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我が輩はにやりと笑って見せた。
言葉にしてしまえば陳腐だが、好きなものは好きなのだ。
だからこそ、この場所を土足で踏みにじるような行いをされるかと思うと焦っていた気持ちがすっと引き、代わりに燃えるような怒りが沸いてきた。
(オレだけが知っていて、オレだけが訪れることのできる場所であればいい)
いくら背丈の高い草木に覆われて見つかりにくい場所にあるからといって、神社の前にはあの木があり、その周りの地面には草一本生えていない。となれば隠れられる場所も限られてくる。
人間の、それも大人がそう何人も隠れられるような場所はない。
もしいても1人か2人。
不気味に光る2つの瞳を大きく開き口元が三日月型の弧を描ぐ。
鋭く尖った白い歯が鈍く光った。
(‥‥‥殺れる!!)
その時の斑の顔は獰猛な肉食獣、そのものだったという。
間違っても家で飼ってはいけない種類のネコ科。
愛玩動物の代表格、猫としてあるまじき姿。
愛らしさの欠片もない。
「二ャァ~~~~」
さあ、どこだ‥‥?




