小さな僕の大きな冒険談!・・『24秋企画 冒険に出よう!!』参加作品
武 頼庵さま主催『この秋、冒険に出よう』企画参加作品です。
(いつもと同じくAI生成イラスト多用です!、ご留意下さい!m(__)m)
冒険とは何か?・・踏み出す勇気と身を任せる疾走感・・そして、両足に伝わる達成感と刹那の寂しさ・・幼き日の追憶の貴方は、それを冒険と感じただろうか?
真の冒険とは何か・・冒険と感じるもの・・それはそれぞれ違うものですよね。
・・・【冒険】・・・
【冒険】とは、危険を冒して、成否の確実でないことを行う・・を意味する。
また、それは日常とかけ離れた状況の中で、何かの目的のために、敢て危険に満ちた環境の中へ身を置くことでもある。
老若男女、多種多様な生き物が暮らす、この世界・・この世に生きる者で【冒険をしたことが無い】、と言う者はいるだろうか?
他者からすれば、それは大した体験では無いと言う内容もあるだろうが、本人から見れば十二分に【それは冒険である】、と述べるに相応しい稀有な出来事もあるかも知れない。
古今東西、玉石混交の冒険談・・その中での【真の冒険】とは何か?
・・・真の冒険とは、【残るもの】である。
誇張されたインパクトが強いだけの話は、夜空に浮かぶ花火のように一瞬で消え去るモノである。
しかし、真の冒険の全てが、いつも美しいとは限らない・・・
時には傷付き、心が折れることさえ冒険なのである。
でも、それでいいのだ。
冒険は自分を変えるもの。
冒険は自分の記憶に、自分の意識に、自分のハートに、そして自分の身体に痕跡を残すもの。
それが、【真の冒険】なのだ。
願わくば、今回の【僕の冒険】が何か良いものを残してくれるように祈る・・
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ある日の朝・・・週末の大通りを 『僕』は、おっかなびっくりと歩いている。
眺めるだけだった世界を、自分の足で初めて見て回っているからだ。
見るモノ全てが真新しく、好奇心の赴くままに、【テイテイ】っと触ってしまう。
「やめてぇっ!?」って言われても、止められないものは止められないのだ。
街の中は、すっかり緑から黄色や赤の装いに変わっていた。
『それにしてもアイツたら、あんなに怒らなくてもいいのに!?』
赤い葉っぱを見ていたら、顔を真っ赤にして怒られたことを思い出した。
『ジャマされたくなかったら、どっか遠くに置けばいいのに、目の前に置くからイケナイんだからね!、もうドーデモいいもんね!、ぷんぷん!』
僕は全く悪くない!・・そんなことを考えながらも誰にも邪魔されることなく、紅葉の帳を潜り、目的の場所に辿り着いた。
窓から見下ろす風景にあった、僕の好奇心が強烈に刺激されるモノ・・・
『確かこの辺りに・・あった!あった!、これだ!これだ!』
秋麗・・晴れ渡って陽気が良い、のどかな秋の光を浴びて、ソレは金属質な黄色の皮膚を曝け出していた。
『まるで白い光のスープの上に浮かぶ、淡い卵の艶色みたい!・・ふふっ、面白いヤツ!』
昨日まで、ソレには不格好な布が被せられ、全容を伺うことは出来なかったが、今、そのベールは剥がされ、その計算された調和のデザインを現していた。
・・・それを見た瞬間、【冒険】が始まると思った。
《自分の生をモノでなく、冒険で満たせ!、見せるのでは無く、語る冒険を持て!》
『僕』の内なる声は、確かにそう叫んだのだ!
《いつかきっと、ここに来てやるって決めてたんだ!、そして・・・》
ソレの何より天にも届かんとする高い頂!、それが『僕』を見下ろしていたのだ!
ぞくりっ・・・全身が震え立つ!、全身の毛が逆立つ!
僕は、これから自分が始める【冒険】に高鳴る胸の鼓動を抑え切れずにいた!
