第一片
【序】
旧約聖書のある女の話。
石打つならば打て。
イスカリオテのユダが書かれたのなら、モアブのあの女も書かれてよいではないか。
『ベツレヘムより』
親愛なるオルパへ
長らく便りを差し上げなかったこと、どうかお許しください。
わたしたちがあの町の外れで別れてから、もうすぐ一年が経とうとしているのですね。
時の流れの速さには驚かされるばかりです。
こちらは、周りの物事が落ち着き、ようやく腰を据えて筆を執ることができました。
そちらはいかがお過ごしでしょうか。
病を得ず、飢えもせず、健やかに過ごせていますか。
神があなたやご両親、兄弟方へ健康を授けられますように。
また、新たな夫を迎えましたか。
もしまだ迎えていないのであれば、神があなたのもとへ善き夫を授けられますように。
すでに迎えたのであれば、善き子を授けられますように。
どうぞ、お返事をください。あなたの様子を聞きたいと思います。
さて、わたしたちが町外れで別れてから今に至るまで、わたしがどのように過ごしていたか、お伝えしようと思います。
オルパ、あなたとは相嫁として長く姉妹のように暮らし、辛い時も苦しい時も、共に乗り越えてきました。
あなたは、わたしの一番の友だちです。
ですから、父母兄弟には言えないようなことでも、あなたにだけは、心のうちのすべてを打ち明けようと思います。
誠実なあなたなら、他所に言いふらしたりはしないで、胸の裡にしまっていてくれることでしょう。




