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あたしのアサシンがとんでもない件  作者: おにまる
第五章  折れないハート

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75話 これまでの出会いに感謝



 「先日は失礼な態度を取り、すみませんでした。」


やんやんさんから話を聞いたいつものメンバーが翌日の夜、彩音のために時間を作ってくれて集まってくれた。


「全然問題ないですよ、それより本当に居なくなるんじゃないかと心配しましたよ。」


「前にそれらしい事言ってたからね。無事に戻ってきて何より。」


きんぐさんや蒼月さんからも一切の非難なく迎えてくれることに、彩音は改めて良いギルメンとの出会いに感謝するとともに、取り乱したことに自責の念に駆られていた。


「ありがとうございます!。それと今のロックスはかなりあれでして・・・皆様にご迷惑おかけしますが、どうか!、どうか力をお貸しください!。」


「やんやんさんに聞いてはいるけど、ロックスさんには、さんざん助けていただいているのでロックスさんの頼みなら最優先ですよ。」


「何なら我らだけでも必ずや倒して見せますぞ。」


皆からの暖かい返事に、思わず涙がこぼれてくる彩音だった。ロックスと共に築き上げてきたものがあるからこその現在なのだ。


もう彩音は一人では無いのだ。


こうして共に支え合える仲間に出会う事こそ、MMORPGの最大の醍醐味ではないだろうか。


「それでは早速行きますか!」


「ありがとうござます!」


早速【デスタイラント】の討伐に皆で出向いてくれると言う事で彩音は皆に改めてお礼を言い。未熟者ですがよろしくお願いしますと付け加えたら皆が笑い始めた。


そこにはびくつきながらモニターを見ていた彩音は居なかった。そこに居たのは眼を輝かせながら、まるで新たな冒険に繰り出すかのような希望に満ち溢れた少女が居た。


(もうすぐだからね・・・必ずやり遂げて見せるから)


 そうして【クレイジーギア】のメンバーは魔界研究所へ向かった。

道中も敵をなぎ倒しながら目的地へと進むメンバーだったが、その時メンバーもロックスの動きに少なからずの異変を感じ取ったようだ。それもそのはず。操作しているのは彩音自身なのだ。その動きは以前の華麗に舞うように敵を倒す一流と呼ぶには程遠く、必死差がにじみ出ている様な力任せな動きだったからだ。


 さすがの【クレイジーギア】のメンバーの《《護衛》》付き?によりすぐに【デスタイラント】の待ち受ける部屋の前に着いた。


「どうやら調子が悪いと言うのは本当のようですね。でも大丈夫ですよ私たちがカバーしますから!」


「うむ、困った時こその仲間である。」


「ありがとうございます。迷惑かけるかもだけど頑張ります!。」


 きんぐさんや蒼月さんからの暖かい言葉をもらい、再び感涙に耽りながらもその眼の光を強くしながらお礼と決意を口にした彩音だった。


 意を決して【デスタイラント】の部屋へと続く転移陣に足をのせる。

その中にはあの日見た、まさに狂暴を具現化したような大きなそれが鎖に繋がれていた。きんぐさんが一歩踏み出すとそれは唸り声を上げながら鎖を引きちぎり目の前の敵を叩き伏せようとやってくる。


ウボォオオオオオオオオオ!!


【デスタイラント】:Lv87

 攻撃力:401,500

 防御力:262,700

 HP:102,000,000


この前戦った時から、皆レベルを上げ95スキルも所持している。

それに何といっても攻撃パターンが分かっているというのは、それだけで精神的にも楽になり、対策も十分にできるので、今の【クレイジーギア】のメンバーからするとさほど脅威では無いのかもしれない。


 さぁ、開幕の時だ。落ち着いついて自身の身の丈程もありそうな拳を受け止めつつヘイトスキルを回して行くきんぐさん。皆はその間、きんぐさんがヘイトをしっかりとり【デスタイラント】のタゲがしっかりと安定するのを待つ。


「そろそろ大丈夫です。さぁ皆さん頼みましたよ!」


皆が一斉に配置に着き攻撃態勢に入る。彩音も今までずっとロックスの戦う姿を見て来ていた。それを脳内でトレースしながら、【デスタイラント】の前に躍り出て、その狂暴でとてつもなく大きな拳に構えをとる。


ー暗雲転身ー


上手く行った。初撃をしっかり見極めてアサシンの火力パターンに持ち込むのが大事だが、まずは第一難関クリアと言った所か。


 【デスタイラント】は威圧する。全ての目の前の敵を憎むようなその赤い目で。そのハンター達の3倍はあろうかと言う筋肉質な肉体で。その拳の一撃は非常に重く並みのハンターなら一撃で床に這いつくばる事になるであろう。


彩音はしっかりとその全てを《《視て》》いた。以前の様に怯えて目を背けることなく。それでいて自ら操作し、その巨大な敵に立ち向かっているのだ。



 一念岩をも通す。


何が彼女をそうさせるのか?


全てはロックスの心を取り戻す為。彩音の瞳には強い信念を抱いた光が灯っていた。


以前とは段違いに皆の火力も上がっており、すぐに【デスタイラント】のHPが残り80%まで削れる。


次の瞬間ロックスが思いっきり吹っ飛ばされる光景を皆が唖然とした目で見ることになる。


一瞬力を溜めこみその巨木の様な腕を広げ移動式回転ラリアットを繰り出してくる。

全方位攻撃の為、背後を取っていても当たるのだ。


「大丈夫です。皆回避して立て直しましょう。」


前回で行動パターンは分かっているので、【デスタイラント】が部屋を回りながら定位置に戻るまで回避する。


ロックスも吹っ飛ばされて、かろうじて倒れてはいなかったが、瀕死だった。


「すみません!」


「大丈夫です。」


すぐさまやんやんさんがロックスを回復させる。彩音は今の一撃で【デスタイラント】の強さを再認識するとともにロックスの凄さを改めて認識したのだ。


今まで敵の攻撃食らう事などほとんどなかったその姿に、皆も少なからずの動揺はあるだろうが、それをおくびにも見せずカバーする。


(何度だって・・・吹っ飛ばされたって・・・やり遂げるから!)


彩音はキッとモニター越しに【デスタイラント】を睨みつけるのだった。





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