第8話 家族
本日最後、どうぞ。
※魔法属性に土を追加しました
※風属性の派生を真空→木に変更しました。
プレゼントを貰ったその翌日。一馬は魔法の練習のためいつも練習をしている場所に来ていた。
そこの丁度いい大きさの岩に座り、魔法書を開く。
(魔法書…楽しみだなぁ。どんな魔法があるのやら)
ページをめくる。
まず最初のページには魔法属性の種類、それぞれの弱点についてかかれてあるようだ。
(パズ○ラみたいな感じか…)
前世で結構ハマっていた某パズルゲームを思い出す。
(火属性とか結構憧れるよなぁ、あと闇)
この世界には、火、水、風、土、光、闇の6つのぞくせいがある。
これ以外にも無属性があるが、誰でも扱えるので属性には分類されずステータスにも表記されない。
それぞれの魔法属性には派生属性というものがあり、火の派生は炎、水の派生は氷、風の派生は木、土の派生は岩、光と闇の派生はない。
現在一馬が使えるのは水属性と派生の氷属性のみ。
本来魔法は1人一属性だが、一馬には当てはまらない。
ちなみにこの前時空魔法を使った時に言っていた回復魔法は光属性にあたる。
「へぇ〜、結構な種類があるんだな」
今一馬の顔を見たやつは思うだろう。
あ、コイツヤバい…と
今の一馬の目はとてもキラキラと輝いており、いつにも増してやる気に満ち溢れている。
「よっしゃ!じゃあいっちょやるか!!」
その日、森で大災害が起きた。
その後、アクアにお叱りを受けたのは言うまでもない。
更に5年後、一馬はすべての属性を使いこなすことが出来るようになっていた。もちろん、神級までだ。
ある朝、一馬はふと思った。
(そういやずっと魔法に夢中だったから考えなかったけど、外の世界、行ってみたいなぁ…)
その日も変わらず朝からトレーニング、午後は魔法の練習をする。
夜になり、洞窟に帰る準備をする。
「はぁー……」
つい溜息がでる。
例え外に出たとしてもここがどこかもわからず出れば迷うこと間違いなしだし、お金もない。でも外に出たい。
朝からずっと葛藤の繰り返し。
「はぁー……」
さらに溜息。
「どうしたのよ、さっきから溜息ついて」
声のした方向を見ると、そこにはアクアが立っていた。
「別になんでもいいだろ?」
「いいわけないじゃない。伊達に14年付き合ってたわけじゃないのよ?」
そう言いながらじっとこちらを見つめてくる。
(ウグッ、これバレてる…?)
「貴方、外に出たいのでしょう?」
アクアは一瞬悲しい顔をしたが、すぐにもとの表情に戻した。
「…………」
何も言わずに見つめ返す。
アクアは、はぁ…と息を吐きながら、
「別に隠さなくたっていいのよ?どうせ貴方はココを出て行くのだろうとおもっていたし、そのために魔法書も渡した」
それを聞いて一馬は驚く。
「なにもふしぎなことではないでしょう?
ついてきて」
アクアはそう言うと踵をかえす。
「あ、ちょっと待てよ!」
慌ててアクアの後を追う。
ついた場所は、初めてアクアと出会った場所。
湖だった。
「カズマ…覚えてる?初めて会った時のこと。あの時のカズマ、まだ魔法も知らずにさ、湖の前で変な動きしてたよね…」
そう、ポツリポツリとかたりだす。
「魔力コントロールの仕方教えてさ、魔法を使わせてみたらいきなり私の家ぶち壊して、ホントあの時は驚いたわ」
ふと、脳裏にあの時の光景が映し出される。
「あの時の貴方、すごく慌てていてすごく可笑しくて可愛かった。弟がいたらこんな感じなんだろうって思ったわ」
フフフッと笑うアクア。
「でもあれからすぐに魔力コントロールも上手くなって、更には水魔法と氷魔法も覚えちゃった。その時つい嫉妬してしまったけど仕方ないわよね」
こちらを見つめてくるアクア。
「なんでもできてしまうけど、時折見せる笑顔がとても可愛くて、だからいつか森を出て行くと思うと悲しいし辛い気持ちになった」
俺は黙って話を聞く。
「出来れば外に行って欲しくない。やっと出来た家族だもの。でもね、貴方のためにも外に出たほうがいいと思う」
【家族】
その言葉を聞いた瞬間、何故か涙が頬を伝う。
「ふふ、貴方の泣く姿初めて見たわ」
アクアは俺の涙をふいてくれる。
俺はこの異世界に来た時からずっと一人ぼっちだった。
俺には誰も居ないんだと、そう思っていた。
だけど…以外にも近くに【家族】がいた。
【家族】と言ってくれる人がいた。
俺のことを大切に思ってくれる人がいた。
そう思うと涙が止まらない。
「泣かないで。別に二度と会えないわけじゃない。たまにでいいわ。この森に帰ってきて。もう大切な家族なのだから」
そう言って抱きしめてくれる。
(家族…か…)
その言葉が胸に沁みた。
「あした、この森を出なさい。外の世界には貴方の見たことない、感じた事のないものがたくさんある。私は大丈夫。困った事があればまた帰ってこればいい。だから、安心して行きなさい」
涙が、止まらない
「ああ……ありがとう。アクア」
何故だか安心できる言葉。
なんだかとても温かい……
そう感じた。
感情の描写って難しいですね。
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