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2、許嫁になる為に

.....。

俺の彼女に浮気された。

名前を七星星羅というのだが。

何というか.....絶望しかないと思う。


そしてただひたすらに俯きたい.....所だったのだが。

自体がかなり急変した。

何が起こったのかといえば。

一人っ子の俺に義妹が出来た。


「.....」

「.....」


究極のアルビノという銀髪を携えた美少女の櫻という名の少女と向かい合っていた。

汗が噴き出して止まらないのだが。

どうしたものか、と思う。

何故俺は美少女と向き合って座っている。

思いながら俺は俯く。


「.....お兄」

「.....な、何でしょうか」

「私はお兄と上手い関係になれるかな」

「.....そ、そんなの分からないけど.....」

「そうだよね.....」


家の中に急に美少女と美女が2名居て俺に笑顔を浮かべている。

そんな状況がいきなり生まれた。

あり得ない、と思いながら俺は櫻を見る。

櫻は笑顔になりながら俺を見てくる。


「.....私、お兄と会うの楽しみにしていたの」

「.....何で?俺なんかに.....会っても.....」

「そもそも何で私がこの場所に来たのか知ってる?」

「.....知らない.....」

「私、実は貴方の許嫁になる為に来たんです」


櫻はニコッとする。

正直言ってその言葉を聞いてから。

俺は思いっきり噴き出した。

何.....!!!!?


「私達は昔、会った事があるみたいだよ」

「.....は!?.....嘘.....」

「嘘じゃないから言っている。.....私はそう思っている」

「.....」


あまりの事に衝撃が止まらない。

そして俺は汗を流しながら目を回す。

すると櫻は、えっと。.....その。.....お兄の趣味は漫画とかゲームとか?、と聞いてくる。

俺はその言葉に、え?あ、ああ。まあ、と答える。

櫻は笑みを浮かべて、そっか、と言葉を発しながら漫画を手に取る。


「じゃあ私も.....オタクになろうかな」

「.....え!?な、何で!?」

「だって私.....お兄と同じ趣味が持ちたいしね」


せっかく家族になるんだから、とニコニコする櫻。

俺はその姿に真っ赤になりながら俯く。

それから俺は頬を掻いた。

そして櫻を見る。


「.....何故.....そこまでしてくれるんだ」

「.....私は許嫁になりたいから」

「.....だからそれは答えになってないよ」

「私は昔から憧れていたから。.....好きです」

「.....」


好きですって言われてもな。

思いながら俺は.....彼女の顔を思い出す。

あの女の顔を、だ。

そして虫唾が走った。


「.....ゴメン」

「.....?」

「俺は君の言葉に応えられない。.....申し訳ないけど俺はそんなに良い人じゃないから」

「.....そうなの?」


でも私は.....お兄。

貴方がとても良い人だっていうのは知っているから。

それは嘘だね、と笑顔になる。

俺はその言葉に、!、と浮かべる。

それから.....、そんな事はないけど、と答える。


「.....俺は.....そんなに良い人じゃない」

「.....その.....何かあったの?」

「.....いや。今は話せない.....というか話したくない」

「.....そっか。じゃあお兄が話したくなったら話して。お願い」


そう言いながら俺を見てくる。

そして柔和になった。

俺はその姿に目線を逸らす。

何故こんなに.....、と思えるのだが。

俺はこの子の事を覚えてないのに、と。


「.....大好きな人の事だから」

「俺はお前の事を知らないんだぞ。.....全く知らない.....それなのに」

「.....じゃあ私の事を今から知って。私は.....それを望む」

「.....」


何故そこまで。

思いながら俺は櫻を見る。

そんな櫻は俺を見ながら笑みを浮かべる。

それから俺を真っ直ぐに見た。


「話せる時になったら話して下さい。.....お願いします」

「.....ああ」


そして櫻は、じゃあ今から教えて。どんな漫画が面白いのかとか、とニコッとした。

俺はその姿に顎に手を添えてからまた柔和になる。

分かった、と言いながら。

不思議な女の子だ、と思う。

本当に。

.....。

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