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斑な猫と少年の終わらない夏(仮)  作者: 藤岡あお
第二章 1人と1匹、迷う。
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暑さは人の頭をおしゃかにするようだ。

空を見上げれば魚のような形をした雲がぷかぷかと泳いでいる。


川で魚でも捕ってきたらよかったかなと思いながら食事を進めていると、ガガガッと木と木が擦れ合い歪な音をたてながら社の扉が開かれた。


中からは昨日出会った少年が出てきた。



(まだ帰ってなかったのか、このガキ)


斑は呆れながらも、少年を無視して食事を続けた。



「・・なんだ、斑お前まだいたの?」


「・・・・」

(こっちの台詞だ)


「しかも何か食べてるし。何?カロリーメイト?猫のくせに生意気」


フフッと小馬鹿にしたように少年は上品に笑う。

行動と言動がイマイチ噛み合っていない奴だと斑は思った。




「しかもチーズ味じゃん。チーズが好きなのはネズミでしょ」


変なネコーとせせら笑いながら、斑にちょっかいをだしてくる。うっとおしいと言う感情を隠すことなく斑は少年を睨みつけるがどこ吹く風である。

ついに斑の堪忍袋の緒が切れた。



「うるせぇんだよクソガキがっ!!あのタンパク質どもはテメェら人間が思ってるよりチーズは好きじゃねぇ!よく覚えとけ!!あと見りゃ分かるがオレは今食事中だ!黙ってろ!!」

怒鳴りつけ、背中の毛を逆立てる。斑は食事の邪魔をされるのが何よりも嫌いだった。


尻尾は箒のように膨らんでいる。元から鋭い目つきをした斑が、更に目尻を吊り上げて威嚇する様は泣く子も黙るほどに迫力があった。


喉笛を噛みちぎってやろうかと背中を丸め戦闘体勢に入ると、少年の様子がおかしいことに気づいた。


大きな目が見開かれ、斑を食い入るように見つめている。笑みが消え失せた顔は驚愕に固まり、形の良い唇が餌を求める魚のように開閉を繰り返すと喉の奥から絞り出したような、かすれた声が聞こえた。



「・・・ねこ、が・・・しゃべった・・・」




斑はかわいそうなものを見る目で少年を見た。





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