プロローグ 始まり
「…まだ寝たい。」
そんな間抜けな声を出してる俺は水瀬樹って名前だ。
今日は5月2日桜が既に散って過ごしやすい季節になってきた
4月から大学に入って一人暮らしを始めたのは良いが想定よりも出費が多く頭を悩ませていた所である。
今日は3限からだし全然二度寝出来る時間ではあるがとりあえず枕元に置いてあるスマホを取り、通知をチェックした。
通話チャットアプリLIFEの通知が入っていた。
「有希か。」
有希は高校時代からの親友だ。入学式から1人で居たのを見かけて声をかけて友達になってから今に至る。
大学も一緒なのでどうせ一緒に行こうってメッセージだろうと思って一応確認したら案の定その通りだった。
「おはよー有希」
「よっ、樹」
有希と駅前に合流して大学に向かってとぼとぼ歩いている
「なぁ、樹」
「どした?」
「俺らでホストやってみねーか?」
「へ?」
想像の斜め上の発言に思わず間抜けな声を出してしまった
「なんだよ有希。突然だな」
「お前一人暮らし初めて出費が〜とか言ってただろ?ホストで売れたらそんな心配無くなるだろ?」
おいおいいきなりこいつ何言ってるんだよ。
ホストってそんな簡単に売れるイメージが無いし未成年でもできるのか?
お酒だって飲んだことないし未成年飲酒じゃん?あと普通に夜仕事してたらレポートする時間無いじゃん
「ホストって未成年でも出来るもんなの?」
「出来るらしいぞ?18以上ならOKらしい」
「…まじか」
現時点でバイトもしてないし高校の時にしてたバイトは卒業の区切りで辞めちゃったから収入がないのは心元なかったのでバイトを探していた所であった。
「まぁ、考えとくわ」
「おうよ」
その後は大学の話や愚痴などを話しながら大学に着いて講義を受け、スーパーで食材を買い、自宅に帰ってきた。
「ただいまー」
ただいまと言っても誰も返事してくれない寂しい部屋の電気をつけ、冷蔵庫に買ってきた食材を入れて2人がけのソファーに腰掛けた。
部屋は1LDK(風呂トイレ別)で1人で住むのには充分過ぎるほど広い。なぜその部屋になったかは親と祖父母が謎に気を利かせて選んでくれた。
うちはそこそこ裕福なのでお金を出してくれたことにすごく感謝をしている。
仕送りも貰っているが遊びに行くお金が意外と無いことに気づき、貯金もしたい為、バイトを探していたのである。
今日有希が言っていた事を思い出し、ホストの事を調べる為に動画配信アプリのユーチャーブを開けた。