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吾が輩は猫である。名前は斑。
もうすぐ、夏も終わるのだろうか
アスファルトでできた道を歩いていてふと、そう思った。
斑は夏が嫌いだった。太陽の光で熱せられたアスファルトの地面が、容赦なく斑の肉球を焼くからだ。
“まだら“
いつからそう呼ばれ始めたのかも、誰からそう呼ばれ始めたのかも、覚えてはいない。
白いキャンバスに黒い絵の具をぶちまけたかのように斑に染まった毛の模様。それが名前の由来になるくらいには、十分インパクトがあった。
気がつけば猫も犬も人間も、この鋭い目つきをしたふてぶてしい猫を斑と呼んでいた。安易な名前をつけられたことに多少の憤りはあったものの、野良猫である彼に他に名乗る名はなく、今ではその名前を愛着を持って受け入れていた。
あって困る物じゃねぇしな、と誰に言うでもなく呟いて大きく欠伸をした。
「ニャアアアァァア」




