都会のネズミ、田舎のネズミ。
redpill or blue pill
あなたは二択でどちらを選びますか。
二択は二択しかないから選ぶことができない。
二個しか選択肢がないから強制的に一つを選ぶことしかできない。
今の世代は答えが多様だ。その多様さは微々たる者であり。選ぶことができない世代でも逆に取るとなることになる。その選択を私は避け続けてきた。今までは、避けることができた。だって死ぬことなんてないんだから。
「田舎のネズミと、都会のネズミ。リデルにとってどっちが幸せ?」
急に尋ねられると考えてしまうのが僕の良くも悪くもくせである。こんなシンプルな問いに答えられないのなら、面接ではどんなことに陥ってしまうのだろうか?いや、こんなシンプルな質問だからこそ。なのか?
「僕は何にもしたくないに、何があっても社会に響かない生活を送りたい」
僕は意地悪な答えをした。理由だけ言ってどちらかを選ばないのだ。
「で、どっちなの?」
流石に誤魔化されないのか、貧乏ゆすりでテーブルを揺らし出した。そんなによそよそしくされると、もう選択を一つとって逃げ出したくなる。
しかし逃げる行動を起こさなくても良くなった。こんなにも簡単に逃げられると運がこれから悪くなりそうだ。しかしもう運は最悪になっていた。
「お前ら手を上げろお!」
銃声が窓際を震わせた。急激によって嵐の後の静けさが教室に訪れて、そんなことがあったとしても僕はいまだに逃げるかそのままいるか分からないまま席に留まった。
こんなにできないことがあると、いや、これはもう言ったか。
「俺が東大に落ちたのはお前らのせいだ特にお前の担任は俺にだけ教えてくれなかった最悪の教師なんだ俺は漫画家になりたかったのに俺の応援もせずに塾に行かせてーー」
授業の途中で教室に入ってきた男はつらずらと自分のことを語り出した。授業中の空気が破られたこと、教室という知り合いの閉鎖空間に不審者が紛れ込んできたこと、そして最大に銃をぶっ放したことに、クラスメイトは腕が吹っ飛ばされた怪我人のように一種のアドレナリンによる空気の麻痺が訪れていた。これが切れるまでは不審者の独り言だけが授業に響き続ける。
「ーーこんなことになったのも家庭の環境の問題もぁるんだよ、母も兄にはいろんなものを買って与えていたのに俺には何もなかったしそれでも俺は頑張って夢を追っていたのに誰も関心がなくて才能だけは自分でわかっていたのにこんなことになるのも人生で考えたこともないのに俺はなんにして全ての情報は漫画のために溜め込んでいたのにそれが全て意味がなくなるなんてーー」
ちょうど一分ほど不審者が話し続けていた後にようやく授業中だった生徒たちは今の状況を飲み込み始めてきた。まず一人、そして一人と悲鳴が教室に流れ出し、いわゆるパニック状態に陥った。
不審者は銃をもう一度空にうとうとするが、どうにか中の操作にはなれていないらしく、なぜか球は出なかった。生徒の悲鳴は高まるばかりで、どうにか部屋に出ようとキョロキョロ共同不審になる生徒も現れた。それを勘付いて、生徒は30人以上いるにも関わらず自分は一人で銃を持っているだけという状況に不審者までもがパニックに陥ってきていた。そんな中で僕はできるだけ他の生徒と一緒の反応と背の高さをして目立たないようにできるだけ馴染むように頑張った。しかしその努力も無駄に終わった。
「お、おーお前っ!立てよ!おい!」
人を罵ったことも、大きな声をも出したことがないような彼はハイになった頭で一生懸命空いていないのどを使って声量を荒げた。よりよって僕に。
「まず、お前は!お、お前は!みんなを落ち着かせろ!」
お前が最初に落ち着け、と僕も後から思い出してイライラしているのだが、その時は固まって言われるがままにみんなに優しく話しかけた。
ただでさえ人とは話さない僕はさっきの話題を思い出して、咄嗟に脆弱になった。
「田舎のネズミと、都会のネズミ、みんなはどっちがいい?」
教室は急に静まった。みんなは僕の声を初めて聞いたらしい。
「「「「「え」」」」」」
ドン引きとはこういうことなのか。怖くて人に何か強いことを言ったことなんてなかったけど、こういうことなのか。今はハイだから逆にみんなが自分に注目しているところが気持ちいい。
教室は静かになった、本当はこんなに静かにするつもりはなかったのだけど結局はこうなってしまった。僕は不審者に目を向けて、自分の役目を果たしたことを目で訴えた。不審者もドン引きしている。お前、こっち側のあっち側に来ていくんじゃねぇ。これが大人の空気の入り方なんだろうか。
「お、お前。どうなんだ。田舎のネズミと都会のネズミーー」
僕は。
究極の選択ではないのに、こんな環境では究極になる。なんせ二択なんだから。
「俺は、田舎でも都会でもいい感じに馴染むから……」
「どっちだよ!!!」
不審者は銃口をこちらに向けた。さっきはジャムってたけど今撃たれないという約束事はこんな環境ではクソでもない。こんな環境にて応えなければいけない。こんなことになるんだから。にたくはきつい。面接でも、いや、面接なら。どうなるんだろう。僕は嘘をつき続けて終わるのだろうか?
