第14話 勇者と魔神
今回は少しストーリーに触れて、軽い説明回みたいなものです。
第14話どうぞ
オカマから逃げてきた一馬は、門番に仮身分証とギルドカードを渡し、銀貨2枚を返してもらった。
ついでにオススメの宿屋を教えてもらう。
宿屋の名前は【スレイプニルの宿】
ギルドの近くにあるらしいので、一馬は宿屋に行くついでに調べ物をする事にした。
街道を歩いていると調べ物をするのにもってこいの店を見つける。
その店は一見とても古びた木造建築で、今にも崩れそうな形をしている。
中に入ると大量の棚が並んでおり、その棚にはぎっしりと本がつまっている。
入り口のカウンターにいた店員にお目当ての書物がどこにあるか聞く。
「なあ、勇者の事についてかかれてる本はあるか?」
すると店員は店の奥を指差し
「勇者についての本でしたら一番奥の左の棚に置いてありますよ」
ありがとう、と言って勇者の本が置いてある棚の所に行き、手に取って早速読む。
はるか200年前人間族と魔族が戦争をしていた頃、魔族によって追い込まれていた人間族は窮地を脱するため、人間族の神であり崇めている人神から力を借り、異世界から勇者を召喚した。
勇者召喚は見事成功し、5人の勇者が召喚された。
5人の勇者は戦闘経験が全くの皆無であったが、みるみるうちに力をつけていった。
だが、ある時大量の魔族の軍団が人間国に攻めてきて、人間族に甚大な被害をもたらした。
その事に焦りを覚えた人間国の国王は、勇者に魔族の神である魔神の討伐を命じ、人間族の軍隊と共に魔族の国に向かわせた。
だが、魔族は龍人族・龍神と手を組んでおり、勇者達と人間族の軍隊は壊滅状態に陥る。
やられるのも時間の問題だと考えた勇者達は、魔族・龍神・龍人族の相手を勇者1人と軍隊に任せ、残りの4人は魔神の討伐に向かう。
激闘の末、勇者達は魔神を封印した。
すると龍人族と龍神は戦闘をやめ、自分たちの国にかえっていった。
討伐は出来なかったが魔神を封印する事ができた勇者達は国王に深く感謝され、英雄として讃えられた。
(龍神が邪神だとされているのはこれがあったからなのか…成る程)
今までなぜ龍神が邪神扱いされているのかわからなかった一馬だが、これで納得した。
だがふとまた疑問が浮かぶ。
(そういえば…神はこの世界には介入出来ない、と転生する時にルーフィスが言っていたがこれはどういう事だ?)
その事について何かないか…と本のページをめくる。
(あった…)
この世界には、人間族なら人神、魔族なら魔神、龍人族なら龍神というようにそれぞれの種族には神が存在する。
だが、本物の神は唯一神ルーフィスのみであり、種族ごとの神は半神半人のような存在である。
【唯一神ルーフィス】の名前を見た時噴き出しそうになるが堪える。
勇者と神についてはわかった。
だが一馬はこの本を読んで、ん?と不思議に思った。
(なんで魔族は龍人族と手を組んだんだ?)
そう、なぜ魔族が龍人族と手を組んだのか…。
魔族は人間族と比べて数は少し劣るが、身体能力と魔力は遥かに高い。
よって、わざわざ龍人族と手を組む必要はないのだが……
それについて書かれているページが見当たらない。
他の本はどうかと他の本棚も確認するが、何一つそれらしいものはなく、更には他種族についての本も見当たらない。
(なんだ…?何故他の種族の本が置いてないんだ?)
いくら探しても見当たらない。
仕方なく一馬は探すのを諦め本屋を出る。
(なんかキナ臭いな…)
不安を拭いきれないまま一馬は宿屋に向かった。
勇者というのは人神から力を与えられており、人神に近い存在です。
明日はおそらく2話更新できると思います。
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