第28話 アホの子「サラ」
アホの子、ドジっ子は作者の大好物です
第28話、どうぞ
※一馬の今のステータスについては今度記載したいと思います。
一馬は抱きついている少女を見下ろす。
一馬の体には大きなお胸様がぶつかっているが、興奮などしない。何故なら少女がグヒヒと言いながらヨダレを垂らしているからだ。
「…………おい、離れろよ」
少女を引きはがそうとするが、なかなか剥がれない。一体どこにそんな力があるのかしがみついて離れない。
仕方なく全力デコピンをかます。
「はうぁ!?」
ガスッと少女の額に一馬の全力デコピンが炸裂。少女は大きく仰け反り地面に倒れた。
「な、なにするの!ご主人酷いんだよ!」
プンプンと頭のアホ毛を振りながら怒る少女。だが顔にはヨダレがまだ付いているので逆にマヌケに見える。
「いやあのさ、いきなり抱きつかれたら誰だって驚くだろ」
一馬のコートは少女のヨダレでベトベトだ。
「えへへぇ…、ごめんね。なんか久しぶりだったから」
「久しぶり?俺とお前は初対面だろ」
なに言ってんだこいつ、みたいな顔をする一馬。
少女は一瞬暗い表情になる。
「そう、そうだね…ご主人と私は初対面だったね」
なんか気になるな…と思った一馬は1つ尋ねる。
「おい、久しぶりってどういうことだ?」
少女はピクッと反応すると、一馬が手にしている刀を見ながら
「それ、ムラサメだよね」
何故これを?と疑問に思う。
「カイトが使ってたから…」
カイトとは誰のことだろうか…その事について質問しようとするが、その前に少女が喋り出す。
「まあいいや。それを持ってるってことはご主人って龍神?」
そう言われた瞬間、バッと距離をとり少女を警戒する一馬
「あはは、別にそんなに警戒しなくたっていいんだよ。ご主人は私の夫なんだからね♡」
はぁ?と言い返すよりも先に少女が再びルパ◯ダイブをしてきた。
「というわけでごしゅじ〜〜ん!あ・い・し・て・る♡」
だが一馬はそれを避ける。
「ふにゃ!」
2度目の地面とのキスを堪能する少女。
「ぐぬぬ、なんで避けるかなぁ…」
少女はまだ諦めてないらしい。
倒れた状態から、ゴキブリよろしくカサカサカサと四つん這いで接近してくる。
ゾワッと一馬の背筋が凍る。
「お前キモいって!」
その場をジャンプし避ける。だが少女は一馬の真下に来るとスポーンとジャンプし一馬に抱きついた。
「クンカクンカスーハースーハー。んぁぁ、ご主人いい匂い♡」
一馬の体に顔をうずめスーハースーハーと息をする少女。それに対し、一馬の顔はみるみる青くなる。
それから1分後、少女は一馬の身体から離れ、アホ毛をピコピコさせながら恍惚の笑みを浮かべていた。
一馬のコートは更にヨダレでグチョグチョになっていた。
今の一馬の表情はまるで悟りを開いたかのような表情で目が若干虚ろだ。
しばらく経つと、少女は普通の表情に戻り、一馬に向き直った。
「そういえば自己紹介をしてなかったんだよ」
少女がそういった途端、一馬の虚ろな瞳に光が戻る。
「……………ハッ、俺は今までなにを…」
どうやら正気に戻ったらしい。
少女はゲフンゲフンと咳払いをして、自己紹介を始める。
「私はサラ。魔神なんだよ」
一馬の思考が止まる。
(こいつが……魔神?こんな残念少女が?)
ちょっと信じられない、と一馬。
「むむー、その顔は信じてないでしょ!いいよ、証拠を見せるんだよ!」
少女、もといサラはそう言うと立ち上がり、ステータス!と叫ぶ。
わざわざ叫ばなくてもいいだろう…
サラの目の前にステータスが表示される。
一馬に見せようとしゃがもうとしたサラだが、何故か自分の足に引っかかってズッコケる。
「フゲッ!」
本日3度目の地面との濃厚なキス。
一馬はそれを無視してサラのステータスをみる。
そこには
名前 サラ
性別 女
年齢 ???
種族 魔神
Lv.???
体力 : 300000/300000
魔力 : 測定不能
筋力 : 270000
防御 : 245000
俊敏 : 320000
運 : 測定不能
属性 : 火 水 風 土 闇
特殊魔法 : 創造魔法
スキル : 擬似スキル(高速演算) 鑑定
偽証
称号 : 魔人族の神 ドジっ子 アホの子
魔力バカ 龍神の恋人
(マジで魔神だった……)
未だに地面にへばりついているサラを見下ろし頭を抱える。一馬の魔神に対するイメージが、ガラガラと音を立てて崩れる。
だが一馬はそれ以上に気になる項目を見つけた。
(龍神の………恋人!?)
一馬の目元がキラリと光ったのは気の所為ではないだろう。
哀れ、一馬。
ポニーテールも好きですが、FF13のライトニングやセラみたいな髪型も好きです。
登場人物の感情描写があまりに少ないので近いうちに修正すると思います。
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