じっくりとその全貌を目に焼き付けた僕は、意を決して慎重に一歩を登り始める。
足に伝わる、ヒヤッとした固い感触・・・冬だと冷たく、夏だと熱くなるだろう金属の階段。
『この一歩は(僕の身体が小さいから)小さな一歩だが、僕には大きな一歩なんだ!』
一気に駆け上がりたい気持ちを抑え、一歩ずつ慎重に登っていく・・
この体験を自分の中に刻み込み、ずっと忘れないようにする為に!
・・既に自分の身長よりも随分と高い所まで登ってきた・・
登って来た足場を振り返ると、ぴっかり光る金属にクッキリとついた♡マークがおしゃれポイント!
初めての慣れていない感覚だけど、僕の存在を示す、栄光への架け橋!!
全身の力をその一歩に込め、着実に僕は頂へと近づいて行く!!!
高所に登ることへの恐怖心など微塵も感じない!・・そんな僕の目に飛び込んで来たのは、赤い炎であった!?
それは葉の先端が赤く色付く、それぞれに燃え立つばかりのグラデーション!
『わあっ、まるで別世界みたいだ!・・イイな・・スゴい・・すごいぞぉぉー!!!』
その頂から見える、ぱっと明るむように色鮮やかな紅葉が映し出される!
まるで自分がこの世界の王様にでもなったような・・そんな高揚感と満足感が僕の胸を満たしていく!
そして大胆不敵にも寝っ転がれば、徐々に感じる陽だまりの温かさ♪
『程よい温かさ、見晴らしの良さ、ここが僕の新しいフェイバリットプレイス!!!』
頂に立つ僕は思わず、感極まって辺りに響かんばかりの大声を張り上げてしまっていた!
「クロ~!?、どこにいるの~!?・・あっ、猫の鳴き声がした!?、そこにいるの~!?』
がさがさ・・ざり・・ざり・・がさがさ・・
『今の声は、まさかっ!?・・僕を追いかけてきたにゃ!?、どうしようかにゃ!?』
何ということだ!?、運悪くか運良くか、アイツに僕がここにいることがバレてしまう!?
「確か、この辺りから聞こえたような・・あっ!、見つけた!、クロ~!、探したよ~!?」
くっ・・いつもと違って、こんな時だけは目ざといアイツがココに来てしまうにゃ!?
そう僕が思い、この後どうするか考えている間にも走って、僕のお気に入りの場所をジャマしに近付いてくる!
『よ~し、せっかく登ったんだ!、ニンゲンみたいに僕も滑り降りてやるにゃん!』
とんっ!・・しゃぁーーーーーーー
僕はアイツから逃げるために、ニンゲンが【滑り台】と呼んでいるモノから見事に滑り始めたんだ!
『ひゃっほぉぉーーい!!!、楽しいにゃ~~~~!!!』
初めての体験で、少しばかりの怖さを感じたけど、そんなモノは直ぐに消し飛んでしまった!
しゃぁぁぁぁぁぁーーーー!!!
《僕はどんなモノも恐れない!、僕はトクベツなんだ!、勇気がある猫なんだ!、アイツの言うコトなんて聞くもんかっ!、このまま自由気ままに生きてやるにゃん!》
滑らかな金属の板を僕の背が下りていく!
徐々に速くなっていく身を任せるという開放感!!
周りの風景が、周囲の赤が高速で後ろに流れていく!!!
びゅうぅぅぅ!!!・・・バサバサっ!!!・・・ぺたりっ
『ひゃっはーーっ!・・うわぁっ!?、な、なんだ!?、目が見えない!?・・なんだ・・葉っぱかにゃ・・あっ!?、う、うわぁぁぁっ!?』
ぼおぉよよぉぉぉ~ん!!!
快調に滑り台を風の様に滑り降りていた僕に何という神のイタズラ!?
突然に吹いた強風が赤い葉をさらって、僕の目を塞いだのだっ!?
それだけでならば、少し慌てるだけで済んだはずだったのだが・・【矢印】の指す部分が実は、【ぼよん?】と膨らんでいたのだ!
