【第2話】 オス界の頂点が落ちた日
シュバッ
シュパパパッ
シャッ シャッ
おれ:
「なんやあの無双っぷりは……
同期やろ?!」
──フュィンッ……
フェニたん:
「そう、あんたの同期のメスよ。
カマキリ界では圧倒的にメスが強いの。
知ってると思うけど、状況次第では
あんたもメスの餌になっちゃうこともあるから、
下手に近付かないことね!」
──フォンッ……
おれ:
「こわッ! もう構わんとこ……鎌だけに。
仲間に食われるのはもうこりごりや。
しかも頭からいかれるとか聞くし。」
せっかく【おれ最強】状態になったと思ったのになぁ……。
それにしても仲間も共食い、敵にやられて、
8割以下に減っちゃったなぁ……あんだけいたのに。
ガサッ…
???:
「今日もワシが主役やぁぁぁぁ!!
ヒャッハー! 飯よこせぇー!
弱ぇカスどもワシに年貢を納めるんじゃぁー!
オラオラァ! アブラムシでも水虫でも食い散らかしたるでぇ!
オラッ! 横取り40万や!!」
シュバッ シュバパパパッ
シャッ シャッ
ジュルジュルッ
???:
「邪魔する奴は、鎌先ひとつでダウンじゃぁ!」
おれ:
「何かやばそうなヤツきたで……」
──フュィンッ……
フェニたん:
「あれは、鎌嶋よ。
あんな乱暴な動きをしてるけど、オス界ではトップの実力者だわ。
頭さえよければ完璧なのにね。
あっ……やばいかも。」
鎌嶋:
「……うぇっぷ。
お、なんやアイツ。
ワシの獲物を横取りしようとしてるやんけ!
オラ! このアマァ(雌)、なにさらしとんじゃボケェーッ!」
???(雌):
「……。」
シュバッ
シュパパパッ
シャッ シャッ
ガブッ♡
鎌嶋:
「⋯え?
ワシはもう⋯死んでいる(頭を噛まれて死亡)」
プラーンッ
おれ:
「オス界No.1が……しゅ、瞬殺!?
ヤツはこの前見た只者ではないメス……やんな。
やっぱ構わんとこ……」
フェニたん:
「鎌だけに⋯でしょ? フフッ♡」
──フォンッ……
おれ:
(……でも、何故かちょっと気になる……な。)
──ぼふぁっ
影・龍刃:
「変なやつが現れたから、出るタイミング失ったわ。
⋯ゴホンッ
ようやくお主も最終形態まであと一歩のところまできたな。
お前の技名、拙者の耳にもしかと届いていたぞ。
……よく、やったな(ニカッ)」
おれ:
「……。
あんたファルコン大佐やろ!」
影・龍刃:
「……。
お主に最後の技を授ける。
その名も──」
【絶ノ術──螳影捕縛・絡羽断】
おれ:
「なげーよ!」
影・龍刃:
「フッ。
叫びながら技を使うと、間違いなくタイミング狂うから気をつけるべし。
これは大型のガなど、羽のある獲物を仕留める技。
いつも通り着地を狙い、鎌で拘束後に羽をもぎちぎる。
これで相手は逃げるすべを失い、必ず絶命する。
冷酷に見えるが、これも定め。
うむ、最後の任は果たした。
お主はもう立派なハンターだ。
獲物を圧倒するその姿より⋯
これからは、カマボコと名乗ってよいぞ。
後は風に聞け……」
……ドロォンッ。
──ぼふぁっ
「あっ、いい嫁さん見つけるんだぞ。ではッ──」
……ドロォンッ。
おれ:
「カマ⋯ボコ。
虫達のネーミングセンスどうなってねん!」
(大型のガ……
おれよりもデカいやつか……。
狩りがいがありそうやな。)
「これができればおれも一人前。
強い男になって、いい嫁さんもらうんや!
ただ狩るだけやない。
──頭を使うんや。」
(後は風に聞け……か。
そうかッ!)
「風よ──ッ!
答えてくれッ!!」
──シーン。
「うん、自分で考えよ。」
「やつの羽ばたくチカラは恐ろしい。
さすがに今のおれでも正面からは抑えられん。
ならばッ──。」
──街頭付近にて待機中──
(ライトにぶち当たりながら飛び回るガは、
体力消耗 × 目が眩んで能力低下中や……)
バタバタッ ガンッ バタッ⋯バタッ⋯
(おれは影……あるようで、ないようで……
誰も気にしてへん……ベルマーク的存在……)
ふらふらふら〜
ピタッ
蛾:
(うぅ~ん疲れた…光が目にしみッ……)
おれ:
(螳影捕縛ッ!!)
ガシッ
「絡羽断ッッ──!!」
バリバリバリッ……ブチィッ……!
(…決まった。)
チューチューチューッ
おれ:
「苦ッ……!!
しかも粉っぽッ!
これは⋯漢方的な……
“良薬は口に苦し”って感じか……。
うぅ〜ん……
でも、チカラが……みなぎる!
この栄養があれば──ッ
⋯はうあっ!?
こ、これは……来る……ッ!
キタキタキタキタ⋯!!
イニシエのチカラを感じる⋯……ッ!」
━━続く━━




