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第32話 人神

もしかすると毎日更新に戻すかもしれないです。

第32話、どうぞ

「サラ!!」

一馬はムラサメを抜きながらサラのもとに駆け寄る。

「『炎斬波!!』」

炎の魔力を纏わせ、白装束2人に向かって斬撃を飛ばす。

白装束は驚いた顔でこちらを見たが、素早く後ろに飛び退いた。

「ご…めん、カズマ」

肩で息をしながら立ち上がる。

「別にいい。でも一体どうした? 魔神のお前がたった2人相手に苦戦とは…」

するとサラはバツの悪そうな表情を浮かべながら

「うん…実はねーーー」

サラの話によると、白装束が持っている白いナイフ。アレが掠った瞬間に身体の力が抜け、魔力を上手くコントロールすることが出来なくなったらしい。

「カズマはなんともなかったの?」

「ああ、特に何も」

カズマはナイフに掠ってもいないので特に異常はない。

「魔神をここまで追い詰める武器……碌なことがないな」

これから先サラと行動する場合、今回のような襲撃があるかもしれない。

白いナイフの対抗策なども練らないといけないので…

「仕方ない、生け捕りにするか」

一馬はそう言うと、自分ごと白装束の背後に空間転移させる。

「「なっ……!?」」

白装束2人が驚いた顔でこちらを振り向く。

一馬は右手を振り上げる

「悪いが寝てもらうぞ」

2人は急いでその場を離れようとするが、時すでに遅し。

ガスッと一馬の手刀が炸裂、2人の意識は闇に落ちた。






2人を生け捕りにして数時間。陽はとっくに沈み、辺りはすでに暗く、淡い月の光が地面を照らしていた。

「くっ………」

「おっ、目が覚めたようだな」

白装束2人がのそりと起き上がり周りを見渡す。

暴れられたら困るので、サラの創造魔法で創り出したロープで手足を縛ってある。

勿論ちょっとやそっとじゃ千切れないロープだ。

「さて、では早速話してもらうか」

一馬は白装束2人の前に座り、尋問を開始する。

「まず1つ目、お前たちは何で俺たちを…いや、サラを狙う?」

「…………」

白装束は何も言わずにこちらを睨んでくる。

「はぁ、やっぱダメか…」

どうしたもんかな…と悩んでいると

「カズマ、尋問なら私に任せるんだよ!」

サラがドヤ顔でそんなことを言ってきた。

「いや、お前が出来るのか?」

そう、こいつはアホの子だ。尋問なんて出来るわけがない。

「むむー!私は魔神だよっ!」

サラはそう言って白装束と向き合う。

そして両手を突き出し

「汝、偽りなく真実をさらけ出せ…」

何かの魔法の詠唱だろうか、白装束の身体が白い光に包まれる。

すると途端に白装束が慌てだし

「なっ!?貴様まさか…っ!?」

暴れ出す白装束だが次第に目が虚ろになり、動かなくなった。

「……お前、何したんだ?」

するとサラはテヘ、と舌を出しながら

「んー、精神に干渉して本当の事を言うように仕向けたんだよ」

と言った。

「お前、中々えげつないことするな…まあいいか」

一馬は白装束の前に座り、再び尋問する。

「ふぅ、お前たちは何でサラを狙う?」

白装束はピクリと反応するとポツリと答えた。

「聖女様の…そして我等が神の願いだからだ」

(神?一体何のこと…………おいおい、まさか)

「神って……人神のことか?」

「そうだ」

これはまた面倒な、と一馬は頭を抱える。

人神といえば、200年前勇者に力を与えた神である。

その人神が魔神を倒そうと躍起になっているらしい。

しかし200年経った今でも魔神を討とうとするとは…

(とんだストーカー気質の持ち主だな)

何事もなくまったりと人生を送ろうとしていた一馬にとって、人神と敵対するなど何のメリットもない。

あと、めんどくさい。

考えたら止まらないので、取り敢えず次の質問をする。

「お前たちが持ってるその武器は何だ?」

「コレは聖女様から頂いた聖遺物だ。魔神の弱点でもある強力な光属性が付与されている」

どうやら魔神は光属性に弱いらしい。

だが光属性が付与されているだけなら、対処法はいくらでもある。そこまで深く考える必要はないだろう。

「じゃあ次の質問。聖女様ってのは何だ?」

「聖女様は人神に仕えてらっしゃるお方で、我が国アルス聖教国の象徴である」

(アルス聖教国……気を付けておかないとな…)

魔神だけでなく龍神も邪神扱いされているのだ。何をしてくるか分からない。

用心しておくに越した事は無いだろう。



それ以外にも、何で魔神が復活したことを知っているのか、リーダーの男が使った丸薬は何なのか、などの質問をした。

魔神復活に関してはリーダーの男が言っていた通り聖女から予言を貰った、との事。

丸薬の事は何も知らないらしい。

「よし、こんくらいかな」

一馬はそう言うと立ち上がりサラに声をかける。

「サラ、行くぞー」

「ほぇ!?あ、もう終わったの。あの人たちは?」

白装束を指差す。

「んー…まぁ放置でいいだろ。俺たちを狙ってきたんだから助ける義理はない」

「でも後から追いかけてくるかも」

確かに一理ある。

「仕方ない…」

一馬はそう言ってムラサメを抜き、白装束の方に向き直る………が、そこには顔を真っ青にしながら痙攣する2人がいた。

「っ!? おい!」

急いで2人のもとに駆け寄る。

口元からは血が流れており、もう既に息をしていなかった。

「はぁ………毒を口に仕組んでたのか」

少し後味が悪いが、手間が省けたということにしておく。

「おい、行くぞ」

「ほぇ!?もういいの?」

「ああ、もう死んでた」

念のため死体は焼いておく。いるかどうか知らないがアンデッドなんかになったら厄介だからだ。

「じゃあ行くんだよ!」

サラが元気よく歩き出す

「おい、逆だぞ」

サラが向かっている方向は一馬達が通った道だ。

「うう…知ってるんだよ!」

サラは顔を真っ赤にしながらクルリと向きを変える。

(はぁ、大丈夫なのか?)

サラは帝国の場所を知っていると言っていた。

一馬はちゃんと帝国に辿り着けるか不安になりながらも、サラの後をついていった。



そのうち大幅修正をすると思います。

誤字・脱字、感想お待ちしておりますm(._.)m

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