目が見えている状態ならバランスを崩すことは無かっただろうが・・・
「えっ、あっ、く、くろーーーーぉぉーーー!?」
目隠しと突然の【ぼよん】の同時攻撃で、僕のカラダは頭を下にして、制御不能な体勢と速度を生み出してしまったのだ!
すっぽーーーーーーーっん!!!!
そして気付いた時には、僕の身体は『滑り台』から宙に飛び立っていたのだにゃーーんっ!?
びゅーーーーっーーー!!!
軽い・・身体が軽い・・きっと、今の僕は空を飛ぶ鳥と同じ感覚を味わっているに違いない・・
《見よ!、肉球よ!、空は青かった!》
こんな冒険をした猫なんて、そう少ないに違いない!
しかし、翼の無い僕は鳥とは違う・・
いくら、空中で手足を必死にバタバタしても堕ちることを止めることは出来ないにゃぁんっ!?
「クロっ!?・・わたしがっ!!!」
しかし、僕の進む方向には幸運にもアイツがいたんだ!
《まだアイツへの不満は残っているけど・・きっとキャッチしてくれる・・》
そんなコトを考える余裕さえ、その時の僕には残されていた。
《キャッチしてくれたら・・今度はアイツなんて呼ばずに・・》
『使用人~♪・・って呼んでもイイにゃんよぉぉ~♪』
僕は空気の抵抗で、びろんびろんっと口がヘンな風になりながらも・・・
びゅうぅぅぅ!!!・・・バサバサっ!・・・
「えっ?・・あっ、これは・・・!?」
「いやぁぁっ!?、たかい!、高い!、とどかなーーいぃー!」
またしても吹いた強風が、何故か僕を高みへと飛び上がらせるのであったにゃぁんっ!?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
・・同じ公園内・・時を少し遡り・・滑り台の近くにあるブランコに・・
「ふぅ・・またフラれてしまいましたわ・・ワタクシ・・ぐすん・・」
きこ・・きこ・・きこ・・きこ・・
ひとりの若い娘が、たそがれながらブランコを漕いでいた。
木々を染める紅葉の美しさに勝るとも劣らぬ整った容姿の少女であったが・・
ぎし・・ぎし・・ぎし・・ぎし・・
「もぉーー!、ワタクシの一体なにが悪いと言うのでしょうかぁっ!?」
ぐわん!・・ぐわん!・・ぐわん!・・ぐわん!
何か心に治まらぬ不満をぶつける様に、ブランコを力いっぱい漕ぎ始めたではないかっ!?
その細い身体の、何処にそんなパワーがあるねんっ!?
見るモノがいれば、そう驚嘆しざるを得ない、そのブランコの安全強度ギリギリの振り子運動が行われていたのだ!
「どいつもこいつも、か弱いワタクシよりも貧弱だなんて世の中間違っていますわぁー!!」
もし、このブランコが鉄棒で言うトコロの大車輪を可能とする構造であったならば、間違いなく振り子運動から永遠の円運動に切り替わっていたであろう!
そして、数奇な運命のイタズラが、黒い飛翔体の着地点をソコに定めていたのだった!(=^@ ェ @^=)ฅ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
私は、家出しちゃった黒猫のクロを探しに方々を彷徨っていたが・・ふと、移動用のケージに入れたクロが、この公園へ来た時によく鳴いていたことを思い出したんだ。
何か伝えようとしてる?、その時は深く考えなかったが・・自分の勘を信じて正解だった・・
「ちょっ、どこにいっちゃうのぉぉーー!?」
なんだけど、どーしてぇぇっ!?、私の手を擦り抜けて、ウチのクロが空を飛んで行く!?
滑り台から飛び出したクロ・・慌てて、その後を追いかけようとした時・・
ぼぉぉぉよよぉぉぉーーーん!!!
「跳ね飛ばされた!?、何という弾性力!?、何という運動エネルギー!?、ブランコと巨乳ちゃんの力のベクトルが合力となって、ウチの子を跳ね飛ばしたっ!?」
偶然にもクロが、ブランコを思いっきり漕いでる女の子(多分、私よりも乳がデカイ)の豊満なムネに当たって弾き飛ばされただったぁ!?
