第十五片
街の女は皆こぞって、
「ナオミは、数限りない息子にもまさる、素晴らしい嫁を得た」と、
あのひとを羨んでいます。
嫁どころか、実の娘でさえ、これほどまでに尽くすことはない、と。
ボアズ様は、はしための外国人であるわたしを、イスラエルの民と同じに扱ってくださいます。
初めて衣のすそで覆ってくださった夜、わたしが人前で衣を脱いだことがある身といえど、粗雑にはなさいませんでした。
本当にお優しい方です。
それでも、ボアズ様がわたしに優しくしてくださるたびに、あのひとの優しさを思い出してしまう。
先日、神は夫を通してわたしに子を授けられました。
男の子か、女の子か。
夫の目元はあのひとにすこし似ています。
生まれてくる子も、そうあってほしいと願っています。
近所の女たちは皆、「ナオミに子が生まれる」と言って喜び、あれやこれやと名を考えています。
男の子なら、オベデか、エッサイか、ダビデか。女の子なら━━という具合に。
わたしに子の名を聞く者はありません。
それでも、あのひとが愛おしそうにわたしの膨らんだ腹を撫でてくれるから、なんにも構いません。
ああ、あのひとに子が生まれる。
わたしがあのひとのために産んであげる、わたしとあのひとの愛しい子。
この子が産まれたら、オルパ、あなたにも見せてあげたい。
きっと、あのひとに似て、黒々とした優しい目で、愛らしくにっこりと笑って、やさしく賢いことでしょう。
今はもう、あのひとが子を抱く様をそばで見ていることさえできれば、それだけで満足です。
けれど、時折、このように乞い願いたいとも思ってしまうのです。
どうか、わたしを名前で呼んでほしい。
娘ではなく、ルツと。




