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人外戦記  作者: 市原要
少年期
10/10

最年少兵士

本日2話目の投稿です。

「おはよう、エルド君。昨日はよく眠れた?」

「ああ、おはようメイル。まあまあかな」


エルドは兵士団達の中でも一番の早起きで、朝早く兵士団の宿舎の掃除をしている。


「エルド君は偉いねぇ。僕が今まで最年少だったけどどうも朝は駄目でね……。今はだいぶ早く起きれる様になったけど」

「まあ、細かく言えば今もメイルが最年少だけどな。俺はまだ正式入団してないし」

「でもその調子だと正式入団も早いんじゃないかな?」

「そうか?」


「おー!はよっ、エル坊にメイル!」

「おっす、エル坊はいつも早起きで偉いなぁ~」

「おはよう……って、ガキ扱いするなよ!」


メイルはエルドをじっと見つめる。


「……エルド君、すっかり馴染んだね」

「まぁな……兵士団の人達が良い奴ばっかだからな」

「……。おっと、シーツを取り替えないといけないんだった。じゃあね、エルド君」

「あ、あぁ。」


……エルドは首を傾げた。

少しメイルの様子が可笑しかったからだ。












――――……


「よし、休憩!!」


昼の訓練。ガイムが大きな声で休憩を呼びかけた。


「あーーーー。疲れた」

「レイマって、なんだかんだそう言うけど実際動き鈍らないよな」

「まあ……僕の特技は『限界突破』だからね!」

「はは……」


訓練所の隅には大きな木が1本立っている。エルドとレイマはいつも休憩中、その木の下の木陰で休むのだ。


「エルド君……ちょっと良い?」

「……どうした、メイル?」

「今日、訓練が終わったら……夕方宿舎の裏に来てくれる?話したい事があるんだ」

「あぁ……別に構わないが」

「ありがとう……。待ってるから」


そう言ってメイルは去って行った。


「なんか……メイル君、この頃様子可笑しいよね?」

「あぁ、俺もそう思っていた」

「まぁ、メイル君は良い子だからね。多分大丈夫だと思うけど」

「そうだな……」
















ーーーー……


「……お待たせ、メイル」

「あぁエルド君、待ってたよ」

「で、なんの用だ?」

「そう……だね。エルド君……





魔族って、どう思う?」

「魔族?……俺達人間を侮辱して見下す、人間の敵って教わったが」

「……エルド君から見たイメージはどんな感じなのかな?」

「俺……?まぁ、実際に見た事も無いから何とも言えないが……戦争じゃなくて話し合いで解決出来たら良いんじゃねぇのかな、とは思う」

「……そっか……。


















――――変わってないね、君は……。」

「は?」

「ん、ありがとう。それだけなんだ。じゃあね」

「ちょ、最後のはどう言う……」


メイルは意味深な言葉を残して、足早に去って行ってしまった。


「……なんなんだ」

「――――っは、はぁ……っ!!お、おいエルド!!」

「な、なんだよガイム?そんなに慌てて……」

「さ、さっきの……部隊長会議で……!!





















――――お前の正式入団が決まったぞ!!

史上最年少の入団だ!!」



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