そんなバナナっ!?・・って言っている場合じゃない!
またしても、進行方向を変えて慌てて空を飛ぶクロを追いかける私よぉ!?
「あっ、アレはっ!?・・まだ、この世に存在していたの!?」
クロの着地点に設置されている遊具を見て、私は驚愕を覚える!
最早、撤去されて覚えているモノすら少ないであろう回転する遊具!
ぐるぐる人力で回す地獄のメリーゴーランド!?
その名も、【グローブジャングル】!!!!
・・なんで、そんな名前なのかは私は知らない!
【グローブ】→【グローバル?】→【世界?】→【地球?】→【地球儀】に似てる?
ぎゅりゅん・・ぎゅりゅん・・ぎゅりゅん・・
そんな連想ゲームをしている場合じゃない!、子供たちが現在進行形で、ぐるぐる回して遊んでいる!?、ヤバイスピードが出ている!?
中に子供がいるけれど、何人いるのか、どんな様子なのかも残像しか見えない!?
そして、その骨組みは金属!、回転する力と飛翔するクロへの力が合わされば、先ほどの【ぼぉぉぉよよぉぉぉーーーん!!!】では済まされない!!!
「ダメだっ!?、間に合わない!?・・いやぁぁー!、クロぉぉぉー!!!」
小さな黒猫の悲惨な最後の姿を夢想しちゃった私は、悲鳴を上げるしかない。
ひゅーーーっ・・すぽっ・・
「うぅー、Gがキクぜぇ・・・うわっ!?、ね、ネコが入ってきたぁ!?」
何の奇跡か冗談か、クロは骨組みに当たることなく【グローブジャングル】に吸い込まれた!?
「あぁっ!?・・良かった・・いや、良くない!、クロを出してあげないと!?」
最悪の事態が回避されたことで安堵してしまったが・・・
「ネコが飛び入り参加とはおもしれぇー!・・いつもよりも大目に回してやるぜぇー!、ひゃっはぁー!!!」
ぎゅりゅん!・・ぎゅりゅん!・・ぎゅりゅん!!!
『ぎぃにゃーーーん!!!』 クロの悲鳴が聞こえる!?
むしろ、ハプニングが大好きっ子(男の子)の競争心(?)に火をつけてしまったのか、ますます回転力=遠心力を強めていくっ!?
「ち、ちょっと、そこの子たち、それを止めてぇー!!!、やめてぇーー!!!」
私が叫んでも声が聞こえていないのか、無視しているのか、一向に止まる気配がない!?
中がどうなっているのか分からないけど、このスピードでクロが放り出されたら!?
「うぅっ・・ちょ・・やめて・・キモチわるぃ・・」
中の子たちも回し過ぎのせいでグッタリしちゃってる!?
このままじゃ、怪我人も出ちゃうかも!?
正直、こんなに速く回る遊具を止めた経験なんてない・・そんな冒険なんてしたことない・・
でも、私がやらなきゃっ!!!
「もぉーっ!、振り回されるのはイヤっ!、私だって実力行使しちゃうんだからねっ!」
私は恐ろしいスピードの【グローブジャングル】に手を伸ばす!
びしっ!!! 「いたっ!?・・なにクソー!!!」
だけど、伸ばした手はすんなりと遊具を掴ませてくれない!、手が弾かれて痛みが生まれる!
「こんなの、クロとシロに噛まれたり、引っ掻かれたりするより・・・」
びしっ!!、びしっ! また手が弾かれる・・けど、その分、回転が弱まる!
「ぜんぜん、大したことナイんだからぁーー!!!」
びっ・・・がしっ!!! そして、ついに私の手が遊具を掴んだ!
「うわぁっ!?、引っ張られるっ!?」
ぎゅりゅーん!・・ぎゅんりゅーん! 遠心力に私のカラダが持って行かれる!?
「こ、このぉーーとぉーーまれぇえーーー!!!」
ず・・ずざ・・・ だがしかし、私の足が必死に地面へのブレーキをかけて!
