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第30話 フィルバス帝国へ

2000文字安定で書いていきたい…

第30話、どうぞ

行き止まりにぶち当たって数時間後、一馬とサラはようやく外に出ることが出来た。

「うん〜っ、なんか久し振りな感じがするなぁ…」

伸びをする一馬。

「ごめんね? カズマ。なんか迷惑かけて…」

ショボンとしているサラ。アホ毛が力無く垂れている。

一馬は少し困った顔をしながら

「あーいや、別に気にしてないぞ。結局は外に出られたしそれでいいじゃないか」

元気が無さそうだったが、一馬がそう言うと

「うん!そうだね!じゃあ、街に行こう!」

先ほどまでの落ち込み具合が嘘のように明るくなるサラ。

上機嫌にそのまま街があるであろう方角へと歩いていく。

(ほんとに落ち込んでたのか? あいつ)

まあいいか、と一馬はサラのあとを追った。




館の外はミルドの街より大きな街だった。だがただの街ではない。人の気配がないのだ。

「まるでゴーストタウンだな…」


散策していると、街の役所だろうか、館を除いて街の中で一際大きな建物があった。

だが建物の中には人は居らず廃れていた。

「なんで誰も居ないんだ…?」

街を一周ぐるっと回ってきたが誰もいない。

理由を尋ねようとサラの方を振り返るが、サラは肩を震わせ俯いていた。

「お、おい…サラ?」

一体どうしたというのか、呼びかけるが全く反応しない。

何度か肩を揺さぶると、ハッとしてこちらを見た。

「大丈夫か?」

あんなに明るかったサラがここまで暗くなるとは何かあるに違いない。

「うん、大丈夫」

笑いながらそう言ってくるサラだが、どことなく寂しそうだ。

「なぁサラ。さっきの館がお前の家ってことは、此処は…」

だが一馬の言葉はサラに遮られる。

「そう、此処はね、私の街だったんだよ…」

魔神・サラの街。

何故人が誰一人として居ないのか、大体予想ができる。

「昔あったことに関係あるのか?」

昔の事とは、魔神が勇者に封印されたという伝説だ。

サラはしばらく黙ると

「うん、多分ね」

だがそれ以上は語ろうとしない。強引に聞き出すのも忍びないので追求するのをやめる。

「まぁ人がいないのは仕方がない。どこか近くに街がないものか…」

一馬はこの世界の地理については全く詳しくない。それどころかどんな国があるのかさえも知らない。

ミルドの街にいた時に調べておけば良かったと後悔するが、後の祭り。

だがその時サラが思い出したかのように

「う〜ん、今はどうかわからないけど、昔は少し行ったところに人間族のフィルバス帝国があったんだよ」

と言った。

なんで魔神の街の近くに人間族の帝国があるのか謎だが、考えても分からないのでその事については取り敢えず放置。

一馬達は帝国に向かうことにする。

「じゃあそこに行くか、道は分かるか?」

少し不安だがまぁ仕方がない。

「うん、何度も行った事あるから大丈夫だよ」

館からみて東に向かう。

だがふと一馬は重要(?)なことを思い出す。

「なぁ、俺のコートにお前の創造魔法でフード付けれるか?」

「え? 何で?」

忘れがちだが、一馬は超絶イケメンなのだ。その一馬が人が沢山いるところに素顔を晒したまま行くと、嫌でも注目を浴びる。

サラはその事に気がついたのか

「うん、分かったんだよ」

サラは一馬の後ろに立ち、手をかざす。

するとサラの手元が光り、金の刺繍が入った黒のフードが出来上がる。

「うん、悪くないな。助かる」

一馬はフードをかぶり、サラを連れて帝国のある方向へと向かった。





魔神の街を出発し1時間が経った頃、一馬とサラは異変に気付く。

「囲まれてるな…」

コクリと頷くサラ。

何者かが気配を巧妙に隠し、一馬とサラを少しずつ包囲していた。

「………8人か、結構な団体さんだな」

盗賊か何かと思ったが、それにしては隠密のレベルが高すぎる。

一馬はその場に立ち止まると、周りのヤツらも止まる。

「おい! 俺たちに何の用だ!!」

一馬が声を張り上げ尋ねる。すると周りの草むらから白い装束に身を包んだ人物が8人飛び出してきた。

「我等の隠密に気付くとは、中々のやり手とお見受けする」

8人の先頭に立つリーダーらしき人物が口を開く。声からして男だろう。

「そんなことはいい、一体何の用だ?」

男はしばらく黙り込むが

「聖女様の予言の通りだ。これより魔神の討伐を開始する」

そう言うや否や、白装束8人が一馬達に突っ込んできた。

「くそっ! なんでサラが魔神だと分かったんだ!?」

驚く一馬だが、たった8人で魔神を討伐するなど不可能だ。勇者でさえ封印するのがやっとだというのに。

何か秘策があるのかもしれない。

「サラ! 俺は5人やる!! 残りはそっちに任せる!」

分かったんだよ!! と言うサラの返事を聞き、こちらに向かってくる白装束5人と対峙する。

「貴様が何者かは知らぬがたった一人で我等を倒せるとは思うなよ」

リーダー格の男がそう言うと、5人は真っ白なナイフを取り出し、前後左右から一斉に一馬を攻撃してきた。


ちょいと急展開すぎたかなぁ…

誤字・脱字、感想お待ちしておりますm(._.)m

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