君が君である限り
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
定期的に神様の性格書かなきゃ悶える質をしてるんですよ。
「君が君である限り、私達は協力を惜しまないよ」
その方は切れ長野目を光らせて、そう仰った。
「良かったじゃないか。そう仰られて」
「そう思うじゃろ? でもこれ、裏を返せば『君じゃなくなったら、見損なうよ』という意味でもあるからね」
二人で社を訪れた時の事である。隣を歩く友人はそう言った。山も谷もない会話のつもりなのだろう。だがこれ、結構重たい意味を含む。
神様の協力する基準というのは、座敷童子に近い。頑張る人には協力を惜しまない。あらゆる縁と、あらゆる試練を与え、その人の成長を促す。でもその人が諦めたら離れてしまう。冷ややかな視線を送り、『見損なった』と仰って消えてしまう。
そうした意味では少年漫画の読者に近いのかも知れない。『友情、努力、勝利』この三つが見たくて追い掛けていたのに、主人公が落ちぶれて、人の力に縋るだけの無精になったら、多くの読者は読むのを止めてしまうだろう。
「あの方々がお好きなもの。信仰は存在の糧として必須なものだけど、嗜好的には人の成長なんだよね。無垢な子が頑張るのを見るのがお好き」
それは何も、そのお言葉を告げた梅香の君だけじゃない。全ての方々が持つ共通のものだ。
「……まぁ……そうかもな……。普通の神様なら、そうだろうな。でもあの方はもともと人間だ。少なくとも人の情念は持ってるはずだ」
そうして私の目を自分の目で射抜く。睨むような視線は『解釈違い』だと告げている。
「お前が堕落したら、怒るだろうよ。誰より何よりも叱るだろうよ。でも元のお前に戻るまで見捨てないと思うよ。良き親に近いんだ。子供がどれだけ駄目でも、落ちぶれても、情があるからそうそうに見捨てられないんだ」
「……」
我儘をごねた事がある。今思い返しても、幼稚な行いだった。勿論、叱られた。『我儘なんじゃない?』と御籤に書かれていた。でもお詫びに行ったら、また優しくして下さった。それからもご縁は続いている。
「でも堕ちないのが一番だがな」
「まぁ、そうだよね。面白くない話を読み続ける義理なんてないんだから」
私が書く小説のレギュラーメンバーである梅香の君ですが、知らない方の為に今一度。
モデルとなった神様がいらっしゃいます。
諸事情考慮しての仮名が『梅香の君』です。
御本人、隠す気ゼロなので考察はしやすいと思います。
元々人間なので、人の道理が分かるお方。
考え方が人に近く、人の話に耳を方向けて下さる。
とう事です。
(我を通す方々が多いので、下々の話は聞かないのが生粋の神様です。嫌がろうと知ったこっちゃない)
でも過去の事例から、あんまり人の事好きじゃない。
懐に入れた人間以外、心底どうでも良いし、滅茶苦茶ドライ。
(私の実体験から、人当たりはいいですがドライ。『君に興味とかないんだよね』『耳に障るんだよね。話さないでくれる?』とサラッと仰いそうな。
好き嫌いが激しいのは神様らしい)
でも懐に入れるとベタ甘です。本当にベタ甘です。
(精神的ケアに過不足がない。そして身内の事になるとずっと気を揉んでます)
人を揶揄うのが好きか嫌いかで言われたら、めっちゃ好き。割とお茶目。
(お年玉100万円渡して、慌てる様を見て喜ぶ様な)
慣れてくると、時折毒を吐く様なところがあると良いですね。
欲を吐き出し終えたので、元の話に戻ります。
良き親って、子供がどれだけ駄目でも見捨てる事は出来ないじゃないですか。
勉強出来なくても、運動出来なくても、取り柄がなくても、『我が子』だから見捨てられないんです。
それって人の情だよなぁと思ってます。