5、後悔の日々
.....。
彼女は言う。
才能があっても私は人は救えないから、と。
俺はその言葉が何の意味を指しているのか分からなかったが。
取り敢えずあまり聞かない事にした。
それから夜になる。
「.....ふあ.....そろそろ寝るか」
勉強をしてラノベを読んで。
そんな事を言いながら俺は寝る体制をとる。
するとドアがノックされた。
ん?、と思いながら、どうぞ、と言うと。
何故か寝巻き姿の櫻が入って来る。
その姿はピンクに銀髪という特殊な感じだったが。
似合っているが.....。
それは良いとして何の用事だ?
「どうしたんだ?櫻」
「うん。昔の事を思い出してどうしても寝れないから」
「そ、それは雫さんに相談したらどうなんだ」
「でもせっかくお兄が居るし。.....だから来たよ」
い、いや。それならそれでも良いんだが。
思いながら俺は櫻を見る。
すると櫻は、一緒に寝てくれない?今日だけ、と笑顔になる。
俺は、ふぁ!?、と思いながら櫻を見る。
「.....い、いや。良いけど.....俺男だぞ。.....男は獣って言うし.....」
「うん。確かに言うけど。.....でもお兄はお母さんも公認だし」
「い、いや。しかし.....」
「良いから寝るの」
「.....は、はい」
俺を強制的に寝かしつけてから。
そのまま反対側に寝転がってから俺を見る櫻。
改めて見ても良い顔だねお兄、とニヤッとする櫻。
コイツという奴は。
でもコイツも良い顔なんだよな。
「.....お前こそ良い顔だぞ。可愛い.....可愛いぞ。ははは」
「.....お兄。恥ずかしいから」
「何だお前。散々人を褒め散らかしておいてお前はその態度かよ」
「わ、私は良いの。妹だから」
「妹属性を適正な所で使うな」
そんな感じで話しながら俺達は天井を見上げる。
すると、ねえ。お兄は将来ってある?、と聞いてくる。
俺は、?、を浮かべながら櫻を見る。
櫻は見上げたまま、私は何も将来が見えない、とニコッとした。
「.....時に死んじゃいたいって思った事もあった。.....だけどお兄に会えるからって頑張って生きた」
「お前一体どういう環境に居たんだ?前は」
「.....普通の環境.....だよ。ちょっと変わった環境だったかな」
「.....そうなんだな」
うん、と答えながら櫻は天井を見上げたまま反応する。
俺はその姿を見ながら同じ様にまた天井を見上げる。
すると数秒してから櫻が、実は.....私、お父さんを殺したかもしれない、と告白してくる。
俺は、!、とまた浮かべながら櫻を見る。
「.....自殺だった」
「.....それと殺したとどう関係があるんだ」
「私が.....あの朝に余計な挨拶をしなければ良かった。.....お父さん嫌いって」
「.....成程な。.....それでお前は後悔しているのか」
「.....そしたら次会えたら白い布が被せられていた。.....顔に」
櫻は泣き始める。
だから私は後悔しかない。お父さんを殺した、と言ってくる。
俺はその姿を見ながら櫻の肩を掴む。
それからそのまま抱きしめる。
「お、お兄.....?」
「.....すまない。こうせずには居られなかった」
「.....あ、あはは。お兄は優しいね.....」
涙が止まらない様だ。
俺の胸元が大粒の涙で濡れていく。
その姿に俺は撫でて良いものか分からなかったが頭に触れて撫でる。
それから優しく抱きしめた。
すると、お兄。.....私は貴方に会えるのが本当に楽しみだった。だからこそ貴方は居なくならないで.....、と涙声で言ってくる。
成程な。
そういう意味だったんだな。
「.....心が痛んでいたんだな」
「そうかもしれないね。本当に絶望しかなかったから」
「.....分かった。俺は居なくなったりしない。お前の元から。兄妹として.....生きよう」
「.....有難う。お兄」
そして涙を拭く櫻。
それから、じゃあ寝るか、と提案する。
すると櫻は、うん、と頷いてからそのまま寝る事にした。
そうしてからの翌日。
俺は凄い事実を知った。
☆
「転校するの。.....お兄の学校に。.....それから私は飛び級する」
「.....それはつまり.....俺と同じクラスになるって事か?」
「そういう事だね。お兄」
「.....まさかだな」
そんな会話をしながら俺は朝、学校に行く準備をする。
櫻は、転校だから遅くに行くね、とニコッとする。
その言葉に、そうだな、と笑みを浮かべた。
なら俺は先に行くか。
「.....気を付けてな」
「.....そうだね。お兄も気を付けて」
そんな感じで話をしつつ朝ごはんを見る。
これは.....誰が作ったのだ?
思いながら居ると櫻が、私が作った。朝ごはん、とニコニコする。
「お前が作ったのか!?」
「そうだよ。お兄」
「.....お前は本当に全知全能だな」
「オールマイティーだね。アハハ」
そこには美味しそうな漬物、シャケ。そしてご飯、味噌汁、卵焼きが置かれている。
相変わらず凄いこったな。
思いながら俺は手を合わせてから櫻を見る。
櫻。いただきます、と言いながら。
「うん。食べて食べて」
「ああ」
何だか朝から元気な気持ちになる。
こうして美味しい朝ごはんを食べれて幸せだ。
思いながら俺は朝食を味わう様に食べた。
いつもの俺が作る質素なもんより10000倍美味しい。
.....。