第35話 メイド服の金髪幼女
一馬を「カズマ」で統一しました。
読みにくいかなぁ…と思いまして
他の話も「カズマ」に修正しておきます。
第35話、どうぞ
ドガッシャァァァァン!!
派手な音を立てながら扉を突き破ってきたのは、ハゲのガチムチなおっさん。
カズマとサラは驚愕の表情でおっさんを見る。いきなりおっさんが飛び出してきたら誰だって驚くだろう。
「…誰だコイツ」
訝しげな表情で言うのはカズマ。
「い、いや知らないんだよ…」
サラはカズマの袖をこれでもか、ときつく握っている。
2人があたふたしていると、突然中から誰かが飛び出してくる。
「アァン!?てめぇ、誰に口聞いてんだぁ!?」
荒い口調でおっさんに殴りかかる人物。
よく見るとソイツはさっきの勇者(笑)だった。
勇者(笑)は額に青筋を浮かべながら、おっさんに殴りかかる。
「俺は勇者だぞ!?てめぇにザコ呼ばわりされる筋合いはねぇんだよ!!」
後ろでは学校の制服のようなモノを身につけた2人の女子が止めに入ろうとしている。もう1人似たような服装の男子がいるが、ソイツはニヤニヤしながら勇者(笑)の方を見ている。
「クソがっ!俺はっ!アルス聖教国のっ!勇者だぞ!!」
おっさんは気を失っているのかピクリとも動かない。
女子2人が後ろから羽交い締めにするが、それでも止まらない。
一体何を言われたのかは知らないがいくら何でもやりすぎだろう、とカズマは止めに入る。
「おい、やりすぎじゃないか?」
カズマは勇者に向けて声をかける。
だが勇者はカズマを見た途端顔を歪め、カズマに殴りかかってくる。
「俺に指図するなぁっ!!」
何かのスキルなのか、凄まじいスピードでカズマに接近する。
だがこの凄まじいスピードというのは人間基準であり、カズマは人間ではなく龍神だ。
常人には見えない速さだがカズマにとってはさほど速くもない。
軽く首を右に避け、パンチを躱す。
自分のパンチを避けられたことに驚愕する勇者だが、すぐさま連発してくる。
カズマはそれを体を少しずらすだけで避ける。
その事にさらに激昂した勇者はあろう事か腰に差してある剣を抜く。
その剣には華美な装飾が施されており、中々に強力な魔力が溢れ出している。
「ふざけるなぁ!!」
剣をカズマめがけて振り下ろす。
めんどくさい奴だな…とカズマはムラサメに手をかける…が、
キンッ
カズマがムラサメを抜く直前、勇者の剣が何かに弾かれる。
勇者は何事か、と周りを見渡しているが、カズマは何かに気づいたのかギルドの奥に視線を向けている。
やがてギルドの方からコツ…コツ…と誰かが歩いてくる音が聞こえてきた。
「全く…何をしているんだお前達…」
そう言ってギルドから出てきたのは、メイド服を着込んだ金髪碧眼の幼女だった。
「……ロリ?」
「誰がロリじゃぁぁぁぁぁ!!!」
カズマがボソリ、と呟くと幼女はすぐさま反応し、何かを飛ばしてくる。
「うおっ!?」
素早く後ろに飛び退く。
カカカカッ!
