませんでしたな。して、お客様の質問に答えましょう。それは、私達の武具をつけて決闘に臨んでいただきたいと思うからでございます」

「それはありがたいですが……一体何の思惑が……」

「簡単な事です。お客様が、明後日の決闘において勝利を収めると確信したから、という訳です」

 いや、待ってくれ。言っちゃあ何だが、あの戦闘だけでそんな判断が出来るのか?

「無論、半分は願望です」ロジャーさんは正直すぎた。俺は軽くズッコケそうになった。

「ま、まぁ俺自身も勝てるかどうか怪しいとは思ってますけどね……」

「大丈夫ですよ、あの魔法があれば勝てますって!」メグが励まそうとしてくれるが、不安の種は尽きない。改めて見ると、俺がツェギンに勝てる可能性はそれほど高くない。かたや金と権力にモノを言わせたボンボン、かたや先日落っこちて来たばかりのちょっと喧嘩が強いだけの小坊主である。唯一のアドバンテージは俺の魔法だが、制御が困難な上にマトモに効くかも分からないのだ。何を今まで強気になっていたんだろうか……。

「しかし、私達としてはツェギンよりもお客様に勝っていただきたいと思っているのは事実でございます」

「……そりゃまた、無理難題を……」

「何をおっしゃいますか。無理難題をどうにかするのが、私達鍛冶屋の役目です。それに……」

「それに?」



「お客様は優しいお方であると、そう信じておりますから」



「……冗談のつもりですか?あんな戦い方をするような奴が優しいだって?」

「いいえ、優しさとは誰にでも振りまくものとは決まっておりません。あの時のお客様は、ユア様やシフ様、街中の人々を守るためにあの魔物を打ち倒したのでしょう?」

「それは……」

「わたしも出会ったばっかりでよく分かんないですけど……お父さんと同じ意見、かな。少なくともわたしが見た限りでは、お客さんは悪者じゃないって思います」

「例え自分自身が許せないとしても、誰かが自分を許してくれるかもしれない。そう思うことは、決して悪い事ではないと思いますが……どうお考えですか?」

 俺は、二人に言われた事を考えていた。あの時は、ただ感情の思うままに力を振るって叩きのめしたと、そう結論付けていた。それを自分の尺度だけで推し量って、自分一人の問題として閉じ込めてしまっていた。でも、それは周りの人間からすれば違った見え方をしていたのかもしれない。

(何てことだ。自分のことを一番知らなかったのは、俺自身だったか)

『フン、ようやく気づきやがったか。長かったな』

 『俺』は、ここぞとばかりに現れた。その狙い澄ましたかのような登場に思わず苦笑してしまう。

(悪いか。俺はナイーブでセンチメンタルなんだよ)

『何言ってやがる、本来のテメェがそんな弱っちい精神だったら、不良なんてやってねぇだろ』

(あれは他の人間にあまり深く関わってほしくなかったから、ポーズとしてやっただけだ)

『でも、案外ノリノリだったじゃねぇか』

(……まぁ、そういうことにしようか)

 まだ結論というにはほど遠いし、自分なりの折り合いは付けられていないが。

「そう……ですね。前向きに捉えてみます」

 せめて、今度の件までは。

 


 ユアを守るためなら、俺はこの力を使う事を躊躇わない。



「じゃあ早速、防具作りに取り掛かりますか」

「はい……あれ?」

 えっ、何?俺のさっきまでのモノローグから突然、何言い出したのこのオッサン?思わず返事しちゃったけど。っていうか作るの、今から?

「まず、お客様の名前を教えていただければ……」

「ちょ、ちょい待ち!じゃなくて、待ってください!何も貴方らの所で買うとは……」

「お客さん、違いますねー。買うんじゃなくて、『作る』んです」メグの不敵な笑み。ていうか腕離せ、いつの間に掴んでるんだコラ、胴体に押し付けんな、色々当たってるんだよッ……。

『おいおい、4回目か?』ここぞとばかりに『俺』も笑いに来る。

(……やっぱお前嫌いだわ)

 はぁぁぁぁぁあ。こちらに来て最大級のため息が、俺の口から漏れ出るのも時間の問題だった。



 そして二日後。

 決闘が始まろうとしていた。

 それは、自分の信じるモノのため。

 それは、自分を信じるモノのため。

 その時、俺は……。



 激突は、間もなく。

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