ずざざざぁぁぁーーー
遂に、古の【グローブジャングル】が動きを止め・・
しゅばぁぁーっ!!!
『うにゃぁぁぁーーーん!』
動きを止める前に、クロが私を目掛けて飛び出して来た!?
「えっ、あっ!?、くろ~~~!?・・」
普通なら目が回って動けないはずだけど、流石はネコ!?
私は咄嗟に手を出して、クロを受け止めようとした!・・んだよ!?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
・・空を飛び、弾き飛ばされて、今度はぐるぐると回る地獄を味わった僕・・
しかし、アイツ・・いや、【ご主人様】のお陰でどうやら助かったみたいだった!!!
一刻も早く、この地獄から抜け出したくて、回転のスピードが弱まった瞬間に僕は飛び出した!
『僕には帰れる場所があるんだ・・こんなに嬉しいことはないにゃん!』
方向はバッチリ!・・しかし、相手が予想外だったのか、回転の力が掛かっていたのか、黒い弾丸のようなスピードで僕は飛び出したのだ!
「えっ、あっ!?、くろ~~~!?・・」
びっったーーん!!! 「ぶっふぇっ!?」
そして、その広げた手の隙間を擦り抜けて、相手の顔面に僕のお腹がぶち当たることになってしまった!?
「うひゃああっ!?」 ずっしゃぁーーっ!!!
・・だけでなく、バランスを崩して地面に倒れ込んでしまった!
「ぶっふぇっ・・ぺっぺっ、砂が口に入っちゃった・・あっ、いったぁタタっ・・」
僕も今度はちゃんとキャッチしてくれるだろうと思って飛び込んだのが悪かったか・・痛そうに顔を押さえている・・
「あ、く、クロ大丈夫!?、アナタ怪我してない!?、なんともない!?」
・・でも、自分よりも僕のことを気に掛けてくれていることが伝わってくる・・
必死に僕のことを探して・・助けようとしてくれたんだね。
「もう心配したんだから!・・寿命が縮んだわよ!、もうっ!!!」
また顔を赤くして怒ってる?、声が大きくて・・僕はションボリして・・
『ごめんなさい・・勝手に家から出ちゃって・・』
耳とシッポを力無くダラリとさげて、小さく鳴くしかなかった。
・・冒険だ!、なんて思って家を出なければ良かったんだ・・
自分で生きていけるなんて思い上がりも大概なモノだったんだ・・
僕の言葉は分からないだろうけど・・僕はそう謝るしかなかった。
「ふうー、いいよ、私も怒ってごめんね?、クロ・・」
でも、そんな僕の言葉が分かったのか、ご主人様が笑ってくれたんだ!
「あははっ、ふたりとも汚れちゃったね~、とんだ大冒険だったね~♪」
僕は、この人の笑顔が好きなんだって、また思えた!
「おいで、一緒に帰ろ?、シロも待ってるよ・・お腹空いたんじゃない?」
僕とは違う、つるつるの手が僕に伸ばされる。
僕は一声鳴いて、ご主人様の手に抱きかかえられた。
一緒に生きていくことが何て素晴らしいんだろうって思えた!
今日の僕は、いろんな乗り物?を冒険したけど、やっぱりココが一番だと思った。
「うーん?、反省してるのかな~?、とっても大人しいね~?・・この調子で、私が大好きなラーメン食べるのもジャマしないでくれるとイイんだけどな~」
・・・前言撤回だ!、ご主人様の最高の笑顔は僕のモノ!、あの熱い食べ物なんか食べさせるモノか!
「一応、モノは試しでネコ用のラーメンも準備してあるんだ~・・一緒に仲良く食べれるとサイコーんだけどな~?」
・・・まあ、今回の冒険にメンじて特別に許してあげないこともないかにゃん?
僕は傷だらけになったご主人様の顔をザラザラした舌で舐めてあげた。
・・・どうやら、飛び上がるほど嬉しいかったらしい。
じゃあ、これからは僕がヒマになったら、寝てても直ぐに舐めてあげるにゃん!
(了)