カズマのいた場所に何かが連続して刺さる。
ナイフだ。
ステーキを切ったりするとき使うアレ。
しかし、ただの刺さり方ではない。刃の部分が根本までグッサリと地面に刺さっている。
その事に冷や汗を流すカズマ。
「出会い頭に人をロリ呼ばわりとは…いい度胸だな?」
長い金髪を逆立てこちらを睨みつける幼女。
背後に般若が見える。
(何この幼女…怖すぎだろ)
「お前!今幼女って思っただろ!」
「い、いや思ってない思ってない」
首をブンブンと横に振る。
「ふんっ、まあいい。それよりお前達何してるんだ?」
幼女はカズマと勇者&その連れ、倒れているハゲのおっさんに視線を向ける。
「俺に向かって生意気な口を聞いたコイツが悪い!」
勇者がおっさんを指差しがら幼女に言う。
「俺は勇者だ!冒険者なんていう下賎な奴らは俺におとなしく従っt「黙れ」…っ!?」
言い終わる前に幼女が言うと、勇者は顔を真っ青にさせ口を締める。
勇者は必死に何か言おうとしているが、ん゛ー!ん゛ー!と言うだけで他人から見ると非常に滑稽だ。
「はぁ、なんで今回の勇者ってのはこうもダメな奴なんかねぇ…」
呆れ顔で溜息をつく幼女。
「おいお前ら、ソイツ連れてけ」
勇者の後ろにいた3人に声をかける。
「は、はいっ。すみませんでした……ぅぅ…」
3人のうちの1人、茶髪の少女が謝り、もう1人の黒髪を腰まで伸ばしている少女が勇者(笑)を引っ張って連れて行く。
去り際に黒髪ロングの少女がこちらに来て頭を下げてきた。
「私は駿徳高校2年笠峰鶴葉。うちのバカがごめんなさい」
キリッとした目つきで顔はかなり美人だ。凛とした雰囲気を漂わせており、性格的にはしっかり者と言ったところだろう。
腰には日本刀を少しだけ短くしたようなモノを2本腰に差している。
少女ーー笠峰鶴葉はもう一度謝ったあと3人を連れて去っていった。
その際に、勇者ともう1人の男子がカズマの方を憎悪の篭った目で見ていたが、その事にカズマは気付かなかった。
✴︎✴︎✴︎
「ふぅ…さて、お前がネムロ・カズマか?」
幼女はクルリとこちらを向きカズマを見上げてくる。
「……ああ、なんで知ってる?」
幼女はニヤリ、と笑い
「いいや、シアルから話を聞いていてな。金の刺繍の黒コート着ているからもしや、と思ってな」
この服装はそこまで目立つだろうか?とカズマが首を傾げていると
「まぁ、それ以外にも理由はあるんだが……まぁいい。私の部屋に来い」
幼女はそれだけ言うとギルドの中に戻っていった。
「それ以外の理由…?」
何か他に理由があるのだろうか。
「ねぇ、カズマ!カズマってばぁ!」
ん?と隣を見ると、サラが涙目でこちらを見上げていた。
「ヒドイ…さっきから呼んでたのに無視なんて…」
「ああ、悪い。気付かなかった」
サラリと言う。するとサラはショックだったのか、よよよ…とその場にへたり込んだ。
「そんなぁ、カズマにとって私はそういうものなんだね…」
周りを歩いている人たちがカズマ達の方を見てヒソヒソと喋り始める。
「やだ、あの人。女の子をいじめてるわよ…」
「本当だわ、男として最低ね」
「くっ、あんな可愛い娘を泣かせるなんて、なんて野郎だ!」
「くそっ!禿げろ!」
「ああ、私も罵られたい…」
ざわざわ…と周りが騒ぎ出す。
最後に何か変なのが混ざっていたがソレはスルー。
「はぁ、悪かったって。謝るから立ってくれよ」
だが立ち上がらない。
「………後で何でもしてあげるから」
カズマがそう言った瞬間サラは素早く立ち上がり、満面の笑みでカズマに言い寄る。
「ホント!?絶対だよ!!」
泣いていたとは思えない勢いで確認してくるサラ。
「ああ…」
つい返事をしてしまった。
「やったぁ!ほら、早く中に行こ!」
サラはニコニコしながらカズマの手を引く。
(コイツ、相当な策士だな…)
館の時と同じパターンだ。
カズマはこの後どうするか頭を悩ませながら、ギルドの中に入っていった。
刀を腰に差す…
刀を腰に挿す…
これどっちが正解なんですかね?
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