こんなことが続くなら、僕は、選択をするべきなのか。しようか。
何か言おうとした瞬間にクラスメイトの田中が割り込んだ。いや、割り込む前に自分は何も言ってはいないのだが。
「俺は!都会のネズミがいいい!!!」
「お、お前に聞いてなんかいねぇよぉ!」
銃口は彼に向けられた。その隙を逃さずに僕は地震が起きた時の俺ほんのように学習デスクの下に隠れた。
「お、俺は!都会に言って、うまいもん食べて!猫から虐げられても、好きなことをして好きなものを食べたいです!!!!」
「あっ!あっ!お」
もう何が起こっているのか分からない。僕の意味不明な問いかけから普通のみんなが急にインキャみたいに会話のタイミングを逃していた。みんなは結局陽キャでもインキャなのだろう。こうやって田舎か都会か、インキャか陽きゃか、そんなことで分けるのはやっぱりおかしい。こんなインキャな答えを今ぶつけると会話に沿っていないインキャの中でインキャをすることになる。これが本当のインキャなのかもしれないな。もっと、みんなと話がしたかったな…
と悟りを開いていると、
「ああ〜ー!!あーー!!!」
もう分からん!
と言いたそうに不審者は訳もわからず叫び出した。こういう光景YouTubeで見たことがあるなと考えていたところで、彼は一人一人に話しかけ始めた。
「お前は!!」
かわいそうに一人のクラスメイトの女子、恵に話しかけた。ほうとうに駆ける勢いでズカズカと話した。
恵は隣でうずくまっている友達に助けの目線を向けたが、彼女の日常の友好関係は非日常では役に立たなかった。
しばらく不審者はまったが何も言わないので、痺れがきれ始めていた。
「わ、私は!!!都会がいい!東京のネズミ!がいいーー」
こんな頃になったのも誰のせいか分からないが、クラスメイトはすっかり自分が話しかけられたらどうしようか回答を考えていた。
「お、!お前は!!??」
すでになんのために行われているのか分からないとあるように不審者は続けた。いつになったら終わるのか、分からない。という感じだった。
「俺も、都会がいい!!」
もう都会以外を答えると死んでしまうような空気になって、みんなは都会と答えていた。そんな調子でしばらく続いていた。
そして俺の友達と目が合った。僕はどちらなのだろうか。都会のネズミはなりたくてなったのだろうか?田舎のネズミは、そのまま現場に満足して留まっているだけなのだろうか。僕は、どちらなのだろうか。現実逃避だとしてもこんなことになりたい訳ではないのに。
「お前は!!」
やっと僕の番がきた。
「僕は」
何かつっかえる気持ち、何を聞かれても何かがつっかかる。自分を聞かれても誰かから聞いた答えしか思い出せない。そうやって僕は生きてきたんだからしょうがない。しょうがなくても、これがいいとは思えないのは、自分のせいなのか?
どうしよう、どうして、こんなことになったんだろうか。
「僕は……田舎のネズミ…なんだと思う」
「やっとか」
不審者はやりきったように言い切った。なんの目的なのか分からない不審者は満足したように、少し落ち着いた。
その時、まるで今までのことが時間稼ぎだったかのように、教師が教室に突っ込んできて、不審者を投げ倒した。まるでトマト祭りのように皆が群がって不審者は取り押さえられた。そうして僕らの授業は、やっとのこと終わった。あとで補修がたんまり残っているのだろう。
「それで、お前は田舎のネズミなのか」
友達は何を言っているのか事後の校庭で話しかけてきた。こんな後にもっと話すことがあるだろうと思っている中で僕はぼーっと映画の後の余興なように気持ちいいざわざわとした盛況を楽しんでいた。
「僕は」
話だす。
「何があっても自分の生活になる、だから田舎のネズミなんだ。結局は逃げていった、自分の気持ちいい環境に落ち着いてしまう。自分の家に帰って、あったかいものを飲みながら、健康の悪いお菓子を頬張って映画を見ることで人生のサルダージを感じる。その生活が守れることができたなら、なんでもいいんだ」
友達はずっと聞いていたが、割り込んでいってきた。
「お前って、つまんないやつなのかな?」
失礼極まりないセリフも、友達であれば正直で気にならない。だけど、僕は本当につまらないのだろうか?みんなには居場所はあるんだ。今感じているアットホームかんも友達とこんな非日常を味わった後にくだらない雑談をしているからだ。
「でもさ、僕は都会のネズミになるよ」
「いつ?」
「今から」
こんなことが起こったんだ、居場所なんてほうとうに絶対の場所があるわけなんかない。だから都会のネズミの方が正解なんだ。田舎のネズもは自分の居場所がないから帰ったのだ、都会に止まらずに。
「そっか、よかったな」
友達は僕が考えていることを悟ったように優しくもなく、生アタ卓もなく、温かくもなく、冷たくもちょっとあるけど、ハートウォーミングなセリフに、僕はやっと都会のネズミになることができたのだ。
夕焼けを見上げながら、パトカーのサイレンがなっていて、まるで映画のワンシーンみたいだなと思いながら友達と二人で校庭にしばらく座っていた。
終劇。
2023/01/04