第24話 ダンジョン捜索
第24話どうぞ
一馬はギルドマスターの部屋を出たあと、ダンジョンの捜索の為、そのまま龍神の森に向かった。
龍神の森についた一馬はなかの様子を見る。
時刻は昼。
龍神の中は光が届いていないのかとても暗く、どんよりとした空気が漂っている。
「さて、来たはいいがどこにあるんだ?ダンジョン」
天然、ここに極まれり。
「まあいっか。どうにかなるだろ」
一馬はそう言うと森の中に入っていった。
少し奥に進むと一馬の鼻が鉄のような匂いを感知した。
「これは……血の匂い?」
匂いのする方向にむかう。
「ここか…」
そこにはピラミッドのようなものがあり、その手前に数体の魔物の死骸、4人の冒険者の遺体があった。
冒険者の遺体には下半身を無くした遺体もあり、凄惨さを物語っている。おそらく魔物に喰われたのだろう。
一馬は顔を顰めながらもそれを無視し、奥のピラミッドの前に立つ。
「暗いな…」
これがダンジョンなのだろう。ダンジョンの中は森よりも暗く中の様子は全くわからない。
(光魔法で照らせばいいか…)
一馬はそう考え、ダンジョンに潜った。
「意外と明るいな」
入り口は暗かったが少し進むと、明るくなってきた。
ダンジョン内は湿気が多く、水滴の滴る音が鳴り響く。
広さは8メートルほど、幅は5、6メートル程で見た目に比べて広い。
壁にはクリスタルのような物が嵌まっており、発光している。
一馬はいつ魔物に襲われても良いように警戒態勢を整え奥に進んだ。
「おかしいな……魔物がいない……」
あれから更に奥に進み、奥にあった階段を降りたが一向に魔物の気配がない。
いくら魔物の大群が出たあとだとしても、全くいないというのはおかしい。
「これは絶対何かあるな…」
もしかすると魔物の大群が出てきた理由もそこにあるのかもしれない。
周囲に気を張り巡らせる。
その時、
「グオギャアアアアア…………」
何処からか咆哮のような物が聞こえ、ダンジョンが揺れる。
「くっ…!」
かなり激しく揺れ、パラパラと天井から小石が落ちる。
暫くすると揺れは収まり、何事もなかったかのように静かになる。
「……一体何だったんだ?」
普通じゃない……
慎重に進み、見落としがないか周囲に目を配る。
だが不意に一馬の立っている地面が消失する。
「なっ……!?」
落とし穴だ…と気づいた時はすでに遅く一馬の体は真っ逆さまに落ちていった。
「くっそ…!」
壁に手を伸ばすが何か見えない壁に弾かれる。
そのことに更に驚愕する一馬。
そのまま一馬は奈落へと落ちていった。
「うっ!」
一馬は僅かに痛む体を起こし周りを見渡す。
そこは先ほどいた場所とあまり変わらないところだった。
だが1つだけ違うところがある。
それは、一馬の目の前にある重厚な扉。
その扉は全体が真っ黒で塗られており、扉の向こうからは重々しい空気が伝わってくる。
「まさか………。これは一度戻ったほうがいいかもな」
一馬は何か感じたらしくすぐさま戻ろうとするが…
「おい……なんだこれ」
門と反対側に向かった一馬だがそこは行き止まり。
なら…と落ちてきた穴を見上げる。だがすでに穴は塞がっていた。
ということは、門をくぐる、という選択肢しかなくなるわけで…
「……仕方ない」
一馬は意を決し、扉を開ける。
ズゴゴゴゴ…と音を立て扉が開く。
そこは聖堂のような場所で、とてと明るい。
だが一馬はそれを無視し、奥にいる「何か」
を睨みつける。
ソレは4本の首を持ち、ドラゴンのような出で立ちでこちらを見ていた。
前世で例えると「ヒュドラ」だ。
そのヒュドラの後ろには扉がある。恐らくあの扉を抜ければ地上に戻れるのだろう。
「成る程…倒してから行けって事か」
一馬はヒュドラと対峙する。
「グオギャアアアアア!!!!」
先程の咆哮はコイツだったのだろう。
ヒュドラは地面が揺れる程の咆哮をあげ、その4本の首を動かし一馬にブレスを撃った。
誤字・脱字、ご感想お待ちしております!




