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第34話 フィルバス帝国「ウォースレン」

本日もう一話更新する……かもしれません。

第34話、どうぞ

イケメンの勇者(笑)が立ち去り40分後、ようやく一馬達の順番が来た。

「身分証明書を」

門番の男性が証明出来るものを掲示するよう言ってきた。

「ああ」

一馬は自分のギルドカードを門番に見せる。

「……っ!?」

すると、門番の男性は一馬のギルドカードを見た途端血相を変え、一馬達をほったらかしにしたまま詰所のような所に駆け込んだ。

一馬は何かヤバイ事書かれてたか?とギルドカードを確認するが、特にそれらしいものはない。

しばらくすると門番の男性とダンディーな中年の男性がこちらに歩いてきた。

隣でサラがアワアワと慌てる。

「……君がカズマ君かな?」

ダンディーな方の男性が一馬の全身を見ながら尋ねてくる。

「…ああ、そうだけど何か用か?」

平静を装って問い返すが内心物凄く焦っている。

さっき勇者と揉めたのがヤバかったのか?と考えていると

「いや、君の捜索依頼が出されていてね。冒険者ギルドミルド支部のギルドマスター直々の依頼だ」

そう言われ一馬はああ、と思い出す。

忘れていたが一馬はダンジョンから転移してここにいる。

恐らくダンジョンから帰ってこない一馬を心配して依頼を出したのだろう。

依頼を出した理由は、ダンジョン内を捜しても居なかったから転移か何かした可能性を考え、捜索依頼を出した、といったところだろう。

ミルド支部のギルドマスター…シアル直々の依頼らしいし、無事を伝えないといけないな、と一馬が思考に耽っていると

「ではカズマ君、悪いが街に入ったら冒険者ギルドに行ってほしい」

ダンディーなおっさんはそう言って何かの紙を一馬に渡してきた。

「これは?」

一馬の捜索願だろうか?

「ああ、それは依頼用紙だよ。ギルドに着いたらそれに署名して、君のギルドカードと一緒に受付嬢に渡してくれ」

どうやら冒険者ギルドまで提出しに行かないといけないらしい。

「分かった」

「では、ようこそ。フィルバス帝国の中心、ウォースレンへ」

この街の名前はウォースレンと言うらしい。

一馬とサラはそのまま門をくぐった。



後から気づいたがサラは身分証を持っていない。なのでお金を払わないといけなかったのだが、門番の人は何も言わなかった。

門番よ…それでいいのか…


✴︎✴︎✴︎


街の中を一言で表すとしたら『ローマ』だ。

そこかしこに石造りの建物があり、視線の一番向こうにはシンデレラ城みたいな城が建っている。

その隣にはコロッセオのような闘技場?があり、中からは歓声が聞こえる。何か催し物をしているのだろう。

ほー…と一馬とサラ2人は街の活気さにあてられ周りを見渡すが、ふと重要な事を思い出す。

(あっ!またギルドの場所聞くの忘れてた!)

ミルドの時に続き、2度目の失態。

一馬は近くを通った女性にギルドの場所を聞く。

その女性は非常に露出の多い服を着ており、出るとこは出て引っ込むところは引っ込んでいた。

「あらあらどうしたの?ぼうや」

うふふ、と言いながら一馬の頬に手を添える。

体からは香水のような匂いが。この女性は娼婦か何かをしているのだろうか? 雰囲気が凄いエロいです。

「あ、いや、その、冒険者ギルドってどこですか…?」

いきなり女性に触られキョドる一馬。

「あら可愛い…。ねぇ冒険者ギルドより私といい事しない?」

ねぇ?と一馬の体をベタベタ触りだす。

すると隣にいたサラがぷくーっと頬を膨らせ

「むむーー!カズマは私のなんだよっ!」

と言い、一馬の体を女性から引っぺがす。

「あらまぁ、女性連れだったの…。残念」

唇を尖らせる女性だが気にしてないのかそのままギルドの場所を教えてくれた。

「うふふ、ギルドなら競技場の前にあるわよ。ぼうや、また今度遊びましょうね」

女性は一馬の体をひと撫でして、そのまま人混みのなかへと去っていった。

ボーっとしていた一馬だが、突如後ろから殺気を感じハッと我にかえる。

「カズマぁ…私というものがありながら浮気なんて…っ!バカッ!」

サラは涙目になりながらそっぽをむく。

「わ、悪かったって…な? ほら、ギルドに行くぞ」

サラはしばらく拗ねていたが、一馬が歩き出すとトテトテと後ろをついてきた。

(はぁ…後でちゃんと謝るか…)

そう考えていると、ふいにコートを引っ張られる。

見るとサラが顔を少し赤くしながら袖を掴んでいた。

「……どうした?」

「カズマが離れないように…」

さっきの事(娼婦の女性)が関係あるのか、と思ったがどうやら違ったらしい。

サラは不安そうに周りをキョロキョロと見渡している。

一馬とはぐれ、迷子になるのが怖いのだろう。

「…ダメ?」

首を傾げ一馬を見上げるサラ

「っ!?い、いや別に構わないぞ」

不覚にもその仕草にドキッとしてしまった。

(こういう所は可愛いんだけどなぁ…)

そのまま大通りを進み、競技場の前に着く。

そこにはミルド支部より大きな冒険者ギルドがあった。

中からは喧騒が鳴り響いている。

「さて…行くか」

「うん」

一馬たちが一歩踏み出す。と、その時


ドガッシャァァァァン!!


突然ガチムチの男性が扉を突き破り吹っ飛んできた。

誤字・脱字、感想お待ちしております

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